本会議

一般質問全文 (平成31年第1回定例会)

早川太郎 質問。

「つなぐプロジェクト 早川太郎でございます。
今回は大きく2点伺わせて頂きます。
まず初めに、新たな産業を育む台東区について、伺います。
昭和から平成へと時代が移り変わる中、特に平成に入ってからの30年間は、グローバル化やICT、AI技術の進展に伴い、情報、物流や経営そのものが変化し、我が国の産業構造も 大きく変わっていった結果、台東区においても、まちの姿が 大きな変化を起こしています。
共同住宅戸数が 全体の9割に迫る勢いで、土地利用比率では、住宅用地比率が 商業用地比率を上回ってしまいました。総務省の統計調査によれば、全産業の事業所数は、昭和63年の35178事業所から、平成25年には1万以上の事業所が減少していて。製造業や卸売業、広域型対応店舗を除く 小売店は、大幅に減少しています。
区内就業数比率も 平成12年の61.3%から 27年の36%と4割も減。
昨年の決算委員会総括質問で、木下議員が懸念を述べていた通り。
「衣食住近接の 零細中小企業のまちから、観光と住宅のまちになりつつある。」と、私も思っていて、区内事業者を増やしていく 新たな試みが必要なのではないか、と考えています。
基本構想策定審議会の検討資料にも 区の抱える課題として「既存産業の再活性化を図るとともに、新たな活力をもたらす企業の区内誘致や、創業・起業の促進など 区内産業の活力、競争力を高めていく必要がある」旨の記載があり。
そういった課題解決に向けて、区ではこれまでも、デザビレや浅草ものづくり工房といった 創業支援施設の運営や、事業団による創業・起業支援を行っており。産業フェアの開催などで、販路開拓にも力を入れ、ものづくり産業や伝統工芸など 既存産業の再活性化には、尽力されていることは充分評価しています。
しかし、それだけでよいのでしょうか。
現在では、朝インターネットで注文した商品が、夜には自宅に届いてしまう。そういう時代となってきていて。IT関係などから派生していく、これまで想定していなかった産業も出現してきており、今後も、その動きが加速していくことでしょう。そういった新たな産業の区内誘致も、積極的に仕掛けていくべきではないでしょうか。
以前視察した大阪市では、大阪駅に直結した施設に、「世界市場に挑戦する起業家や 技術者、支援者が集まる ビジネス創出支援拠点」としてイノベーションハブを設置していて。既存産業と新たな産業の担い手が交流し、新規ビジネスを生み出すような支援が行われています。創業したての企業にとって、そうした拠点は、新しい取組みができるきっかけの場となっています。また、IT企業の経営者からは、いろいろな人が集まり 情報交換ができる場が、仕事につながる、とも聞きます。
例えば。鶯谷や入谷駅近くの旧坂本小学校跡地に、東京芸術大学の 大学院映像研究科の移転を視野に入れた活用を 検討しているのであれば。映像関係などのビジネスを手掛ける方々との 交流拠点施設を整備したり、IT版の創業支援施設や NPO法人などの拠点施設を集約することで、新たな産業の拠点づくりを目指してみてはいかがでしょうか。
個人事業主を含めた 新産業を担う企業を支援することは、職住のバランスが取れる 昼間人口創出にもつながり、また、その人々が、台東区の地域コミュニティの新たな担い手になってくれるかもしれません。衣食住近接は、子育て世帯の方々にも、魅力となるのではないでしょうか。
企業誘致は、台東区においては、法人住民税が都税となっていて 直接的に区税の増収にはつながりませんが。昨今、都においては、企業のドーナツ化現象が現れており、都内から出ていく企業も増えている、と聞きます。台東区が、その流れに待ったをかける意義は大きい と思います。
基本構想とともに答申された「施策の方向性」では、「新たな産業を育み、区内の産業集積を維持・発展させることが必要」との記載があり、施策に取り組むよう 求めています。新たな産業を育む取り組みについて、どのように進めていくのか、区長の所見を伺います

