本会議

一般質問全文 (平成26年第3回定例会)

早川太郎 質問

「たいとうフロンティア 早川太郎でございます。

今回は、大きく4点、伺わせて頂きます。

まず初めに、提案型協働事業について、伺います。
社会が多様化し、その社会で暮らす区民も、様々な生き方が選択できる時代になってまいりました。それに伴い、行政に求められるサービスも、多様化・複雑化してきており、今までの行政手法だけでは対応しきれない時代になってきています。
リーマンショック以来の経済の落ち込みや、少子高齢化進行による社会保障費の増大、3.11を教訓とした災害対策の充実等。 厳しい財政運営の中で、財政規律の健全化に努められてきた吉住区政においては、区長就任時より、平成25年度決算数値によれば、区債残高は 335億円の減額、基金は 71億円の増額としてきておりますが。財政状況は、決して楽観できる状況ではありません。将来においても、消費税増税による景気の低迷や、消費税増税分の転換措置として、国、都からの支出金の減額、法人住民税の国税化による特別区交付金の減額などの懸念があります。また、平成37年にピークを迎える介護事業費・来年度から実施される新制度対応のための子育て支援、区有施設の老朽化対策など、歳出増大の要因は多数あり、今後も 厳しい財政運営を続けていかざるを得ません。
そんな厳しい財政状況の中で、多様な行政ニーズに応えていくためには、やる気やノウハウのある団体と協働しながら、行政サービスの充実を図っていく。そういう時代がやってきているのではないでしょうか。
そのための施策が、「協働事業」であり、NPO法人等の団体や、公益活動を実践する企業等の社会貢献活動団体と、区が力を合わせて、公共的な課題解決へ取り組む仕組みの構築、つまりは、協働事業の推進は、急務であると考えます。
先日、会派にて、中央区へ視察に伺いました。中央区では、平成22年度から提案型協働事業を実施しています。持ち込まれる企画は、年20件程度もあり。事前に所管とすり合わせを行い、結果、年2~3事業を実施しています。今年度には、所管より、事業を行ってもらえる団体との マッチングを希望する問い合わせがあったとのことです。
その協働事業を行うための鍵となっているのが、中間支援組織である「協働ステーション中央」です。
協働事業を提案する条件の一つに、「協働ステーション中央」への利用登録が含まれており、登録する際に、厳正な審査会を開催し、団体のスクリーニング機能を担っています。登録団体は現時点で138団体。より多くの提案が頂けるよう、区内だけでなく、区外の団体の登録も認めています。登録団体の発展に向けて、会議室、印刷コーナーの利用や、団体活動に必要な資金調達、助成金の情報も提供するなど。「活動に関する支援」や「人材の育成」を含む、様々なサービスを行っています。
視察を通して、感じたことは、「協働ステーション中央」は、台東区が創業支援のために実施し、素晴らしい成果を上げている「デザイナーズビレッジ」と事業内容が酷似している、というものでありました。「協働ステーション中央」は、団体に対する事務所の提供は行わないものの、デザイナーズビレッジ事業の、社会活動貢献団体版、と言えるものでした。
23区では、提案型協働事業は、13区が実施。中間支援組織に至っては、すでに 19区で実施されています。
台東区においては、行政計画事業として「NPO等との 協働促進」があり、社会貢献活動団体と区との適切な役割分担と、パートナーシップによる地域経営を推進するため、職員研修や、講演会、庁内連絡会議などを開催。昨年度、ようやく「台東区協働指針」を改定し、併せて中間支援組織設立にむけての検討に入りました。
行政計画でも、区民提案型協働事業制度は 取り上げられておりますが、26年度でも「調査・研究」となっており、今回改定された協働指針でも「協働の実現に向けて」ということで、この制度は「整備」と記載されているのみで、実施時期に向けての記載はありません。
区内には、実績のあるNPOも多いと聞きます。
今後の 行政運営における手法として、協働事業の活用は、有益な一つの手法となりえるものであり、しっかりと実施・育成していかなくてはなりません。
次期長期総合計画において、協働事業の実施・育成を最重要課題の1つとし、次期行政計画内で実現、推進を図っていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

