決算特別委員会

決算総括質疑全文 (平成30年決算特別委員会)

早川太郎 質問。

つなぐプロジェクト 早川太郎でございます。今回は、3点、区長に質問・提案させて頂きます。
まず初めに、区財政について伺います。
決算に係る資料や、5日間の委員会審議における答弁などから、平成29年度の台東区の財政状況を分析してみると。
歳入では、主要収入源である特別区税は 前年を5億円も上回る 約215億円となっておりますが。ふるさと納税の影響額は、27年度の税制変更以来 着実に増えてしまい、29年度では、3年間で10倍以上の 約3億8千万円。30年度では、当初予算見込みを大幅に増加し、約5億3千万となっています。
野田前総務大臣の会見では 一部加熱した返礼品についての規制の話がありましたが、制度の根幹的な改正がなされていない以上、今後も寄付額の増加 及び 特別区民税への影響額も増加していくのではないか、との答弁もありました。また、たばこ税でいえば、国では健康増進法の改正があり、より厳しい 東京都の受動喫煙防止条例も成立し、2020年4月の全面施行に向けて、徐々に 一部施行が始まっていきます。喫煙できる環境が減っていくのなら、売り上げも落ちてくる。
「たばこ税率の引上げに伴い、喫煙者の減少も予想されることなどから、今後もたばこ税収については減少する」との答弁もありました。特別区税の 今後の減収が危惧されます。
また、地方消費税交付金は。
消費動向による増などにより、約3億円の増収でしたが、税率引き上げによる影響は、区が支払う消費税や、法人住民税の国税化などの影響で、29年度は マイナス3億6千万円となっており、区財政へのプラス要因とは言えません。30年度税制改正では、地方消費税の配分見直しが盛り込まれ、東京都全体で 約1000億円、台東区では 約9億円の減収との 推計もなされています。31年10月に 消費税の更なる引き上げが行われれば、地方消費税交付金の歳入と 消費税支払いの差引影響額は、平年度化すると 7億円弱のマイナスになるものと 推計されているそうです。
特別区交付金は、対前年度マイナス7億円となってしまいましたが。消費税増税後には、さらに国税化が強化される可能性も高く、特別区交付金に与える影響は 深刻です。また、景気の低迷による歳入減や、消費税増税分の転換措置として、国、都からの支出金の減などの 懸念もあります。
さらに、消費税増税を財源として始まる 幼児教育の無償化。保護者負担が 一部を除いてなくなることは良いことだと思いますが。「区の財政支出は増えるのではないか」との答弁もありました。
29年度の歳入総額は 前年度より約21億円の増となり、区政史上2回目の 1000億円を超える結果となりましたが、将来の減収懸念は、目白押しであります。
一方、歳出においては。

子ども子育て支援新制度に係る総事業費が、年々上昇し、約110億円と なっています。その110億円の内、整備経費、大規模改修経費等の 整備コストを除いたランニングコストは、約92億円かかっていて。新制度が開始される前の 26年度と比べると、わずか3年間で  29億円の増額、約1.5倍となっています。先日の所管委員会の報告でも、こども子育て支援計画の 中間改定の確保数では すでに待機児童対策が十分ではなく、本年度ニーズ調査を改めて実施しておりますが、現行の対応を続けていくとするならば、かなりの数の 保育施設整備が必要となってくるのではないでしょうか。保育園等の施設整備費や ランニングコストは、更に増えていくことになるでしょう。それに加え、子供の人口増加に伴い、学校施設の整備、子ども医療費助成など、子育て支援経費は、今後大幅な上昇が予想されます。               また、区有施設の維持管理。保全計画上での対策事業は、40億円近くとなっていて。施設保全は、必ず 実施していかなくてはならない事業であり、今後とも、多額な経費が、かなりの期間、必要となっていきます。
その他にも、障害者施策における 福祉サービスの充実や施設整備、高齢者における特養施設の再整備、震災・水害等 自然災害への減災対策など、多額な費用が見込まれる課題は多数あります。
また、都市マスタープランの中間のまとめも先日所管委員会に報告されましたが、まちづくりも、インフラ整備を伴うことから、将来的には、多額な経費が掛かっていくことでしょう。
リーマンショック後とは、要因が変化してきておりますが。区の財政状況は、まさに予断を許さない状況である、と私は思っています。
特別会計を含む 台東区の全会計でいえば。
29年度は、歳入の増額等の効果により、当初予算で計上していた基金の活用を 約20億円取り崩すことなく、事業執行を 行うことができただけでなく。基金は、約20億円積み増すこともできて、基金残高は約458億円。
区債はおいては、約22億円を活用しておりますが、返済も17億円しているので、残高は、約146億円になっていて。
今後の行政需要に応えていくための 安定的な財政基盤の強化が、少しずつではありますが進捗している、と認識しておりますが。
現在の基金や区債について、区長はどのように認識しているのか、ご所見を伺います。」