次に、子どもの感染症対策の充実について、伺います。
厚生労働省の発表によれば、1月21日~27日の一週間に、インフルエンザ患者は 1施設あたり57.09人となり、調査が始まった1999年以降、最多の流行となっています。
インフルエンザに感染すると、せきや高熱などの症状が発生するだけでなく、インフルエンザ脳症や 重症肺炎など、命に係わる重大な合併症を併発することもあります。特に、高齢者や5歳以下の子供たちなどは、重症化しやすい傾向にあり、感染症予防の対策は重要です。
65歳以上の高齢者には、予防接種が定期接種化されていますし、台東区においては、23区では6区しか実施していない 子どもたちへの予防接種の助成を、他区よりも手厚く実施していることは、大いに評価するものであります。
私が区議になった8年前には 4000万人強と言われていた来街者は、スカイツリーの完成や、インバウンド対策等の効果もあり、5000万人を突破しています。今年の9月にはラクビーのワールドカップも開催されますし、来年にはオリンピック・パラリンピックも控えていて。世界各地から様々な方が訪れることを考えれば、感染症のリスクは、今以上に高まってくるのではないでしょうか。
デング熱や、ジカ熱等も記憶に新しく、世界のどこかで発症した感染症が、タイムリーに台東区へやってくる、そういう時代となっています。
感染症の発症も、災害と同じく、完全に防ぐことは不可能であり。震災対策でいうところの減災。つまりは、感染症の広がる範囲を 少しでも抑えていくための、できる限りの予防対策の充実が 重要となります。
子どもを感染症から守る対策の1つに、学校欠席者情報収集システムというものがあります。
感染症の集団発生を早期に探知し、早期対応するために、記録連携、早期探知を一元化したサーベイランス(注意深く監視する)システムで。保健所、教育委員会、医師会、園医等が同じツールを活用し、施設および地域情報を把握して 見守り体制を構築することで、感染症を施設だけの責任とせず、子どもの健康を確保していくことができる 画期的なシステムです。
現在、全国の幼稚園、小学校の約6割の27000校で、また、保育園では10,000園以上で導入活用されています。都内では5自治体の学校で、保育園では10区6市に導入されており、近隣の墨田・文京・中央区などでも活用しています。
現状、台東区においての 保育園や学校等での感染症に対する対応は。
保育園においては10名以上の発生が。学校や幼稚園においては 設置者の判断で実施される学級閉鎖が、報告基準となっていますが。このタイミングでは 既に流行が広まっていることもあり、介入効果が 十分ではないのでは、と危惧します。また、感染症が報告され 集団発生が確認されると保健所などが施設への訪問調査を実施、保健所が終息を判断するまでは、連日ファックスなどで報告を求めて 経過把握に努めているようですが、流行時における 施設側の事務的負担が大きいのではないでしょうか。
学校欠席者情報収集システムを導入すれば、毎日の感染症の欠席数や症状の人数を タイムリーに把握でき、また、自分の施設はもとより、区内の中学校区毎、また導入されている近隣自治体の状況も 確認できることなどから、流行に備えての 準備対策が可能になりますし。保健所や関係部署も早期発見介入することで 集団感染を未然に防ぎ、拡大防止が可能となります。サーベイランスシステムは、学校や幼稚園、保育園など 台東区の全ての施設が加入することで、より効果的な 感染症の予防対策が実現可能と考えますので、早急に 全施設への導入を図るべきではないでしょうか。
昨年、都内の保育園などで発生した、細菌性赤痢の集団感染が 報道されていました。細菌性赤痢が保育園で流行するなど、今までは想定されていなかったことですが、グローバル化が進むなかで、他国で起きている感染症が 短期間で国内に入り、重症化しやすい子どもの 集団生活の場を脅かす可能性が高くなってきた 一例ではないでしょうか。
今年のラグビーワールドカップや来年のオリンピックパラリンピックに向けては、感染症に対する より一層の対策が必要ですし、国や都もサーベイランスの強化を求めてくるはずです。感染症の早期の把握、そして、その情報を関係部署で 速やかに共有できる体制を構築する必要があると考えます。
台東区 新型インフルエンザ等 対策行動計画の中にも、感染拡大の抑制に向けての 対応策として「サーベイランス体制の確立、情報を速やかに収集・分析すること」の重要性が述べられています。感染症の予防対策として、日頃からの備えを充実しておくべきです。
今後、感染症のリスクが高まる可能性の高い台東区において、集団感染が起きやすく、抵抗力が低い子どもたちへの備えとして、日ごろからのサーベイランスの強化など、感染症予防のより一層の充実を図るべき、と考えますが、区長のご所見をうかがいます。

また、教育・保育施設を所管する教育委員会として、サーベイランスシステムの積極的な導入を図るなど、感染症への備えをより一層充実すべき、と考えますが、教育長のご所見を伺います。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

区長 答弁

「早川議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第一は、新たな産業を育む 台東区についてです。
区では、地域産業の活性化を図るために、創業支援施設の運営や若者・女性などに対する経営セミナーの開催など、創業・起業の支援に取り組んでいるところです。私も、産業構造が変化していく中で、新たな技術や発想を取り入れられるよう、様々な産業分野の人々が交流できる拠点が必要であると考えています。今後、台東区 基本構想に掲げる「活力にあふれ多彩な魅力が輝く まちの実現」に向けて、拠点の整備や区内産業に 新たな効果をもたらす企業を誘致することで、多種多様な産業の集積を一層進めて参ります。

ご質問の第二は、子供の感染症対策の 充実についてです。
体力・免疫力の弱い子供に対する感染症対策は重要であり、グローバル化の進展により対策強化の必要性は更に高まっていると認識をしています。現在、感染症の発生届や発生動向調査をもとに、区公式ホームページなどで感染症に関する注意喚起を行うほか、保育園 や 小中学校等の職員向けに毎年 講演会を実施し、普及啓発に努めています。感染症の拡大を防止するためには、サーベイ ランスの強化などにより、発生を早期に把握し、対応することが重要です。
今後も、教育委員会・医師会等の関係機関と連携しながら、感染症対策の充実に努めて参ります。」

教育長 答弁。

「早川議員の子どもの感染症対策の充実についてのご質問にお答えをさせていただきます。
教育委員会では、関係機関と連携し、感染症が発生した際には、速やかに対象の学校・園から情報を収集し、各学校・園や関係機関に対して情報提供することで注意喚起を図るなど、これまでも感染症対策に取り組んでまいりました。更に学校・園におきましては、感染の仕組みや効果的な予防方法についての保健指導や保健だよりを通じた啓発、室内の清掃・消毒による衛生管理の徹底等の感染症対策を行っているところでございます。グローバル化の進展等により、今後、新たな感染症の発生も予想されるため、感染症対策は、これまで以上に重要になると認識をしております。教育委員会といたしましては、学校・園及び関係機関と協議をしながら、サーベイランスシステムの導入を含め、感染症への備えをより一層進める方向で検討してまいります。」