次に、魅力ある情報発信について伺います。
本年の第1回定例会で行われた予算特別委員会の総括質疑において、「学びのキャンパスプランニング」事業など、台東区の強みを、学校教育のブランド力向上に役立てるべきであり、そのためにも、しっかりとした広報戦略に基づき、情報発信をして行っていくべき、と提案させて頂きました。
教育長より「区長部局と連携し、メディアのさらなる活用を図り、本区の特色ある教育活動について、積極的に情報発信してまいりたい」との答弁を頂きました。教育委員会として、魅力ある情報発信を行っていく取り組みが、推進していることと思いますが。区全体としても、そうした取り組みを一層推進していかなくてはならない、と考えます。
本年4月の企画総務委員会では、長期総合計画策定のための基礎調査結果が報告されました。「日本全体が急速に少子高齢化に進むことが予測される中で、緩やかに本区は少子高齢化に進むなど、人口構成が比較的現状と変わらないまま、21万人にまで増加していく」、との 将来推計が示されています。過去の一般質問において、区長から「将来にわたって本区が活力を持続し、一層発展していくためには、定住人口の増加に加え、年齢層や 世帯構成などバランスのよい人口構成を目指していくことが基本である」との答弁がありましたが、まさにその通りで。人口構成が変わらないまま、21万人にまで人口が増大していくことは、区としても、大変喜ばしいことだと思います。
しかし、本当に、推計通りに進んでいくのでしょうか。
マスコミで 話題になった、いわゆる「豊島区ショック」。民間の有識者による 日本創成会議の人口減少問題検討分科会が本年5月に公表した、「全国1800 市区町村別・2040年人口推計」では、子どもを産む人の大多数を占める「20歳から39歳の女性人口」が 2010年からの30年間で5割以上減る自治体を「消滅可能性都市」と定義づけており、50.8%の 豊島区が 「消滅可能性都市」に該当しております。その試算によれば台東区は34.7%減で、総人口が16万8千人に減少となっています。
国や都では、間違いなく少子高齢化へ向かっていることからも、他自治体も、子育て世帯流入に向け、努力していくことになるでしょう。
将来推計におけるデータは、今後、南部地域などでマンション建設が進み、過去の流入世帯ではファミリー世帯の比率が高いことをベースに、人口増や人口構成が試算されているものですので。推計通りに人口を増やしていくためには、子育て世帯へ向けた、更なる魅力ある区になり、魅力ある区であることを認識してもらう努力が必要です。
「台東に住みたい、今後も住み続けたい」と思える、施策を充実していく。さらに、それら施策が、魅力あるものである、とわかってもらえるよう、内外に効果的に発信していく、そのための広報戦略も重要になってきます。
区は、広報たいとうや、その他の紙媒体、ケーブルテレビ・ホームページやツイッター、メールマガシンなど、情報発信を充実してきております。しかし、昨年度実施した「区民の意識調査」では、「広報たいとう」の閲覧率は、21年度以降減少傾向にあり、前回の23年度調査と比べ、3.8ポイント減。ホームページの閲覧経験も、前回に比べ5.2ポイント減。そして、ケーブルテレビでの視聴経験では、なんと10.8ポイントも減少しています。
スマートフォン等の普及もあり、常時大量の情報が流通している現代社会においては、情報を受け取る側が、興味を持ってもらえるような工夫がなければ、情報として認識してもらえない時代になってきています。
そのための対策として、足立区では、23区初の専門組織「シティープロモーション課」を設立。有能な広告マンを民間から登用して課長に据え、プロモーション活動を展開していますし、他自治体も情報発信の強化に向けた取組を進めています。
台東区も、各所管が行っている事業を、内外に効果的に発信できるような体制を構築していかなくてはなりません。
区が更なる魅力的な事業を行い、その事業が魅力的であると、情報を受け取る側に伝えることができれば、流入世帯は増加し、納税者としての区民が、「今後も住み続けたい」と、再認識して頂けるのでは ないでしょうか。
残念ながら、広報戦略は、決して行政の得意とする分野では ありません。
台東区のブランド力向上に向けて、メディアの更なる活用を図るためにも、民間活力の導入を図り、広報機能の充実に向けて、動き出す時だと思いますが、区長の所見を伺います。

次に、ボール遊びのできる場所の拡充について、伺います。
身近なスポーツとして、キャッチボールなどのボール遊びがあります。私がまだ、小さかった頃には、道路などで当たり前に行われていた遊びでしたが、昨今、台東区では、なかなか見ることのできない光景となってしまいました。
「子どもたちがボール遊びの場を求めていることや、ボール遊びの大切さは十分に認識」しているという、一般質問における区長見解もあり、区は、平成25年度より、ボール遊びをほぼ全面禁止していた区立公園において、フェンスで囲われているスポーツコーナーがある公園を対象に、ボール遊びの範囲を拡大し、現在、花川戸・東盛・玉姫・金杉・山伏・天王寺などの6か所の公園で実施しています。
しかし、台東区の面積は、23区中、一番小さく、区立公園の数も決して多くはありません。区立公園において、スポーツコーナーがある公園を条件にしている以上、更なる公園においての拡充は、難しいのでは ないでしょうか。
先日、子育て支援特別委員会の委員として、私立幼稚園 PTA連合会との議員懇談会に参加させて頂きました。私の所属するグループにおいての、一番の要望事項は、安全な子供の遊び場、特にボール遊びができる遊び場の整備について、でありました。
平成25年度に実施された台東区次世代育成支援に関する ニーズ調査でも、区の子育て支援として特に力を入れてほしいものとの質問に対し、小学校
入学前児童 52.7%、小学生 保護者 68.2%が「公園など、家の外で安心して子どもが遊べる場をふやしてほしい」と回答しており、前回に続き、高い割合を占めています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、区としても、これを契機に、区民のスポーツの奨励に向けて、より一層取り組みを進めていくと思っておりますが。特に、子どもたちがスポーツを楽しめる環境づくりを積極的に展開していってほしい と思っています。
子供の体力の増進のためにも。親子のふれあいを 増やす意味でも。身近で ボール遊びができる場所の充実を しっかりと進めていっていただきたいと思っています。
現在実施している6つの公園では、地理的な偏在もあり、身近な場所でボール遊びができる環境としては十分ではありません。
地理的な偏在をなくすためにも、ボール遊びができる場所として、身近な場所にある小学校の校庭活用というものを進めていくべきではないでしょうか。
現在、小学校の 校庭は、休日、各コミュニティ委員会などにより、区民の スポーツの場として活用されています。その校庭を、場所のない台東区ですから、子どもたちの ボール遊びができる場所として、少しずつ 譲り合って頂いて、活用する。
近隣小学校を5校ぐらいのグループとし、小学校の校庭を、輪番制で休日の一定時間、親子で ボール遊びができる場所とすべきです。
わかりやすく、例えるなら。
第1土曜日の午前中は、東浅草小学校の校庭でキャッチボールができ、第2土曜日の午前中は、石浜小学校。第3土曜日は、富士小学校、といった具合です。
この方式を活用すれば、既存利用のコミュニティ団体にかける負担も少なく、利用者は、週に一度、自転車で5分程度の距離に、ボール遊びを楽しめる場所を確保することになります。
次世代育成計画の中にも、「こどもが安心して遊べる場として、小学校等の校庭解放を進めます」とあります。
身近でボール遊びのできる場所の確保について、学校やスポーツ振興を所管する教育委員会として、校庭を利用した ボール遊びの場所確保について どのような見解を持っているのか、教育長の所見を伺います。