区長 答弁。

「早川委員のご質問にお答えいたします。
台東区の財政において、今後、特別区税等は 減収の懸念があり、子育て支援をはじめ、高齢者対策、災害対策などの行政需要は増加するという見通しは、私も委員と同様であり、本区の財政運営は予断を許さない状況です。
現在、基金については、残高が増加傾向にあるものの、平成27年度以降、積立額は年々減少しております。特別区債については、平成29年度から残高が増加に転じておりますが、今後も、区有施設の老朽化対策を計画的に進めるため、その財源として活用する必要があります。
引き続き、区民福祉の向上に寄与する様々な行政需要に対応するため、基金や特別区債を有効に活用しながら、安定した財政運営に努めて参ります。」

早川太郎 質問。

「区長も、予断を許さない状況だと、答弁いただきましたが。
であるならば、区の最高指針である、20年後を見据えた基本構想が策定されましたが。
それら施策を実現するために、将来的な財政状況の悪化に備え、投資的経費を増やしてでも、固定費の削減につながる施策を着実に推進していくべき、と、私は思っていて。
固定費削減にもつながる事業の1つである区有施設の地球温暖化対策について、2点目を伺います。

次に、区有施設の地球温暖化対策について伺います。
6年間で43施設にLED照明を計画的に行っていく、区有施設省電力型照明の整備事業が、平成29年度から始まっています。
審議の場で、効果を伺ってみれば。29年度は、9施設で実施。電気使用量で9%、電気料金で4%の削減ができた、との答弁がありました。
照明機器も多く、使用時間の長い 雷門地下駐車場では、照明における電気使用量の削減は、1つおきに間引きしていた時期と比べても45%の削減効果があり、更には十分な照度が確保されたことで、運転手の負担の軽減や犯罪の起きにくい環境につながり 大きな成果を感じている、旨の答弁もあったほどで、服部区長の英断を、私は大変評価しています。
しかし、省エネ・再生可能エネルギー対策は、照明だけではありません。
保全計画に示した環境配慮の設計指針による実績や効果を伺ったところ。
LED照明の他、高効率の設備機器設置や節水仕様のトイレ機器などの導入、断熱性能を上げるためサッシやガラス等で省エネ化を図り、太陽光や地中熱等の再生エネルギーも活用していて。例えば忍岡中学校では、約13%の削減を確認できた、との答弁もありました。気候変動の影響により、干ばつや、異常気象、海面水位の上昇、感染症の拡大、生物種の絶滅など、気候変動による被害は、着実に世界中で広がっています。その影響は、日本においても例外ではなく。猛暑日が続くことによっての熱中症や、西日本豪雨など、局地的な集中豪雨による洪水・浸水被害等があり。また、大型台風の日本列島縦断による各地での被害は甚大でした。昨今の異常気象による自然災害が、日本を震撼させており、温暖化対策は、待ったなしの状況に来ています。
2016年に開催されたCOP21において、世界の気温上昇を産業革命前と比較して、2度未満に抑え、更に1.5℃未満となるよう努力するための取り組みを実施することなどの、パリ協定が採択され。2020年以降、排出削減目標の作成と提出、対策実施の義務を負い、永続的な対策を続けることとなりました。
日本は、パリ協定を受けて、「2030年度に2013年度比で26%削減」というCOP21に提出した約束草案の達成に向けて、国内対策の整備を進めるべく、平成28年5月には『地球温暖化計画』が閣議決定され、高断熱化と高効率設備によりできる限りの省エネに努め、太陽光などの活用で、年間に消費するエネルギー量をゼロにする建物、つまりはZEB(ネット・ゼロエネルギー・ビル)などの取組みが示されました。
公共建築物については、2020年までに新築公共建築物で、2030年までには新築建築物の平均でZEB実現を目指す、とされています。
おとなり千代田区では、本年作成された地球温暖化対策第4次実行計画において、すべての区有施設を対象に2022年度までの5年間で、2015年度を基準年として33.3%の削減を目標としています。
しかし、台東区においては、28年に作成された区有施設の地球温暖化対策推進実行計画では、31年度までに4%以上、つまりは、毎年1%の削減が目標となっています。これで十分なのでしょうか?
区は率先して温暖化対策に取り組む責務があります。
民間施設の模範となるよう率先して、省エネ化・再生エネ化を進めるべきであり、LED化の推進で達成してしまえるような目標数値ではなく、もっと踏み込んだ目標数値を掲げるべきです。電気料金も、委員会審議の場で、上昇傾向にあるとの答弁もありました。まだまだ、火力に依存した日本のエネルギー供給の実態を鑑みれば、昨今の国際情勢のきな臭い状況もあり、更なる上昇も十分考えられるのではないでしょうか。
将来においても、
決して楽観できる財政状況が期待できない中、省エネ機器の導入は、ランニングコストも減り、かつ、CO2削減に貢献できる。太陽光発電など、再生可能エネルギーの活用により、災害時の電力供給を賄うことができるようにもなり災害時の事業継続にも有益で、環境教育の推進、区民の意識啓発にも繋がます。さらに、できる限り電力使用量を減らしていく、再生可能エネルギーの活用をふやしていく取り組みを積極的に推進していくことは、原発依存からの脱却を早期に実現するためにも大変重要な取組であるはずです。
省エネ・再生可能エネルギーの導入は、今まさにアクセルを踏むべき施策であるはずです。
区は、温暖化対策としていくつかの事業を実施しております。事業所にはアドバイザーを派遣し、エネルギー削減効果を高める機器導入の助成を行っておりますし、家庭向けには、太陽光や断熱・二重サッシの助成なども行っておりますが、区有施設で、それらの対策が取られている施設は、決して多数ではありません。人に進めるのなら、まず自分の所から整備を終えるべきではないか、と思います。
保全計画作成後の大規模改修では、指針に則り環境配慮がしっかりと行われていると思っておりますが。それ以前の改修では、環境配慮対応がしっかりとなされていない施設も多く、大規模改修を待っていたら、かなりの期間放置されてしまう施設も多いのでは、と危惧しています。