代表質問全文 (平成30年第1回定例会)

早川太郎 質問。

「つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。会派を代表して、大きく2点伺います。

まず、初めは財政についてです。平成30年度予算案では、特別区民税は前年度当初予算に比べ約7億円の増額、特別区交付金も前年に比べ3億円の増収となっており、3年連続で区政史上最高額の予算規模となり、当初予算としては初めて1,000億円の大台を超えてしまいました。しかし、ここ3年間の一般会計当初予算を各年度の1月1日の人口を基準に1人当たりの行政コストで比較してみれば、28年度は50万5,000円、29年度は51万円、そして30年度は51万3,000円となり、人口当たりで見れば30年度予算案はここ数年の財政規模とほぼ変わらない予算だと言えます。にもかかわらず、前年に比べて基金の取り崩しは約10億円増の30億4,000万円、区債発行は約1億8,000万円増の24億5,000万円にも及んでいます。さらに将来に目を向けてみると、歳入では例えば地方消費税交付金、国の平成30年度税制改正では地方消費税の配分見直しが盛り込まれ、東京都全体で約1,000億円、台東区では約9億円の減収と推計され、対前年度約6億8,000万円の減で約47億5,000万円となっています。消費税の税率引き上げ相当分は約17億3,000万円となっておりますが、区が支払う消費税や法人住民税の国税化などの影響で区財政に与える影響はマイナス約6億円となっており、平成31年10月の税率改定以降にはさらに国税化が強化される可能性も高く、特別区交付金に与える影響は深刻です。また、景気の変動による歳入減や消費税増税分の転換措置として国、都からの支出金の減などの懸念もあり、さらに消費税の軽減税率実施による消費税収の補填財源のあり方によっては台東区に交付される消費税交付金の減額懸念もあります。
また、ふるさと納税の影響額は決算額の推計値で27年度の約3,500万円から年々増加し、
29年度には予算時に見込んでいた額を超えて3億7,000万円の減額見込みとなってしまい、現行の制度が続行されていけばふるさと納税における今後の減収は増大していくことでしょう。
さらに、たばこ税も対前年3億円の減で32億円、東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据え国や都などでは受動喫煙対策の法整備が進められ、喫煙場所の規制強化が検討されており、喫煙機会の減少はたばこ税の大幅な減収に直結します。将来の医療費の減少につながるかもしれませんが、その効果があらわれるまでには相応の期間が必要であり、財政の視点からだけ見れば、30億円を超える貴重な自主財源であるたばこ税の減収は大変な懸念材料と言えるのではないでしょうか。
歳出面でいえば、子育て支援対策では子ども・子育て支援新制度にかかわる総事業予算が年々上昇し、30年度には125億円となっています。その125億円のうち保育園、幼稚園などのランニングコストは約92億円かかっていて、新制度が開始された27年度当初予算と比べるとわずか3年間で30億円の増額となっており、その92億円のうち国や都などの補助金や保育料などの収入を差し引いた一般財源からの支出が約62億円で、27年度と比べれば14億円も増額となっています。
今定例会で審議される子ども・子育て支援事業計画は計画どおり待機児童の減少が見込めなかったことなどにより中間改定を行うことになったものであり、整備施設数はさらに増加することになっています。次期計画では、ゼロ―2歳児保育後の3歳児の受け皿となる連携園対応を行うこととしており、現行の対応を続けていくとするならば、かなりの数の保育施設整備が必要となってくるのではないでしょうか。保育園、幼稚園などの施設整備費やランニングコストはさらにふえていくことになるでしょう。さらに、現在国では幼児教育の無償化実施に向けて検討が進められており、市区町村の一般財源からの支出が増加するとの報道もあります。待機児童対策の充実よりも先に、また義務教育と位置づけずに無償化を進めていくことへの是非はともかく、区財政に与える影響は甚大です。
また、心身障害者福祉費では、障害福祉サービスの内容充実や受給者の増により障害者差別解消法施行前の27年度当初予算と比べ30年度予算では約50億円と3年間で約7億円の増、現計画年度で遅々として進まなかった生活支援施設やグループホームなどの整備はしっかりと推進していくべきですし、松が谷福祉会館の事業の再配置を含むあり方の検討や子供たちが対象の児童発達支援、さらには障害者差別解消法を積極的に支援していくためのバリアフリー対応など、今後も事業費は増大していきます。
さらに区有施設の維持管理、行政計画上の老朽化対策事業では約20億円が計上されており、対前年度で10億円少なくなっておりますが、30年度は工事が計画されている施設が少ないためであり、施設保全計画どおりに保全整備を実施していくのなら今後とも多額な経費がかなりの期間必要となってきます。そのほかにも児童相談所の設立や高齢者対策における特養施設の再整備、介護予防事業の拡充、耐震化、不燃化などの防災対策など多額な費用が見込まれる課題は多数あります。
平成30年度は現在策定中の区の基本構想にあわせ、長期総合計画も策定する予定となっており、未来を描いていく上でも安定した財政基盤が不可欠であると思います。平成30年度を基本構想を策定し台東区の明るい未来を切り開いていくための新たなスタートを切る年と区長は位置づけていますが、今後の区の財政状況をどのように認識しているのか、区長の所見を伺います。