最後に、震災対策について伺います。
区は3.11 東日本大震災以降、地域防災計画の修正・防災普及指導員の配置・避難所単位訓練の充実・医療救護所の見直し・避難所などにおける備蓄品の充実など、この三年間で、震災対策の充実を推進してきました。
台東区の 震災における最重要対策である「火災の発生を抑え、広げさせないこと」についても、区は 様々な施策を実施しております。
火災の発生を防ぐために、木造住宅の耐震診断無料化や木造住宅密集地域への道路整備・不燃化特区への取り組みなどの施策が実施され、初期消火体制の充実を図るべく、消火資器材を掲載したデジタル地図の作成や、避難所へのD級可搬ポンプの配備などが行われてきました。
災害に強い街づくりという観点に立てば、区の震災対策は大いに前進し、私としては、大いに評価しています。
しかし、震災時の初期消火だけでなく、応急給水の機器としても使えるスタンドパイブは、避難所ごとに 1つの配備予定でしかなく、十分な配備とは言えません。10を超える町会が1つの避難所となっている場合も複数あり、避難所で1つの配備では、明らかに数が足りません。
スタンドパイプは、D級可搬ポンプに比べて、機動性に優れ、簡易に扱うことができる消火資機材です。区の総合訓練を始めとし、避難所ごとの訓練などでも、スタンドパイブの訓練は行われており、スタンドパイブの有効性は、多くの区民に認知されるようになってきました。
火災危険度の高い地域など、もっと配備を充実すべきです。
給水機能を備えたスタンドパイブでは、30万円を超える費用が必要であり。現在の防災品に対する区の助成では、なかなか購入が 難しいのではないでしょうか。
初期消火体制、並びに応急給水体制の充実のため、スタンドパイプを、町会において、早急に 適正個数の配備ができるように、期限を決めて助成するなど、スタンドパイプの配備の促進に向けて積極的に取り組んでいくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

震災時における帰宅困難者への情報発信の充実についても、併せて伺います。
浅草・上野という世界でも有数な観光資源を持つ台東区には、スカイツリーの開業もあり、現在は、年、4400万人の来街者が訪れています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、もっと多くの来街者が訪れて頂けることになるでしょう。
しかし、台東区を訪れていただける来街者の多くは、区の一時滞在施設の場所を認知していません。
区は、平成24年度から、帰宅困難者向けの支援施設などを記載した防災ガイドを区内で配布し、今年度には、外国語対応版も配布予定であるとは伺っていますが、充分な対策であるとは言えません。
現在、国土地理院のオープンデータを活用し、地図情報とリンクした避難所へ導いてくれるスマートフォン向けアプリの開発が進んできておりますし。民間企業が開発したアプリには、全国12万件の避難所等が登録され、スマホのカメラをかざせば、その方角にある避難所や距離が表示されるものも、でてきました。
しかし、これらは、区民向けの避難所が対象となっているものが多く、帰宅困難者向けの一時滞在施設の網羅までには至っていません。また、震災時には、既存設定の一時滞在施設の利用が出来なくなる場合や、民間施設の申し出によって活用可能になる施設などの、タイムリーな情報が、区に集約されることが 予想されます。
既存の情報だけとしかリンクできない、他の媒体では、おのずと限度があり、来街者の多い本区の状況を踏まえると、災害直後に集約した情報を発信する、区独自の情報発信ツール整備は必須と考えます。
震災時における情報発信は、今後の検討課題として、最重要案件であり、どのような方法で、帰宅困難者などへ、情報を伝えていくか。
先進事例の検証など、しっかりと取り組んでいかなくてはならない課題だと考えますが、区長の所見を伺います。」