消費電力の多い施設については、省エネ機器を導入する投資額とランニングコストとの試算を行い、その試算をもとに効果が高いところから大規模改修を待たず、省エネ・再生エネ機器導入を行うべきです。
区有施設のCo2削減をしっかりと進めていくために、実態としての区有施設のエネルギー消費量削減の成果を測りにくいCo2削減目標だけでなく。施設ごと、エネルギー種別ごとの削減の数値目標を立て、しっかりとした進捗管理を実行できる仕組みを構築すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁。

「ご質問にお答えいたします。
エネルギー使用量の削減は、区 自らが率先して模範を示し、先導的役割を果たしていくことが重要です。本区では、区有施設全体の削減目標を設定した「第4次 区有施設 地球温暖化対策推進実行計画」を策定し、その取組みを推進して参りました。
また、全庁的な推進体制を構築し、環境 マネジメント システムにより、各施設の使用量を把握するとともに、内部環境監査や研修を行っています。
しかし、平成28年11月に発効した「パリ協定」の下、温室効果ガスの大幅な排出削減が求められています。
来年度に、第5次計画を策定する中で、施設ごと、エネルギーごとの数値目標や、先進的な事例等を参考にした、より効果的な進捗管理について、検討して参ります。」

早川太郎 質問。

来年度の計画策定の中で、検討して頂ける、ということなので。ぜひとも、踏み込んだ目標数値を、台東区として、設定して頂きたいし、その計画を、着実に実行して頂きたい、と要望して、次の質問に移ります。

最後に、区有施設の適正化(ファシリティマネジメント)について伺います。
昨年8月より、基本構想を策定するための審議会に、私も委員として参加させて頂き、20年後の台東区を見据え、区政全般に係る施策についての議論をする機会を得て、大変勉強させて頂きました。
その審議会の中で、「区有施設の総合的・計画的な管理」について議論があり。
副会長から、「施設の維持・保全・適正化は 同列で論じる話ではない。適正化があって、維持・保全の方針が決まる」旨の発言がありました。
私も、以前から申し上げていましたが。まさに、その通りだと考えます。              区は、今後の区有施設の整備にあたっての 3つの基本方針を、平成26年に作成した「台東区施設白書」で示し、その基本方針の3つの内の2つ。予防保全型管理の推進と 計画的な施設更新。施設管理の一元化の推進などを進めるために、「台東区公共施設保全計画」を作成しました。
しかし、基本方針の2つ目。「中長期的視点からの施設の再編」つまりは、ファシリティマネジメントについては、残念ながら「保全計画」には反映されず、その後29年に作成された「台東区公共施設等総合管理計画」において、その方針は示されましたが、現在にいたるまで、具体的な検討が進んでいたのか、疑問に感じておりました。 
今回の審議の中で、区民館について稼働率を伺ったところ、43%とのことで。27年度に伺った時に比べ 微増でありました。
28度から、区外の方の利用も認めるようになりましたが、数字的にはなかなか伸びていません。今年度から、個人や少人数でも利用できるように 利用対象者の拡大を行うなど、改善策を講じていることは評価していますが、5か月間で25件。周知が行きわたっていないのかもしれませんが、稼働率を引き上げるまでには 至っておりません。
同じような集会室を持つ 社会教育館や社会教育センターでも、稼働率を伺ってみました。
29年度より、指定管理者も変更となり、「新たな利用層の参加に繋がってる」講座なども開催して頂いているようで。ホールは、29年度66.4%、会議室は、46.3%、和室は27.5%と、すべての施設で 稼働率を上げています。
しかし、社会教育センターや社会教育館の利用者の70%は、60代70代 という答弁もありました。
5つある施設で、エレベーターが設置されているのは、社会教育センターだけであり。4つの社会教育館では、1階にある根岸を除く、3つの社会教育館には、現状設置されておりません。
さらに、老人施設でも、入谷老人福祉館はエレベーターがなく、バリアフリー基本構想では、大規模改修時に対応となっておりますが、32年度までの事業計画には、実施時期も記載されていません。
審議の中で、老人福祉館や社会教育館などの今後の保全について伺ったところ。
これまでの改修工事での対応状況の説明ではありましたが、「建物の構造や敷地の状況などによって、必要なスロープやエレベーターが設置できない施設があることも事実。そういった場合、階段昇降機で対応したものや、ソフト面で対応するなど、総合的にバリアフリーの対応を図るようにしている』との答弁でした。
エレベーターなどのバリアフリー対応が 大変困難な施設で、利用者が高齢化していく中、現状の施設で、利用者の方々に、ご不便をかけるのでは、と心配でなりません。
例えば、社会教育館や老人福祉館、区民館など活用内容が類似する施設については再編、統合を視野に入れた整備計画も、検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。
特別養護老人ホームについても、谷中は大規模改修が終了しておりますが。浅草や蔵前、三ノ輪などの施設でも老朽化が進み、改修は待ったなしの状況であります。このままの規模で 介護保険料では賄い切れない運営コストを 区が払い続けるのか、それとも 保険料で 施設運営が賄えるような施設規模とする 施設のあり方を検討していくのか、早期に結論を出さなければならない問題も抱えています。
また、障害者施設も、グループホームやデイサービス、医療的ケアを必要とする人が利用できる施設の確保など 障害者施設の整備は、今後更なる需要が見込まれる との答弁もありました。
さらに、子育て施設、財政の質問の時にも述べた通り、まだまだ整備が必要でありますし、小学校では、昨今の就学前児童数の増加により、学区域以内の児童だけでも 受け入れが困難になる学校が、改築している蔵前小学校のほかにも顕在化してきており、区としての対応も迫られてきています。
総合管理計画では、施設を改築する際、複合化・多機能化を図る方針となっており、既存の施設を更新するためのスペースは必要です。区有施設の絶対数は決して多くはなく、財政状況を考えれば、土地をどんどん買うわけにもいきません。台東区への転入も 年々増加し二万人を超え、転出も1万7千人を超えています。台東区にお住まいの方が、確実に変化しておりますし。
制度変更や時代推移により 行政に求められる施設は変化します。限られた区有施設を より行政需要に合った有効的な施設へと 転換していかざるを得ません。
そういった状況が進行している中、今定例会の区長発言において「中長期的な視点からの施設再編など、効果的効率的な施設のあり方についても検討し、必要な区民サービスを 持続的に提供できる環境づくりに取り組んでいく」との発言がありました。区長も、区有施設について、同じ課題認識に立ち、ファシリティを進めて頂けるものだと、大変評価し、聞き入ってしまいましたが。施設の適正化は、統廃合なども含む施設の再編であり、総論賛成、各論反対となるケースも多く、また、区の将来推計においても、まだまだ人口が増加するという中で、再編をどう進めていくかは、大変難しい行政課題である と思っています。しかし、基本構想を、しっかりと実現していくためには、区有施設の適正化は、避けては通れない道だと思っています。そのためには、庁内の体制整備も必要だと思いますが、区有施設の適正化について、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁。