地方自治体の財政状況に多大な影響を与える昨今の国の政策、地域間格差の解消という名のもとに開始された特典つきのふるさと納税や法人住民税の国税化、消費税の配分見直し、待機児童対策や幼児教育の無償化、予防接種の充実など、地方交付税交付金をもらうことができない台東区にとっては、国からのしっかりとした財源確保が伴わない国の制度設計は区の財政に多大な影響を与えます。確かに、23区は他の自治体と比べれば財政状況に余裕があるかもしれません。しかし、人口が集中する都市圏ではその分人件費や土地などの価格も高く、また待機児童対策や災害対策を含む都市圏特有の行政需要も多く、歳出も膨らみがちにならざるを得ません。歳入は削られ区の一般財源からの支出が増大せざるを得なくなれば、行政サービスの維持、推進に努めていくことは大変難しくなってきます。今後もこういったことが続いていくと、台東区の財政は大丈夫なのかと真摯に憂いている議員は私だけではないはずです。こういった国の政策について、区長はどのように思っているのか。また、どう対応していくつもりなのか、区長の所見を伺います。

今後の台東区の財政状況が厳しくならざるを得ない状況を鑑みれば、今のうちに将来を見据えた対処策をしっかりと検討していくことが重要です。行政に求められるサービスも多様化・複雑化してきており、その需要に応えるために行政が行う事業は増加しています。また、国の制度変更などに対処するための事業も増大していて、それら事業をしっかりと行うためには区の人員もふやしていかなければなりません。現に30年度の予算では27年度の職員数に比べ常勤職員が約100名増、人件費は対前年比で約7億円の増となっています。今後は民泊事業対応も充実させていかなければなりませんし、児童相談所の新設などもあります。さらには子育て、介護などに対応するため、ワーク・ライフ・バランスのなお一層の推進も必要です。今のままの行政手法を行っていくのならさらなる増員が必要となってきますが、財政的にはかなり厳しくなっていきます。多様な行政ニーズに応えていくために、やる気やノウハウのある団体と協働しながら行政サービスの充実を図っていく協働事業を台東区は積極的に推進していくべきではないでしょうか。
今年度、区は協働提案事業の募集を行い2事業を決定、来年度より事業がスタートします。しかし、台東区における協働事業は区民との協働、つまりはパートナーシップに重点が置かれているような気がしてなりません。区民との協働も大変重要だと思いますが、NPO法人などの団体や公益活動を実践する企業などとの協働が軌道に乗れば、行政の負担も減り良好なサービスの恩恵を区民が享受できる可能性が高くなります。行財政基盤の強化としても、協働事業をしっかりと推進していくべきです。
また、他都市では既に実施しているクラウドファンディングや福祉や子育てなどの政策目的別寄附金などのふるさと納税制度、そして行政サービスを民間のNPOなどに委託し民間の投資家から調達した資金をもとに事業を行い、成果を達成した場合に行政から投資家に配当を支払うソーシャルインパクトボンドなど、新たな行政手法の検討をしっかりと行っていくべきです。将来の厳しい財政状況を見据え、協働事業やクラウドファンディングなどの新たな手法などを含め行財政基盤の強化に向けた取り組みを進めていくべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

次に、情報活用・選択能力の育成について伺います。
昨年度末に作成された台東区情報化推進計画によれば、台東区における平成28年度のインターネット普及率は国平均よりやや高い約85%であり、スマートフォンの保有率はこの数年の間に急激に増加し、7割以上になっています。また、内閣府の平成28年度青少年のインターネット利用環境実態調査によると、小学生では約62%、中学生では約82%、高校生に至っては約97%がスマートフォンやパソコンなどでインターネットを利用しています。スマートフォンなどの普及に伴い、SNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービスのメニューも拡大し利用者が増大したことなどから、情報の入手も現在は口コミ的な要素の強いSNSからの真偽混在する膨大な情報の中から自分に必要な情報を選択する時代となってきています。現代においては、社会で生き抜くために情報をどう活用していくかの能力が重要になっています。メディアが伝えるさまざまな情報をうのみにするのではなく、主体的かつ客観的に解釈し活用できる能力、またメディアを適切に選択し発信する能力、つまりはメディアリテラシーをいかに身につけていくかが重要です。
また、社会は多様化・グローバル化が進行していて、個人の価値基準がどんどん変化していく時代になってきています。国もそれらに対応すべく規制緩和を積極的に推進しており、結果、新たなビジネスやサービスが生み出されてきています。今までの日本はよくも悪くも規制社会であり、ある程度国に保護されてきましたし、保護されるものと思っている方が多かったのではないかと思います。しかし、急激なICTの発展、普及やグローバル化により新たなビジネスなども次々に生まれ、国の規制が追いつかないこともふえてきました。例えば仮想通貨、円やドルやユーロなどの国が発行する通貨と違い、特定の国家による価値の保証を持たない貨幣の流通が生まれ、投資目的で売買を行う人がふえてきていますが、しっかりとした規制整備が間に合わずテレビCMを行っている大手の取引所が仮想通貨での500億円を超える流出事件を起こし、一定期間換金停止の事態に陥りました。銀行などへの預金であれば、預金保険法により1人当たり1,000万円と利息が保護されるペイオフ制度がありますが、仮想通貨には取引所の破綻などに備えた顧客の救済制度はありません。
本年6月から実施される民泊にしても、特に初期段階においては事業者、利用者ともさまざまなトラブルが起こり得ることのリスクを考慮し、しっかりとした情報収集と選択を行っていかなければなりません。今後もさらに情報量や新たな選択肢はふえてきます。選択肢がふえた分、どれを選択するか、選択能力を幼少期から育てていくことも重要になっていきます。
国は、平成11年の中央教育審議会答申において小学校段階から発達の段階に応じてキャリア教育を実施する必要があると提言し、平成23年の中央教育審議会答申よりキャリア教育で育成する能力を基礎的・汎用的能力として人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力の4つの能力に再構築し、キャリア教育を一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力や態度を育てることを通じてキャリア発達を促す教育と位置づけ推進しています。情報の理解、選択、処理などや自己認識については、自己理解・自己管理能力、課題対応能力の中で育成を目指しています。台東区も社会科や総合的な学習の時間などでは各メディアのメリット、デメリットを把握した上で情報をどのように選択していくかなどを学ばせていると伺いましたが、まだまだ十分ではありません。これからの時代、数ある情報の中から自分に必要な情報をその信頼性についても吟味して、メリット、デメリットをしっかりと考慮した上で選択することが必要であり、またその情報に基づいて行動する場合には当然自分の行動についても責任を負うこととなり、情報活用や選択についてのリスク管理を身につけていくことが必須となってきています。
次代を担う子供たちが急速に発展する情報化社会を生き抜いていくために、情報活用に関しての判断力や選択能力の育成をしっかりと推進していかなければならないと考えますが、課題と現状をどう認識しているのか、教育長の所見を伺います。
以上で質問を終了します。ご清聴ありがとうございました。」