区長 答弁。

「早川議員のご質問にお答えいたします。

ご質問の第一は、提案型協働事業についてでございます。多様化する地域の諸課題を着実に解決していくためには、適切な役割分担のもと、区と区民の皆様が積極的に協働していくことが重要でございます。議員ご指摘の「区民提案型協働事業」は、区と区民が、課題解決に向けて共に考え、行動していくための有効な手法の一つであると認識いたしております。
現在、策定を進めております新たな長期総合計画におきましては、「パートナーシップの促進」を重要課題の一つとしているところでございます。
今後、具体的な課題の整理を行い、実施に向けて、新たな行政計画の中に位置づけて参ります。

ご質問の第二は、魅力ある情報発信についてでございます。区は、広報紙をはじめ、ホームページ、ツイッターの活用などにより、区内外へ向けた情報発信に努めておりますが、社会に流れる情報の質的・量的な変化により、区が 情報を受け取る側の皆様に、的確に情報を伝えることが難しくなっていることは、私も認識いたしております。
今後、より効果的に情報発信していくことが、区の施策を伝える、極めて重要な広報戦略になっていくと考えております。
そこで、議員のご提案も踏まえ、本区の魅力を、より多くの方々に、より良くお伝えするために、インターネット環境の専門家など様々な分野の方からご意見をいただくことも含め、効果的な情報発信のあり方を研究して参ります。

ご質問の第四は、震災対策についてでございます。まず、スタンドパイプの拡充についてでございます。
地震による火災は、倒壊を免れた家屋等を焼失させたり、家屋の倒壊により救助を待つ人命をも奪ってしまうなどの二次災害をもたらすことから、議員ご指摘の初期消火体制の充実につきましては、私も 大変重要であると認識いたしております。
これまで、区は、避難所への D級可搬ポンプの整備や消火器地図の配布を進めるとともに、訓練・啓発の充実を図るなど強化に取り組んで参りました。
スタンドパイプなど消火資機材につきましては、保管場所の確保や 水源の有無などの課題もございますので、より効果的な配備について引き続き研究を行って参ります。
また、自主防災組織への助成につきましては、活動の活性化、充実が図れるよう助成の内容や対象事業、対象団体等の見直しを検討し、初期消火体制の更なる充実も図って参ります。

次に、帰宅困難者への情報発信についてでございます。上野・浅草などの観光地を抱え、来街者の多い本区といたしましては、震災時において
帰宅困難者へ正確な情報を発信することは重要な課題と認識いたしております。
これまで区では、帰宅困難者支援施設等を記載した「帰宅困難者向け防災ガイド」を配布するとともに、区や交通機関、民間事業者との間で帰宅困難者対策としての情報伝達の仕組みを構築し、防災訓練を通じて習熟に努めております。
今後も、さらに国や民間企業によるツール開発などの情報を集め、その情報を活用しながら、区独自のアプリや誘導標識の検討を進めるなど、帰宅困難者への情報発信の充実を図って参ります。」

教育長 答弁。

「早川議員のボール遊びのできる場所の拡充についてのご質問にお答えをさせていただきます。

議員ご指摘のとおり、本区では子どもたちが安心してボール遊びをできる身近な場所が少ないという現状については、私も認識しているところでございます。
教育委員会におきましては、台東区学校教育ビジョンの中で、絆づくりと活力ある学校園共同社会を創造するという施策目標を掲げております。これは、地域の施設や組織、人的な絆など様々な形での連携を広げ、学校園を様々な立場の人々が協働するための拠点にしていくというものでございます。
また、台東区スポーツ振興計画の中では、子どもの基礎体力の向上を基本目標の一つとし、外遊びの推進も今後の方向性に挙げております。
このような観点などから、身近でボール遊びができる場所としての校庭の活用を、学校や地域と協議しながら鋭意検討してまいります。」

一般質問全文 (平成25年第4回定例会)

早川太郎 質問

「たいとうフロンティア、早川太郎でございます。今回は区有施設についての質問を大きく2点伺わせていただきます。

 平成17年に策定された長期総合計画は2度の修正が行われ、26年度に最終年度を迎えます。そのため来年度には新たな長期総合計画が策定されることになっており、次期計画策定の検討が進められていることと思います。区政運営の最上位計画である長期総合計画や、その目標に向けて3年後の到達目標、事業費総額及び年次計画を明示する行政計画の策定は、まさに今後10年間の台東区のあり方を決定する最も重要な事項でありますので、区有施設が抱える大きな2つの課題、決算特別委員会や予算特別委員会での総括質問でも取り上げさせていただいた区有施設の老朽化対策と指定管理者制度について、ぜひともその計画策定と同時並行で改善していただきたいと思い、今回改めて質問をさせていただきます。