ご質問にお答えいたします。
区有施設の適正化については、必要な区民サービスを持続的に提供する上で、重要であると認識をしています。
委員ご指摘のとおり、区では、平成28年度に「台東区公共施設等総合管理計画」を策定し、改築の際における複合化・多機能化の推進や延床面積の縮減など、「中長期的視点からの 施設の再編」を基本方針の一つとしています。
区有施設の適正化を進めるためには、増加傾向にある人口動向や、行政需要の将来予測、施設再編における地域との合意形成などの様々な課題があります。
こうした課題を踏まえ、区有施設の適正化については、新たな基本構想に定める将来像を実現するために、庁内の体制整備を含めて引き続き検討して参ります。」

早川太郎 

「大変すばらしい基本構想ができた、と私は思っていて。その実現のためには、ファシリティは避けて通れない道だと思っておりますので。課題は多々あると思いますが、区長には、今後とも、ぜひとも頑張って頂きたいと思います。
29年度においての行政計画事業の達成率が約8割だったことについては、若干の物足りなさを感じますが。この決算年度においても、しっかりと行財政基盤の強化に努められておりますし。今後も安定した財政運営に努めていく、との答弁も頂きましたので。つなぐプロジェクトといたしましては、29年度決算について、認定させて頂きます。ご清聴ありがとうございました。」

決算総括質疑全文 (平成28年決算特別委員会)