 区長 答弁。

「早川議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第1は財政についてです。
まず、今後の財政状況に対する認識についてです。歳入では、消費税率10%への引き上げ時にさらなる法人住民税の国税化が行われるとともに、平成31年度税制改正において地方法人課税における税源の新たな偏在是正措置が検討されるなど、今後もさらなる減収が予想されます。
一方、歳出においては待機児童対策を初めとする子育て支援などの扶助費や区有施設の老朽化対応のための投資的経費など増大するさまざまな行政需要を抱えており、本区の財政は今後も予断を許さない状況にあると認識をしています。
次に、区の財政運営に多大な影響を与える国の政策に対しての認識と対応についてです。都市と地方の税源の偏在是正措置は、受益と負担に基づく応益課税という地方税の原則から逸脱し、地方分権の流れに逆行するものだと考えています。この不合理な偏在是正措置について、区は国に対し特別区長会のもと、国がみずからの責任において地方税財源の拡充を図るよう繰り返し強く主張してきたところであります。きのうも特別区長会として緊急共同声明を発表いたしました。また、都市部の緊急の課題である待機児童対策を初めとする福祉、都市基盤、環境等の施策や国の制度に基づく施策を遂行するために、これまでも特別区長会や全国市長会を通じて制度の改善や財政措置の充実強化を国に求めてまいりました。今後も国に対し、さまざまな機会を捉えて基礎的自治体である本区の責任と権限に応じた財源を国が責任を持って保障するよう要請してまいります。
次に、行財政基盤の強化についてです。人口増加や少子高齢社会の進行等により行政に対するニーズは複雑かつ多様化しており、今後も行政需要の増加が見込まれるものと認識しています。区ではこうした行政需要に対応するため、使用料等の見直しや低利用、未利用の区有財産の活用、事務事業や管理的経費の見直しなどにより、歳入・歳出の両面で行財政基盤の強化を図ってまいりました。
早川議員ご提案の将来的な財政状況の変化に対応するための新たな取り組みについても、導入による効果や課題について検討を進めているところです。今後も区民の皆様が安心して住み続けられるよう、より強固な行財政基盤の確立に向け取り組んでまいります。
その他のご質問につきましては、教育長がお答えいたします。」

教育長 答弁。

「早川議員の情報活用・選択能力の育成についてのご質問にお答えさせていただきます。
現在、子供たちを取り巻く環境はインターネットやSNS等を通じての情報であふれております。また、情報の発信や受信方法も多種多様となっており、数ある情報の中から必要な情報を選択し、その情報の信頼性についての吟味する力を育成することも大変重要な課題であると認識しております。
学校では、子供たちがこうした社会を生き抜く力を育むために、セーフティ教室や道徳の時間等で情報リテラシーや情報モラルについての指導を計画的に実施をしているところでございます。教育委員会といたしましては、今後も子供たちが適切に情報を選択することや情報をもとに行動する際にはさまざまな責任やリスクを伴うことについて理解を深め、これからの社会を豊かに生きていくことができるよう指導の充実に努めてまいります。

 

一般質問全文 (平成29年第3回定例会)

早川太郎 質問。

「つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。今回は、大きく3点、区長に質問・提案させていただきます。