初めに、区有施設の維持、保全、適正化について伺います。
 台東区の区有施設は昭和40年代から50年代に建設されたものが多く、一般的な大規模改修を行う周期である25年が経過しているにもかかわらず、改修計画すら立っていない施設が1,000平方メートル以上の施設93に対して約30施設あります。今後10年間では50を超える施設の大規模改修が必要になってきます。区は、区有施設の老朽化対策を行うべく平成18年に区有施設保全計画のための中間のまとめを行いましたが、計画作成までには至りませんでした。そのため、厳しい財政事情の影響を受け多額な費用を必要とする大規模改修はずるずると先延ばしになり、老朽化が逼迫したところから最小限に改修を行っているというのが現況ではないでしょうか。
 先日、企画総務委員会で視察に伺った福井市でも、行政サービスを安定的に提供していくための施設の最適化を図っていく仕組み、福井市施設マネジメント基本方針を本年2月に作成しています。基本方針を作成するための準備として、3年かけて個別施設の建物状況を確認し、地域ブロックごとの施設の設置状況や将来における福井市の人口バランスの変化、そして今後50年間の施設更新コストの試算などを行い、それら基礎データをもとに施設を取り巻く現況と課題を検討し、基本方針の策定に至りました。施設情報の一元管理では、施設に関する情報が継続的、一元的に集約できる体制を構築すべく、コストを含めた施設の全体像把握に努めています。その手段としてコスト情報やストック情報を各施設ごとに記載したファシリティマネジメントデータと名づけられたデータを来年の春までに策定予定とのことでした。コスト情報には、今まで見えにくかった人件費や事業費を含めて全ての行政コストを記載、ストック情報には、建物状況として老朽化、耐震、バリアフリーなど、医療状況として設置目的、利用対象、管轄エリアなど、そして運営状況として運営形態や運営人員、収入、支出などが記載されています。
 台東区においては、平成21年1月に区有施設の現況報告を作成、その時点での全ての区有施設349施設についての現況報告がなされています。その内容は設置規模、使用目的をもとに11の大分類を設定し、その下に施設名を基本とした中分類を設けています。所在地や面積、建築年月日などの建築データ、利用状況や収入は各施設ごとに記載されていますが、維持保全経費や光熱水費などの管理運営費は中分類ごとにしか記載されていません。区有施設の維持保全、適正化の推進に向けては福井市の事例も参考に、一定規模以上の施設については個別にコスト情報、ストック情報などを一元的に整備していくことも必要であると考えます。情報の一元化を図り、さらに定期的に情報の更新を行うことにより、保全計画の策定のみならず行政計画の検証材料としても活用できるものとなるはずです。
 しかしながら、台東区においては区有施設の現況報告以降、施設情報の更新がなされていません。そこで、福井市など他都市の事例も参考にしながら、さまざまな角度から施設情報を集積し、情報の一元化を早期に図るとともに定期的なデータ更新を行っていくべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
 さらに、少人数学級の対応が迫られる学校では、昨今の就学前児童数の増加により蔵前小学校など学区域以内の児童だけでも受け入れが困難になる学校があることも顕在化してきました。国の新制度により対象が小学6年生までとなるこどもクラブなど放課後対策のあり方などを含め、児童館を含む施設整備の検討は来年度中に結論を出さなければなりません。また、450人以上が入所待機者となっている特別養護老人ホームについても谷中や浅草などの施設の老朽が進み、改修は待ったなしの状況であります。このままの規模で介護保険料では賄い切れない運営コストを区が払い続けるのか、それとも保険料で施設運営が賄えるような規模の施設の建てかえも視野に入れ検討していくのか、早期に結論を出さなければならない問題も抱えています。
 制度変更や時代推移により行政に求められる施設は変化します。限られた区有施設をより行政需要に合った有効的な施設へと転換していかざるを得ません。建てかえや大規模改修が必要な老朽化施設は、検討に際して現状の機能のまま建てかえ、改修を行うのではなく、当然複合施設にしたり廃止するなど、施設の統合、再編の検討が必要になってきます。例えば社会教育館や老人福祉館、区民館など活用内容が類似する施設については再編、統合を視野に入れた整備計画も検討すべきと考えます。
 膨大な改修費用の把握によるしっかりとした財政フレームの構築や、限りある区有施設を新たな行政需要に反映するためのスペースの確保、大規模改修時に必要な仮移転場所の確保など、行政としてしっかりと行っていかなくてはならない重要な課題が放置されたまま現在に至っています。それら課題を解決するためにもファシリティマネジメントの活用による基本方針を一刻も早く定め、次期長期総合計画に反映できるよう早急に区有施設の保全計画を整備すべきだと思います。
 昨年度の予算特別委員会総括質問においての区長のご答弁は、24年度に施設保全システムを整備し、25年度には施設の基本的な情報の取りまとめを行い、施設情報の一元管理の徹底化を図り、その後基本方針を定めるとともに、中長期的な展望に立った保全計画を早急に策定していくという趣旨のものでした。25年度も半分以上が経過しましたが、基本指針や保全計画策定についてどのような課題があると認識しているのでしょうか。また、基本方針の策定に向けて、現在までの進捗としてどのような取り組みを行い、さらに今後どのように取り組もうとしているのか、あわせて区長のご所見を伺います。