早川太郎 質問。

「つなぐプロジェクト、早川太郎でございます。

まず初めに、財政運営について伺います。
決算にかかわる資料や5日間の委員会審議における答弁などから、平成27年度の台東区の財政状況を分析してみると、歳入では、主要収入源である特別区税は予算現額を3億円も上回る205億円となっていて、また地方消費税交付金は税率引き上げや消費動向による増などにより約20億円の増収、さらに特別区交付金は財源である法人住民税の国税化による減額の影響があったものの、固定資産税の増収などがあり、約3億円の増額となるなど、歳入総額は前年度より29億円の増となり、1,000億円を超える結果となりました。これら歳入の増額などの効果により、当初予算で計上していた基金の活用を、24億円取り崩すことなく事業執行を行うことができただけでなく、基金は54億円積み増すこともできて、基金残高は約402億円、区債においては約8億円を活用しておりますが、34億円を返済しているので、残高は約162億円になっています。さらに次年度繰越金は39億円もあります。これらの結果から、台東区の財政状況は、リーマンショック後の状況と比べて日本経済の緩やかな回復基調や区が平成25年より始めた行財政基盤の強化に向けた取り組みなどの効果もあり、今後の行政需要に応えていくための安定的な財政基盤の強化が結果として、少しずつではありますが、進捗していると認識しており、大いに評価しています。
しかし、今後の先行きに目を向けてみれば、歳入面でいえば消費税の増税による地方消費税交付金の増額は、区が支払う消費税や法人住民税の国税化などの影響で、27年度はプラス6億円となっておりますが、国税化の影響が1年分になる28年度はマイナス7.8億円との答弁もあったとおり、必ずしも区財政へのプラス要因とはなり得ません。消費税率10%の移行が2年半延期されたことにより、区の財政に与えるマイナス分は今後2年間は軽減されるものの、増税後にはさらに国税化が強化される可能性が高く、特別区交付金に与える影響は深刻であり、平成31年10月の税率改定以降にはマイナス分が大幅に増加するとの分析がなされています。また景気の低迷による歳入減や消費税増税分の転換措置として、国、都からの支出金の減などの懸念もあります。特別区民税においても27年度にふるさと納税における税制変更があり、27年度の影響額は約3,500万円、実際に影響が出てくる28年度においては、予算時の見込み1億円に対して、6月末時点の集計で1億8,000万円と27年度に比べて5倍以上となっており、来年度以降十分注意していかなくてはなりません。
歳出面でいえば、保育の該当要件が保育に欠けるから保育を必要とするに大きく変わり、子育て支援のサービスメニューの充実を図るための子ども・子育て支援新制度が開始された初めての決算年度ではありましたが、認可保育園2園、小規模保育施設5園、事業所内保育所2園などが開設されたことによる影響により、新制度にかかわる総運営費は、対前年度9億円の増で72億5,000万円、その9億円の増額分のうち、国や都などの補助金や保育料などの収入を差し引いた一般財源からの支出が7億円も増額となっています。委員会審議の答弁によれば、国や都などからの特定財源の構成比率が新制度前と変わらないことが一般財源の増額につながっているとの分析もなされており、保育施設をつくればつくるほど、当たり前のことですが、国などからの補助金が充実されることなく、一般財源からの支出が増加することとなります。待機児童ゼロを目指すなら保育施設のさらなる充実は必須であり、増設が必要となってきます。それに加え、子供の人口増加に伴う学校施設の整備、子ども医療費助成など、子育て支援経費は今後大幅な上昇が予想されます。
また、障害者施策の事業費、心身障害者福祉費では、5年前の22年度の決算額、約32億1,000万円に比べ、27年度決算額では約41億6,000万円と5年間で9億5,000万円もの増額、予算計上していた施設建設が残念ながら実施できなかったにもかかわらず、この金額となっています。また委員会では指摘しませんでしたが、幾つかの事業で国からの補助金が廃止されていたこともあわせて申し上げておきます。障害者施策は区にとって大変重要な施策であり、今後も充実していかなくてはならない施策ではありますが、生活支援施設や福祉作業所、グループホームの整備など、充実していかなくてはならない事業も多く、今後も事業費は増大していきます。
さらに予防接種、定期接種化が進むことは、健康被害があったと認定された場合に法に基づく救済制度があることや23区内の指定医療機関で接種できるので、利便性が高まることなど、メリットがあることは十分承知しておりますが、特定財源からの補助金がなくなり、全額が区の一般財源からの支出となることからも、区の財政に与える影響は甚大です。25年度以降、定期接種化された5種類のワクチンの総額は、27年度で1億7,000万円強、今定例会の補正でB型肝炎の定期接種化も始まり、その支出は1,700万円となっていて、さらにロタウイルスとおたふくかぜが追加されれば5,000万円以上になり、区の一般財源からの支出は増加します。
そのほかにも歳出面でいえば、区有施設の老朽化対策として、試算では今後30年間で約850億円、各年では平均28.4億円の経費がかかる予定であり、今後多額な経費がかなりの期間、必要となってきます。高齢者対策における特別養護老人ホーム整備や介護予防事業の拡充、耐震化・不燃化などの災害対策など、多額な費用が見込まれる課題は多数あります。
内閣府が10月7日に発表した8月の景気動向指数の速報値は、景気の現状を示す一致指数が3カ月ぶりに悪化したとの報道もありました。またイギリスのユーロ離脱による金融不安や新興国の経済不安などもあり、我が国の経済状況は先行き不透明感が増してきています。
これらの状況を鑑みれば、台東区の財政状況は決して予断を許さない状況が続いていると言わざるを得ません。そういう時期であるからこそ、引き続き財政基盤の強化をしっかりと行っていくとともに、将来におけるランニングコスト削減により一層取り組む施策を充実していかなくてはなりません。例えば省エネ化の推進、27年度の電気料は7億7,000万円、3.11のあった翌年度の23年度は6億1,000万円強であり、本庁舎においての省エネ化や街路灯などの省エネ化を進めていても、4年前と比べて1億5,000万円以上多くなっています。例えば省電力型街路灯では、小型街路灯で水銀灯をLED化することにより、27年度数値で一月の電気料金が1基当たり1,030円から270円に削減できたとのことです。さらなる省エネ化の推進はランニングコストの削減につながるだけでなく、環境問題としてのCO2削減にも寄与します。しっかりと計画を立て、早期に省エネ化を図るべきです。まためぐりんにおいても、車両の老朽化により修繕費が毎年4,000万円を超えていて、耐用年数の基準になる10年を超えた車両は17台中、現在8台もあり、ランニングコストや安全面を考慮すれば早急に買いかえを実現すべきと考えます。
来年度の予算編成に向けては、今後とも財政基盤の強化を引き続き行っていくとともに、将来のランニングコスト削減に寄与する事業などを積極的に展開すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁。