まず初めに、バリアフリー対策の推進について伺います。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開幕まで、とうとう3年を切りました。1964年に開催された前回の東京オリンピックでは、日本の大都市圏を結ぶ輸送手段としての東海道新幹線開通や首都圏の交通網を発達させた首都高速の建設、また、羽田空港から都内へのアクセスを高めるためにつくられた東京モノレール羽田空港線の開通など、東京の首都機能を飛躍的に向上させたインフラ整備が行われ、首都東京が世界的都市へと変貌する契機となりました。今回のオリンピック・パラリンピック開催の意義として、読売新聞の記事に、東京パラリンピックの開催は、障害者スポーツの祭典としてだけでなく、超高齢者社会を迎えた日本にとって、障害の有無や年齢、性別などの違いを超え、誰もが活躍できる社会へと変わる契機となることが期待されるとの記載がありました。まさにそのとおりで、今回のパラリンピック開催が台東区としてもユニバーサルデザインの考え方をしっかりと根づかせていく契機となるよう、施策を展開すべきと考えます。
区ではバリアフリーの推進を図るべく、平成23年度と24年度に策定した台東区バリアフリー基本構想に基づき、区内全域を重点整備地区としています。高齢者や障害を持つ方々が多く利用される施設を生活関連施設、その施設を結ぶ道路を生活関連経路と位置づけ、各事業者が行う具体的なバリアフリー整備の内容をバリアフリー特定事業計画として作成、この計画に基づき、区有施設や公共交通事業者などのバリアフリーへの取り組みを後押ししてきました。東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、各事業者の努力もあり、鉄道駅などを初め、エレベーターや多機能トイレなどの設置が当初計画よりも早期に完了した施設も数多くあり、区内のバリアフリー整備は着々と進んでいると言えます。
しかし、バリアフリー特定事業計画は、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定する前につくられた計画です。各事業者が台東区のまちのバリアフリー化に努力されていることは重々承知していますし、一度作成した計画を計画どおりに着々と進めていくことの重要性は十分認識しておりますが、パラリンピック開催という大変大きなファクターがあったにもかかわらず、新たな計画の作成や、区として推進するための新たな施策の追加などが目に見える形であらわれていないことに物足りなさを感じずにいられません。
東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、区は長期総合計画や行政計画にもオリンピック・パラリンピック競技大会関連事業を別枠で設定し、さまざまな事業を推進しています。障害者スポーツの推進では、誰もがスポーツできる環境を整備するため、障害者スポーツの体験会開催や人材育成などを新規で事業化しています。また、台東区オリンピック・パラリンピック教育プランを定め、ユニバーサルマナーなどの心のバリアフリーを推進することで、おもてなしの向上にも努めています。
計画策定以後になされた新たなバリアフリー対策事業では、紙媒体であったバリアフリーマップをデジタル化し、たいとうマップに追加しています。先日策定された情報化推進計画では、スマートフォンへの対応やルート検索機能など、公開内容を充実するとなっておりますが、公共施設や駅などの交通施設が大半で、民間施設の記載は数えるほどしかありません。2016年には、障害を理由として正当な理由なくサービスの提供を拒否したり制限したり条件をつけ足したりするような行為を禁止する障害者差別解消法が施行され、民間事業者に対しては努力義務を課した上で、対応指針によって自主的な取り組みを促すこととしております。また、区内では、ホテルを含む新規施設が数多く開業しています。施設のアップデートを行っていることとは思いますが、現在のマップに記載されている以外にも、バリアフリー対応の民間施設が区内にはまだまだ存在しているのではないでしょうか。バリアフリーマップへの民間施設のデータを集めるため、また、バリアフリー対応の施設を増加させるための、例えばユニバーサルデザイン認定制度の創設やバリアフリー推奨ルートの提示なども検討すべきかもしれません。また、バリアフリー対応の施設情報を充実した上でオープンデータ化し、アプリコンテストを開催、民間の知恵をかりるという手もあります。
オリンピック・パラリンピック開催まで3年を切り、ユニバーサルデザインやバリアフリーへの機運が高まっている今こそ、台東区内にバリアフリー対策を推進するチャンスなのではないでしょうか。台東区民だけでなく、来街者の方々を含めた高齢者や障害を持つ方、妊産婦や幼児連れの方々など、分け隔てなく誰もが安全・安心、便利で快適に過ごせる台東区を目指し、今回のパラリンピック開催が台東区のユニバーサルデザインやバリアフリーをしっかりと形づくっていく契機となるよう、今まで行ってきた事業を、より有効的に活用できるようなバリアフリー対策の推進をしっかりと行っていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