 次に、指定管理者制度について伺います。

 指定管理者制度は平成15年9月に地方自治法の一部改正により創設され、地方公共団体やその外郭団体に限定していた区有施設の管理運営を指定管理者として民間事業者にも開放することが可能になりました。台東区においても平成16年より特別養護老人ホーム蔵前を含む3施設が指定管理者制度を活用した管理運営委託へと移行し、現在では56施設においてこの制度が活用されています。一部の施設では民間参入が促進され、サービスの向上、コストの削減などが進められています。しかし、そのうちの約7割36施設が外郭団体に委託されており、現行の指定管理者制度運用指針にのっとり、その全てが非公募で選定されています。原則公募により民間の知恵や工夫の活用を図ることにより区民サービスの向上を目指すことを目的として創設された指定管理者制度の運用がこのような状態で適切に行われていると言えるのでしょうか。
 区の指定管理に対するスタンスも明確ではありません。例えば老人福祉センターでは非公募で外郭団体に委託していますが、社会教育館では公募で民間に委託、民間になってよくなったとの認識を区も持っています。両事業は、高齢者と社会教育団体という対象者の違いはあれ、会館管理や教室など行っている管理運営事業に大きな違いがあるとは思えません。また、寿子ども家庭支援センターは民間に委託、同じ業務を行っている台東子ども家庭支援センターは直営で運営されています。民間委託で行っている寿子ども家庭支援センターも直営とほぼ遜色なく運営されていると聞きます。区有施設の管理運営主体や公募・非公募など区全体としての一貫性がないように感じられて仕方ありません。
 委託料についても問題があります。指定管理は原則、委託契約時におおよその年間委託料を決定すべきものであり、消費税の引き上げや電気料金の増減等によっては年度の委託料が増減することもあるでしょう。しかし、もともと区の求めている管理運営をしっかりと行っているのなら、経営改善などによる経費の減少は委託料にはね返られないものであるはずです。
 例えば、全ての特別養護老人ホームの委託料が25年度予算では前年度に比べ減額され、浅草や谷中では1割も減額されています。他の施設でも同様なケースが多く見られます。委託契約時の委託料の査定にも問題があったかもしれませんが、指定管理者制度を適用している以上、実績見合いでの減額は制度を適切に運用しているとは思えません。委託料についても実績見合いで減額するようなことのないよう、委託契約時にしっかりとした予算査定を行うべきであり、利用料金制の導入や債務負担行為の設定など、あり方について検討すべきです。
 そのほかにも指定管理者選定についての報告がなされた子育て支援特別委員会において、書類審査と面接審査の点数配分や継続性が重要視される教育関係施設や福祉施設での指定期間並びに継続特例についても見直しが必要であるとの指摘をさせていただきました。制度を運用して9年、指定管理者制度を導入している施設についての長所や短所もいろいろなケーススタディーとしてデータが蓄積されてきたと思います。昨年度の決算特別委員会総括質問において区長から、公募によらない選定の考え方など改めて整備することが必要になってきている部分もある、現行の指定管理者制度運用指針の内容については必要な見直しを検討していくとのご答弁をいただいております。あれから1年が経過しておりますが、指定管理者制度の見直しについてどのような検討が行われ、どのような課題認識を持っておられるのか、区長のご所見を伺います。

 現在、制度を導入している56施設について、現行制度が適切なものについては原則どおりプロポーザル方式での公募を行い、そうでないものは現行制度での委託はやめる、そういった仕分けをしっかり行うべきではないでしょうか。あわせて制度を活用していない施設についても直営で行うものと指定管理者制度を活用するものの再検討が必要だと思います。
 指定管理者施設56施設のうち27年度で契約が終了する施設が29施設もあります。その中には社会福祉事業団が委託先となっている特別養護老人ホームや児童館、芸術文化財団が委託先の文化施設などが含まれています。来年度にはこれら施設の選定が行われ、また児童館などは指定管理者選定だけでなく、子ども・子育て新システムへの移行のための検討も行われます。来年度、多くの施設が選定を迎える前に全ての区有施設の管理運営について指定管理者制度を導入するか否かを含めた方向性を示した上で一定のルールづくりを改めて行い、しっかりとした指針へ改善していくべきと考えますが、指針の改定時期も含めて区長のご所見を伺います。

 先日行われた決算特別委員会での総括質問においても述べたとおり、外郭団体への指定管理者制度での委託は外郭団体の存在意義さえなくしてしまうデメリットが顕在化してきました。例えば、社会福祉事業団はいつ公募に切りかえられても選定が受けられるよう民間並みの経営基盤の強化に向けた取り組みを優先せざるを得なくなり、コスト的にペイできない事業を積極的に展開できない体制になっています。セーフティーネットとしての役割意識が希薄になってしまい、外郭団体としての本来的な意味である区の補完的事業まで手が回らなくなってしまっているのではないでしょうか。外郭団体における指定管理者制度の運用を一刻も早く改善すべきです。
 もし、現在指定管理者制度を行っている全ての施設について、同制度を継続するのならセーフティーネットとして必要な福祉施設や寄贈者との約束がある文化施設など、区が本来は直営で行う必要のある施設を規定し、それらの指定管理者については現在の運用指針にある原則公募で、公募によらない選定を行うことができるというできる規定ではなく、これら事業を行うための施設については区の補完的役割を担う外郭団体が指定管理を行うものとするなど外郭団体に施設運営を委託することを明確化すべきではないでしょうか。それ以外の施設については、現在、外郭団体が指定管理者として非公募で委託されている施設についても民間事業者の参入を可能とする公募制を採用すべきと考えます。
 指定管理者制度における外郭団体への委託について今後どのように取り組んでいくのか、区長のご所見を伺います。