「早川委員のご質問にお答えいたします。
大変、早川委員は区財政の状況に精通しておりまして、その上でのご提案と受けとめさせていただきます。
私は、平成27年度決算において特別区税の増などを背景とした基金の積み立てなどにより、財政基盤の強化が進んだものと認識をしております。一方、今後の財政運営については、歳入では、法人住民税の国税化や不透明感を増す経済状況を懸念するとともに、歳出では、増大するさまざまな行政需要を抱えており、今後も予断を許さない状況であるとの認識は、早川委員と同様でございます。
私は、区民福祉の充実を図る諸施策や今後の新たな行政需要に対応するため、財政状況を勘案しつつ、引き続き財政基盤の強化に努めてまいります。さらに区有施設におけるLED照明への交換などによる省エネルギー化や庁内文書の電子化によるペーパーレス化など、将来の維持管理経費削減に向けた取り組みもあわせて進めてまいります。今後も区民生活に支障を来さないよう、また将来にわたって区民の皆様が安心して生活できるよう中長期的な視点に立った安定的な財政運営を推進してまいります。」

早川太郎 質問

「ご答弁ありがとうございます。区長も私と同様の認識を持って、今後の財政運営をしていただけるということでございますので、来年度の予算案をしっかりとチェックさせていただきたいと思います。
質問では省エネ化やめぐりんを例にしましたが、今後の財政負担を減らす施策としては、先ほど髙森委員がちょっと触れられましたが、次に質問させていただく特別養護老人ホームの再整備に向けた検討や多様な行政ニーズに応えていくための共同事業の着実な育成に向けた取り組みなどが、まさに今、アクセルを踏むべきものであると思っておりますので、これら施策についてもしっかりと取り組んでいただきたいと要望させていただき、次の質問に移らせていただきます。

次に、特別養護老人ホームについて伺います。
27年度末の台東区の特別養護老人ホームの整備状況は、昭和62年の特別養護老人ホーム浅草を皮切りに、谷中、三ノ輪、蔵前、台東と区立の施設が次々に開所され、平成22年には旧蓬莱中学校の跡地に区で初めての民設民営の特別養護老人ホームである特別養護老人ホーム浅草ほうらいが、翌23年には特別養護老人ホーム浅草のサテライトとして特別養護老人ホーム千束が開所され、区内では452床、三多摩地区に確保されている136床と合わせて588床が整備されていました。今年度9月にフレスコ浅草の84床が整備され、また来年度には138床の(仮称)橋場すみれ園が開所される予定となっており、審議において8月末の待機者は385名、この施設がフル稼働した場合、待機者が一時的には約半分の約200名になると予測しているとの答弁がありました。この2施設が整備される前の区の見解では、早期に入所の必要性の高いとされる方々が待機者のおよそ2割程度と推計しており、また国では在宅サービスの充実を図りながらも、特別養護老人ホームの必要ベッド数を高齢者人口の1.7%と見込んでいて、高齢者人口の推移、入所者の状況、国の見込みなどを勘案すると総ベッド数を764床確保していく必要があるとのことでした。現在もその考えに変更がないとのことでした。であるならば、この2施設の特別養護老人ホームが整備されれば区の特別養護老人ホームにおける総ベッド数は目標であった764床を超えることとなります。また懸念材料であった区外の特別養護老人ホーム施設も、早いものは28年度で補助期間が終わってしまいますが、全施設、現協定に基づいて引き続き入所者の受け入れ枠を確保し、協力関係を継続することを確認しているとの答弁もありました。
当面、待機者がなくなるわけではありませんが、入所の必要性の高いとされる方への整備がなされたこととなります。しかし、特別養護老人ホームの整備が終わったわけではありません。長期総合計画にもあるとおり、既存の老朽化した特別養護老人ホームの再整備に向けた取り組みは今こそ行うべきではないでしょうか。特別養護老人ホームの経営は100床以上の規模になると介護報酬で賄えると一般的には言われておりますが、区は早期に特別養護老人ホームをつくったこともあり、規模が小さいものが多く、介護報酬だけでは賄えていません。その損失補填分を指定管理料という形で埋めており、27年度には区立の特別養護老人ホーム6施設で2億8,500万円が一般財源から拠出されています。ランニングコスト削減を考えるなら100床以上規模への転換が必要です。
また区の特別養護老人ホームは多床室型のものが多いのですが、国はユニットケア型の施設整備を原則としており、ユニットケア型に対応した施設整備補助金を設け、介護報酬の設定を従来型よりも高く設定することにより、ユニットケア型の特別養護老人ホームの整備を進めています。またユニット型では生活の中心がベッドからリビングへといった生活の変化があらわれることや、身体介助中心のケアから余暇を過ごしたり、交流を図ったりといったケアへと介護内容に質的な変化が起こるといった調査結果もあることから、入居者にとってもメリットが多数あります。多床室型の特別養護老人ホームからユニット型の特別養護老人ホームへの転換が必要です。さらに老朽化の対応も考えておかなければなりません。大規模改修の目安は30年と言われておりますが、フル稼働している特別養護老人ホーム施設は、改修間隔が短くならざるを得ません。
現在、浅草、谷中で改修を行っておりますが、近い将来、平成6年設立の三ノ輪、7年の蔵前、そして13年の台東の大規模改修が必要となってきます。特別養護老人ホームなどの居住系の施設においては、いながらでの大規模工事は困難であり、長寿命化を図るためのしっかりとした改修を行うなら仮移転するための代替施設が必要です。指定管理料も必要がなく、入居者にとってもメリットの高いユニット型の、そして大規模改修の代替施設ともなり得る特別養護老人ホーム建設を、大規模用地に整備すべきです。そうすることによって既存施設の幾つかはデイサービス、地域包括支援センターを残し、在宅支援拡充に向けてショートステイを拡充し、余った場所は他の行政需要の高い子育てや障害者施設に転換できるといったメリットもあります。
団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、待機者が減る今こそ特別養護老人ホームの再整備に向けた具体的な検討を開始すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁。