次に、障害者施設の整備について伺います。
台東区においては、障害者施策推進の基本的な考え方として、ノーマライゼーションの理念のもと、人と人とが人格と個性を尊重し合いながら、障害のある人もない人も、ともにいきいきと暮らせる社会の実現を基本理念としています。
台東区障害福祉計画では、暮らしを支える環境の確保を基本目標の一つとし、障害者がみずからの暮らし方を選択し、障害にかかわらず、生まれ育った地域で生活していくことができるよう、居住環境の整備が必要であるとして、在宅サービスの充実や住まいの場の確保などに努めています。
居住環境の整備である知的障害者グループホームの整備では、昭和63年の松葉寮開設から平成25年開設の今戸ほうらいまで12施設の整備を行っており、現行の第4期計画では、今年度までに第3期計画の持ち越し分である1施設を含め4施設の開設を目標としてきました。しかし、建築基準法や消防法の基準に合致しないなどの理由により整備が進まず、現計画年度では平成30年に1施設の開設が予定されているのみにとどまっています。知的障害者のグループホームは、実態調査の結果や障害者団体からの要望などからも、今後もニーズは増加していくことになると思われますし、保護者の高齢化という課題もあり、ますます施設整備の必要性は高まっていくことでしょう。さらに、生まれ育った地域で生活していくことを目標に掲げるなら、地域的な偏在も考慮に入れて整備を進めていかなくてはなりません。
日中活動の場の整備である生活介護施設の整備についても、現在4カ所の施設が整備されておりますが、第4期計画の目標数2カ所については、計画年度内の開設は非常に困難であると言わざるを得ません。現在の4カ所の施設の利用者は、既に定員数に近づいています。今後の特別支援学校の卒業予定者数は、ここ数年は増加傾向にあり、また、高齢化により、福祉的就労から生活介護へ移行する見込みも考慮すれば、近々生活介護を利用したくても利用できる施設のあきがないといった状況となってしまいます。両施設の整備は、区の障害者施策の喫緊の重要課題であります。
また、障害者の日中活動の場の中核的な施設として位置づけられている松が谷福祉会館についても課題があります。松が谷福祉会館は、障害者のための区内初の障害福祉施設として昭和50年に開館しました。しかし利用者の増加やサービス事業の拡大により、身体障害の生活介護施設であるつばさ福祉工房や知的障害者の入所生活介護施設の浅草ほうらいが開設、当初の事業が他施設へ移管され、現在は子供の療育事業や障害者デイサービス、相談支援事業、就労移行支援事業などが行われています。昭和59年に改築が行われておりますが、既に30年が経過しており、施設自体の老朽化が大変進行しています。事業移管後も既存設備をそのまま活用しており、事業内容と設備がマッチしておらず、有効にスペースが活用し切れていないと感じますし、低利用、未利用のスペースも存在しています。
また、本年3月に策定された台東区発達障害児(者)支援方針によれば、松が谷福祉会館における療育事業のニーズは増加傾向にあり、また、利用対象者の年齢引き上げを予定しています。これらの状況を考慮すれば、現在のスペースではとても対応し切れません。さらに、日中活動の場の中核的な施設として位置づけられているのなら、障害者ボランティアの育成やサロン機能の充実などの課題に対応したスペースの確保も必要です。松が谷福祉会館は台東区公共施設保全計画において中期保全計画1期目の施設に指定されており、早ければ平成32年度より大規模改修を行う予定となっています。その大規模改修に際しては、施設自体の単なる改修を行うだけでなく、利用者の利便性や台東区の障害者施策の方向性を考慮した上で、松が谷福祉会館を今後どういった位置づけで運営していくのか、事業の再配置を含め、しっかりと検討した上で改修すべきと考えます。
障害者施策のセンター機能としての役割を担い得る施設とするのか、また、特定分野や年代に主眼を置いた施設とするのか、障害者福祉サービスは今後予想される利用者の増加やサービスの質の向上、さらには需要が増大してくる福祉サービスへの対応など、今後事業スペースの拡大は必須です。どちらの方針を選択したとしても、現在の松が谷福祉会館のキャパシティでは限度があり、新たな事業スペースの確保は必須となります。そのスペースの確保には相応の時間が必要となってくるでしょう。また、改修期間の仮施設の確保についても、施設によっては相応のバリアフリー対応が必要であり、その準備も進めていかなくてはなりません。松が谷福祉会館のあり方の検討は、改修時期を考慮しても、早急に進めていかなくてはなりません。台東区の障害者施策の拠点である松が谷福祉会館のあり方を一刻も早く検討し、大規模改修に備え早期に結論を出すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

また、グループホームや生活介護などの整備は計画どおりしっかりと実現させていかなくてはなりません。遅々として進まない現状を鑑みれば、低利用、未利用の区有地、区有施設などの活用も積極的に検討していかなければならないと考えますが、今後の障害者施設設備についての区長の所見を伺います。