 以上、区有施設について改善していただきたい2点について質問させていただきましたが、ぜひとも早急に取り組んでいただけることを強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

区長 答弁

 「早川議員のご質問にお答えさせていただきます。

 ご質問の第1は、区有施設の維持、保全、適正化についてでございます。
 まず、施設情報の一元管理についてでございます。区有施設の維持、保全、適正化に関する基本方針の策定に当たりましては、議員ご指摘のとおり施設情報の一元管理を図る必要があるものと考えております。そこで現在、行政経営推進プランに基づき施設の利用状況や管理運営経費等の基本的な情報の集積、検証作業を進めており、今年度中に現況を取りまとめる予定でございます。さらに、今後は定期的にデータの更新を行ってまいります。

 次に、策定に当たっての課題認識についてでございますが、ファシリティマネジメントの考え方を踏まえ、計画的な施設保全の推進や施設の保有総量の最適化に取り組む必要があるものと考えております。

 次に、基本方針の策定に関する進捗状況についてでございます。現在、基本方針策定の前提となる施設の更新費用の将来推計や人口、区民ニーズなどの分析を進めているところでございます。さらに財政負担の平準化や施設の長寿命化を図るため、一定の周期で施設の更新を行うとともに、人口構成や区民ニーズの変化に合わせた施設の再編を進めていくことを基本的な考え方として基本方針の策定を進めてまいります。

 ご質問の第2は、指定管理者制度についてでございます。
 まず、制度の運用における課題認識と指針の改定時期についてでございます。指定管理者制度運用指針につきましては選定手続の適正化など、これまでも必要に応じて改定を行ってきたところでございます。現在、より継続して安定的な管理運営を行うための指定管理のあり方や指定管理者のインセンティブをより高めるための仕組みなどが課題であると認識し、検討を進めているところでございます。
 議員ご指摘のとおり、来年度は29の施設で選定手続が予定されております。選定開始前までには内容を精査し、必要な改定を実施する予定でございます。なお、区の公の施設には多様な形態がございます。指定管理者制度の適用の是非につきましては、区民サービスの向上や管理運営の効率化などが見込まれるかという視点を踏まえ、個々に判断していく必要があると考えております。

 次に、外郭団体についてでございます。10月の決算特別委員会でお答えさせていただきましたとおり、外郭団体につきましては行政課題の変化に対応してそのあり方を検証、検討することが必要であると考えております。外郭団体における指定管理者制度の適用の是非につきましては、外郭団体のあり方とあわせて検討してまいります。」

一般発問全文 (平成24年第4回定例会)