「ご質問にお答えいたします。
区では団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据えて地域包括ケアシステムの構築を目指し、介護が必要となっても高齢者が住みなれた地域で暮らし続けることができるよう居宅サービスや施設サービスの充実に取り組んでいます。特別養護老人ホームについては、整備費補助制度を設け、目標数に向けて新たな施設の整備を推進してまいりました。この補助制度を活用した民間施設がことしの9月に1施設開設し、さらに来年度早期に1施設開設する予定となっており、整備目標数を上回ることとなります。一方、既存の特別養護老人ホームの多くは老朽化が進んでおります。そのため今年度、特別養護老人ホーム谷中の大規模改修を行っているところです。今後の特別養護老人ホームの整備については、居宅サービスの提供状況や利用者のニーズを踏まえながら検討してまいります。」

早川太郎 質問。

「検討していただけるということでありますので、ぜひとも行っていただきたいと思いますし、本当に既存の特別養護老人ホームの再整備は、今しかできないことではないかと思いますので、検討を進めていただきたいと強く要望いたしまして、最後の質問に入らせていただきます。

最後に、区有施設の集会室の有効活用について伺います。
区は今後の区有施設の整備に当たっての3つの基本方針を平成26年7月に作成した台東区施設白書で示し、その3つのうちの2つ、予防保全型管理の推進と計画的な施設更新、そして施設管理の一元化の推進などを進めるために台東区公共施設保全計画を作成しました。今までのように壊れてから直すという対症療法的事後保全から計画的に施設保全を図っていくとして、しっかりとした保全システムを構築し、点検から予算配当、執行までの業務を一元的に行う体制へ移行しようとしていることは大変評価しています。
しかし、基本方針の2つ目、中長期的視点からの施設の再編、つまりはファシリティマネジメントについては、残念ながら保全計画には反映されず、今後の検討課題となっています。本来はこのファシリティマネジメントの方針があって、その方針に沿った形で施設の保全を計画していくものだと思っておりますが、施設の最適化は統廃合などを含む施設の再編であり、総論賛成、各論反対となるケースも多く、また区の将来推計においてもまだまだ人口が増加するという中で、再編をどのように進めていくかは大変難しい行政課題であると思っています。区有施設の絶対数は決して多くはなく、財政状況を考えれば土地をどんどん買うわけにもいきません。子育て施設や障害者施設の不足は区の最重要課題であり、今後も新たな行政需要により必要な施設がふえてくることを考えれば、中長期的視点からの施設の再編は近い将来、必ず行わなければならない行政課題であるはずです。施設の再編計画が作成できなくても、その作成に向けて今、区ができることがあるはずです。それは集会室をより使いやすくすることだと思っています。
審議の中で、区民館について稼働率を伺ったところ、前年度から少し落ちて41.6%とのことでした。今年度から稼働率アップ、区の収入にもつながるということで、区外の方の利用も認めるようになりましたが、利用は1.7%、そもそも区民館は区民のための施設であり、区外の人に貸すぐらいなら区民のためになる行政活用をふやすべきと提案していましたが、なかなか推進されることもなく、微増にとどまっています。同じような集会室を持つ社会教育館や社会教育センターでも稼働率を伺ってみましたが、ホールは27年度、60.4%と稼働率が高いものの、対前年でマイナス1ポイント、会議室は41.7%、和室は23.7%と決して稼働率が高いとは言えない状況です。
27年度、指定管理者施設管理評価報告書においても改善すべき点として利用団体の高齢化にどのように対処するかとの記載や、利用率や利用人数は伸び悩み傾向であり、利用状況の改善も求められているとの記載もありました。まさにそのとおりで、5つある施設で、エレベーターが設置されているのは社会教育センターだけであり、4つの社会教育館のうち、施設が1階にある根岸社会教育館を除く残り3つの施設には現状、エレベーターは設置されておりません。この年度に千束社会教育館に昇降機の設置を行いましたが、利用実績は一月に11人程度。利用者の参集時間が重なる集会施設において、1人に片道4分かかる昇降機では対応し切れるものではありません。以前、千束社会教育館に視察に伺った際にも、ちょうど利用者のご高齢の方が数人見えていて、階段を上るのに大変苦労されていました。利用されている方がご高齢になってきて、エレベーターがないと利用が厳しいという気持ちはよくわかりました。小学校内にある千束社会教育館においては、32年度を最終年度としたバリアフリー特定事業計画の中でエレベーター設置についての記載はありません。千束小学校の大規模修繕時でないと厳しいのも理解できますが、20年以上は今のままの状態が続くこととなるでしょう。
千束社会教育館同様、今戸社会教育館も事業計画の中にエレベーター設置はありませんし、小島社会教育館は事業計画施設にすら入っていません。合唱やダンスなど、音が出る利用もありますが、防音設備も整っていません。これら施設は都営アパートとの併設であり、区独自での対応もなかなかできないのではないでしょうか。さらに老人施設でも、入谷老人福祉館はエレベーターがなく、バリアフリー基本構想では大規模改修時に対応となっておりますが、32年度までの事業計画には実施時期も記載されていません。区民館はエレベーターなどのバリアフリー対応を完備している施設も多く、防音設備を装備しているホールもあります。いっそ全館防音設備を充実し、他用途にも対応可能としてみてはとも考えます。
現在でも登録団体においてはどの施設も利用可能となっておりますが、それぞれに根拠条例に基づく利用要件があり、それぞれの利用者に歯どめをかけてしまっているような気がしてなりません。それぞれの施設で利用者にとってのより有益な改修を進めることが難しいようなら、集会室をより使いやすくするよう見直す時期に来ていると思っています。使い勝手のよい施設を利用者が選択しやすいような体制に移行するため、まずは区民の集会室の利用機会を拡大するべく、利用要件を見直すなど、集会室の有効活用を図る取り組みを進めるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁。