最後に、保健所の子育て世帯におけるデータ管理の充実について伺います。
国は児童虐待について、発生予防から自立支援まで一連の対策のさらなる強化などを図るために、平成28年度より児童福祉法などの改正を行っています。今回の改正では、全ての児童が健全に育成されるよう、児童を中心に、その福祉の保障などの内容が明確化されるとともに、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援などを通じて、妊娠や子育ての不安、孤立などに対応し、児童虐待のリスクを早期に発見、逓減するとして、母子保健法において母子保健施策が児童虐待の発生予防、早期発見に資するものであることに留意すべきことを明確化し、母子健康包括支援センターの設置が法定化されました。
また、児童福祉法では、市区町村は、児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努め、情報提供を行い、必要な調査及び指導を行うことと明記されたほか、関係機関は支援を要する妊婦などに関する情報を市区町村に提供するよう努めなくてはならなくなりました。さらに児童の安全を確保するための初期対応などが迅速、的確に行われるよう、市区町村などの体制や権限の強化などを行うことが求められています。
現在、台東区では、保健所の担当事業として妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行うため、妊娠期のゆりかご・たいとう事業や乳幼児健診、乳児家庭全戸訪問、育児相談などなどさまざまな事業を行い、子育て世帯の妊娠や子育ての不安、孤立などに対応するとともに、児童虐待のリスクを早期に発見、逓減するよう努めています。しかし、現在の保健所では、子育て世帯における個々のデータ自体が一元管理されておらず、昨年の決算特別委員会の答弁によれば、乳幼児健診の個々のデータは手書きで行われる母子カードという紙媒体を基本として管理が行われており、ゆりかご面接の実施状況など、一部の情報のみがシステムで進行管理を目的に管理されているとのことでした。子育て世帯のデータ管理を紙とシステムとの二重で行うことには、効率性や管理の面から多くの課題があります。
例えば、紙媒体でのデータ管理は、台東保健所と浅草保健相談センターの2カ所で行われており、必然的にデータを保管しているこの2施設での対応を余儀なくされます。わずか10平方キロの台東区ではありますが、利用施設の制限は利便性を損なってしまっています。実際に浅草保健相談センターのほうが行きやすいのに、自動的に台東保健所に振り分けられてしまい、非常に通いにくいなどの声も聞いています。紙とシステムとの二重管理は、情報検索の迅速性や情報のそごのリスクも含め、正確性に疑問が生じ、カードの保管場所スペースの確保も必要です。
また、要保護児童対策として、台東区は子ども家庭支援センターへ課長級ポストを配置したり相談員の拡充など、組織的な機能強化を図っています。児童相談業務が年々増加し、事例的にも複雑化してきていることから、情報を一元管理し、連携強化・迅速化を図るための児童相談支援システムも導入しています。しかし、子育て世帯と一番接点を持っているはずの保健サービス課とのデータ連携システムは構築されておらず、児童の安全を確保するための初期対応などが迅速、的確に行われるような体制整備がなされているのか甚だ疑問を感じます。このような状況で、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援や児童虐待のリスクを早期に発見、逓減できるような体制整備は十分なのでしょうか。全ての児童が健全に育成されるような体制整備を行うのなら、子育て世帯の妊娠期からの母子情報や家族情報、サービス利用の状況などを一元管理し、保健サービス課や子ども家庭支援センターはもとより、子育て・若者支援課や障害福祉課、保健予防課、保護課など、関係部署との迅速な情報共有及び支援体制の構築が必要だと考えます。
さらに、セキュリティ面、台東区においても個人情報の紛失事例が昨今起こってしまいました。個人情報は外部に流出することなく、結果として事なきを得ましたが、個人データを持ち歩く部門として、紙ベースの情報管理は大変なリスクを伴います。個人データのデジタル化を図り、タブレット端末を導入することでセキュリティはかなり向上します。仮に紛失、盗難された場合でもセキュリティ機能が施されているタブレット端末なら、個人情報流出のリスクは激減します。また、現在は複数の個人データを持ち歩くことが禁止されておりますが、タブレット端末が導入されれば、一度の外出で複数箇所を訪れることが可能になります。重大な事故を防ぐためにも、効率的に業務を遂行する上でも、情報のシステム化・一元化、そして外出時のタブレット端末の導入は必須なのではないでしょうか。
子育て世帯の情報管理をシステム化・一元化することで、検診や相談などの利用施設制限がなくなり、ワンストップサービスの推進につながります。また、情報検索の迅速化や正確性の担保に寄与し、業務の効率性を向上、事務スペースの有効活用にもつながる、セキュリティも格段に向上します。さらに、関係機関とデータを連携することで、総合的な情報把握を行うことが可能となり、要保護児童対策を含め、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を迅速に行うことが可能となるのです。
豊島区など、既に実施済みであり、23区内の複数の区でもシステム化・一元化に向けた検討を既に始めています。新たな情報化推進計画にも、保健所のシステム化によるサービスの向上が記載されており、目標年度の平成32年には推進となっておりますが、平成31年度の浅草保健相談センター移転の際に、母子健康包括支援センターの拡充機能を円滑に実施するのなら、早急に情報管理のシステム化及び関係機関との連携を含めた一元管理の検討などを進め、開設時には運用できる体制を整えなくてはならないと考えますが、区長の所見を伺います。
以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。」

 区長 答弁。

 「早川議員のご質問にお答えいたします。
ご質問の第1は、バリアフリー対策の推進についてです。
台東区では、バリアフリー特定事業計画に基づき、区内全域の各施設や道路等のバリアフリー化を推進してまいりました。また、心のバリアフリーについては、啓発用リーフレットの配布や事業者向け講習会の開催、小学校での高齢者疑似体験などを実施し、その重要性が浸透するよう取り組んでいます。このほか、今年度中にバリアフリーマップのスマートフォン対応など、ソフト面での充実に向けてリニューアルを行います。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、高齢者・障害者、子育て中の方や外国の方など、全ての人々に安心して訪れていただける台東区を目指していきたいと考えています。
今後も、特定事業計画の早期実現や心のバリアフリーの啓発に努めるとともに、これまでの取り組みで得られた成果や情報を有効に活用しながら、バリアフリー対策を一層推進してまいります。
ご質問の第2は、障害者施設の整備についてです。
松が谷福祉会館は、昭和50年の開設以来、障害者支援の中核的施設として乳幼児から成人までさまざまな障害のある区民や関係団体の活動の場として広く利用されています。しかしながら、近年では、こども療育室のニーズが増加傾向にあります。そこで本区は、ことし3月に策定した発達障害者に対する支援方針において、療育対象年齢を段階的に引き上げるなど、よりきめ細やかな療育を提供できる体制を目指すこととしました。加えて、障害者デイサービスも定員に近づくなど、今後予想される障害福祉サービスの増加への対応が大きな課題であると考えています。
こうした状況を踏まえ、松が谷福祉会館のあり方については、老朽化が進行していることからも、早期に大規模改修が実施できるよう、発達支援に関するセンター機能などの整備とあわせて検討を進めてまいります。また、グループホームや生活介護施設など、障害者施設の整備については、区有地、区有施設の活用を含め取り組んでいます。
ご質問の第3は、保健所の子育て世帯におけるデータ管理の充実についてです。
現在、乳幼児健診や育児相談などの記録については、システム及び紙媒体の母子カードによって管理をしています。早川議員ご指摘のとおり、システムにより情報を一元管理することで、要保護児童対策を含め関係機関との迅速な情報共有を図ることができるとともに、区民サービスの向上も期待でき、個人情報管理の強化や事務の効率化にもつながります。
現在、平成31年度の浅草保健相談センター移転に向け、母子健康包括支援センター機能拡充への準備を進める中で、システムの構築についても検討を重ねているところです。今後とも、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を推進してまいります。」