早川太郎 質問

「無所属の会・台東、早川太郎でございます。

 まずは、がん対策について伺います。
 台東区においては、平成23年度では574名の方が、がんで亡くなっており、死亡要因の第1位、30.4%を占めています。台東区では、健康増進法における国の指針どおりに、胃がんレントゲン、肺がんレントゲン、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの5つの検診を、対象者全員に自己負担なしで実施しています。
 検診受診率で見れば、無料クーポンや個別郵送等の方法が功を奏した子宮頸がんや乳がん、総合健康診査と同時受診が可能になった大腸がんは、ここ数年増加傾向にあり、都の平均受診率を上回っています。
 しかし、がんの発生部位の1位と2位である胃がん、肺がん検診においては、23年度検診受診率、冑がん1.9%、肺がん1.1%と、全国平均はおろか、都の平均受診率を大きく下回ったまま、横ばいを続けています。また、都の統計データによれば、75歳未満男性の調整死亡率では、胃がんが23区中第2位、肺がんは23区中第4位という現状です。検診受診率が低く、調整死亡率の高い台東区においては、がん対策は最重要課題であると考えます。
 がん対策では、早期発見、早期治療が重要であり、そのためには検診受診率と発見率を向上させなくてはなりません。検診受診率を上げるためには、コールリコールなど受診率向上の施策を実行することは当然ながら、区としてがん撲滅に力を入れているという確固たる姿勢を持たなくてはなりません。
 先日、保健福祉委員会で視察に伺った出雲市では、ガン撲滅条例を制定し、がん対策に力を注いでいます。条例では、検診受診率の向上や精度の高い検査の機会提供などを定め、がん拠点連携病院や医師会との連携により、さまざまな施策を行っています。
 例えば、国の指針以外の検査である前立腺がん検診や、国の指針以外の検査項目である、子宮頸がんのHPV併用、肺がんのヘリカルCT検査などを積極的に展開し、発見率の向上に努めていて、300人定員のモデル事業で行っている肺がんのヘリカルCT検診では、国の指針にあるレントゲン肺がん検診の平均発見率と比べて、事業を開始した22年度で13倍、23年度においても7倍と高率な結果が出ています。
 国の調査結果では、平成22年1月時点で1,790市区町村のうち、国が定めていない検診を実施している市区町村は1,238に上り、最も多い前立腺がんでは1,205市区町村が、肺がんのCT検査では1,500市区町村が実施しています。このように多くの市区町村が国で定められた以外の検診に積極的に取り組んでいます。
 台東区においても、例えば、より発見率が高いと言われている肺がんのCT検診を、人数を定め、一部自己負担で実施するというような形でモデル事業として行ってみてはいかがでしょうか。定員を設け自己負担をいただくことでコストも抑えることができ、受診者がより発見率の高い検査を選択できる機会を提供できることになります。
 前定例会の一般質問における子宮頸がん検診について、区長は、「国においてHPV検査の導入が決定した場合には、実施に向けた検討を行ってまいります」との答弁をなされていますが、余りにも消極的な姿勢だと思わざるを得ません。医学は日進月歩しており、遅々として進まない国の対策を待っているような姿勢はいかがなものでしょうか。
 台東区が属している二次医療圏内には、国内でも有数のがん拠点連携病院が多数あります。そういった有効な資源を使わない手はありません。区独自の考えを持ってがん検査のあり方について検討すべきです。少なくとも、国の導入が決定した場合に検討を行うのではなく、国で決定した場合にはすぐにでも実施できる体制を整えておくべきです。そのためにも、二次医療圏内の区や病院、医師会などとの連携を深め、がん検診の検査項目、検査内容の有効性や安全性、負担のあり方や実施年齢など、情報収集及び検討を進めていくべきと考えます。
 国の指示待ちではなく、より発見率の高い検査の機会提供などを含め、台東区でのがん検査についての検討を行うことにより、がん対策についての区の積極的な姿勢を示していくべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、初期消火体制の充実について伺います。
 台東区の震災対策で最も重要なことは、火災の発生を抑え、広げさせないことに尽きます。もしも、震災によって広範囲な火災が同時多発的に発生してしまったら、多くの方が命を失い、生活する場所が奪われてしまうことになるでしょう。区は、避難生活者を区民の約3分の1、5万774人と想定し、その人数の一日分の食糧備蓄を行っていますが、大規模火災が多発的に発生してしまったら、現在の備えでは対応し切れません。
 また、来街者の一時受け入れ施設も、年間4,000万人を超える台東区では、備えをし切れるかどうか疑問が残ります。区民の命を護るために、避難施設での生活者を一人でも減らすために、地震で倒れない家づくりのための耐震化の推進と、初期消火を徹底するための啓発や訓練が非常に重要です。
 防災訓練では、震災をきっかけに、自分たちの町は自分たちで守るという意識が向上してきていることを強く感じます。区民の方々が、自分たちの町を自分たちで守るという意識や行動をバックアップするためのツールを、行政は提供すべきです。
 都の地域防災計画にも、「スタンドパイプやD級可搬ポンプを活用した初期消火を実施する」とあります。各避難所へのD級可搬ポンプの装備や、ことしの総合防災訓練で目玉であったスタンドパイプの積極的な導入を早急に実施すべきと考えます。

 断水率が61%と想定されている台東区では、消火器は、区が設置している1,345本のほか、町会管理分5,066本と、非常に多く設置されています。また、深井戸や浅井戸、消火栓、防火水槽などの消火水利は、至るところに配置されています。しかし、震災時に消火用の資源がどこにあるのかしっかり認識しておかないと、いざというときこれらの資源は役に立ちません。これらの資源を活用し初期消火活動を推進するためには、消火用資源を全て記したマップを、随時更新できるようデジタルデータとして作成し、それぞれの地域のマップを避難施設ごとに配布すべきです。そのマップを防災訓練に活用することで、消火用資源がどこにあるのかをしっかりと認識することができ、震災時においても活用することが可能になります。区民が、自分たちの町を自分たちで守るという意識や行動をバックアップするためのツールを提供すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 区民の命を守るための施策を、来年度予算ではしっかり確保していただけるよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

副区長 答弁

「早川議員のご質問にお答えいたします。

 ご質問の第1は、がん対策についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、がん対策は、本区における非常に重要な健康課題であると認識いたしております。そこで、新たな健康たいとう21推進計画においても、がん対策の充実を重点的取り組みとして掲げ、がんに関する正しい地域の普及啓発や、がん検診の受診率と質の向上を進めていくこととしております。
 現在、区が実施している胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの5つの検診は、専門家による研究、検討により、死亡率減少に有効であると確認されたものであり、検診が正しい方法で実施されることが重要でございます。今後、がん検診の実施につきましては、専門家や医療機関、医師会等の関係機関との連携を深め、早期発見、早期治療につながるがん検診の実施方法や検診の評価などについて検討を行ってまいります。

 ご質問の第2は、初期消火対策についてでございます。
 地震発生時における初期消火や延焼防止は、人的・物的被害を軽減させる上で極めて重要であると認識いたしております。区では、路上消火器の設置を初め、D級可搬ポンプやスタンドパイプの取り扱いを各種訓練で実施するなど、引き続き、初期消火対策の強化に努めてまいります。
 議員ご提案の消火器などの消火用資源の地図化は、有効な初期消火活動に資するとともに、区民の皆様の防災意識の向上につながるものと考えておりますので、関係機関と連携しながら進めてまいります。」