「ご質問にお答えいたします。
区有施設の集会室については、利用者の使いやすさや稼働率の向上の観点を持って施設運営に取り組むことが重要であると認識をしております。これまでも区では利用者の利便性向上の観点から予約開始時期をわかりやすく変更したほか、使用料の全額還付の期間を新たに設けました。さらに稼働率向上を図るため、区外の方の施設利用を可能にしました。集会室のより一層の有効活用を図るため、区民の利用機会の拡大に向け、現在、庁内のプロジェクトチームにおいて利用要件の見直しを検討しております。」

早川太郎

「プロジェクトチームにおいて検討していただけるということですので、こういった取り組みを一つずつ着実に行うことによって、利用者にとって使いやすい施設とそうでない施設の選別も可能となってきて、施設の最適化が行えるようになってくるのではないかと思っていますので、ぜひともしっかりと行っていただきたいと要望しまして、我がつなぐプロジェクトといたしましては、27年度決算を認定させていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

決算総括質疑全文(平成24年決算特別委員会)

早川太郎 質問

「無所属の会・台東、早川太郎でございます。4日間の決算審議を踏まえ、3点について伺わせていただきます。

 初めに、予算編成における歳入の適正化について伺います。
 今回の決算特別委員会の審議の中で23年度の次年度繰越金は34億円ありますが、前年度からの繰越金や国や都への返還金、基金の取り崩しなどを差し引くと、実質的な収支は単年度でもマイナス12億円であるとの答弁がなされています。
 依然として景気回復の見込みがない中、生活保護費を初めとする扶助費の増加や進展する少子高齢化への対応など、歳出の増大は十分に予想できるものであり、将来を見据えた行財政基盤の強化に向けた取り組みを検討することには、一定の評価をしております。
 その取り組みでは、収入未済対策の強化、使用料の見直し、低利用・未利用の区有財産活用、広告収入の拡大を含む、新たな事業収入の検討など、歳入確保を大きな柱に掲げています。歳入に関しては、予算を立てたものがどう確保されたか、しっかり検証していかなくてはと思い、幾つか質問をさせていただきました。
 使用料においては文化施設、手数料においては建築確認申請など、前年度低収入率であったにもかかわらず、全く同額の歳入予算を計上している例が見受けられました。
 また、諸収入では、重ね地図を例に挙げて質問させていただきましたが、決算額は、予算現額における収入率20%で、100万円の売り上げでした。販売期間2カ月で、しかも区有施設だけでの販売では、売上努力を今以上に頑張っていたとしても、実現可能な目標であったかは疑わしいと言わざるを得ません。地図自体はすばらしいものだと思っていますし、誘客の促進と観光客の回遊性の向上を図るという政策目的も遂行していくと信じています。しかし、努力目標を歳入予算として計上すべきではありません。
 この他にも、それぞれの差額は決して多くないものの、収入率の低いものは多数あり、積もれば大変な金額になってしまいます。今後の歳入確保に当たっては、厳しい財政状況を踏まえ、今まで以上に使用料及び手数料、広告収入の拡大を含む新たな事業収入の検討が進められることでしょう。
 しかし、形式的な収支バランスをとることに力点を置いた、達成可能性の低い努力目標的な予算の設定や、過去の実績のみによる無理な予算計上は、結果として基金の取り崩しや他の歳入予算の増額に依存することになり、財政の悪化につながると懸念します。
 こういった、とらぬタヌキの皮算用的な歳入予算が編成されないよう、来年度予算の編成に当たっては、適正な金額の予算の計上を徹底すべきと考えますが、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「早川委員のご質問にお答えさせていただきます。

使用料及び手数料や諸収入などの歳入につきましては、これまで過去の実績や今後の見込み等を分析するなど、実態に即した計上に努めているところでございます。
 しかしながら、平成23年度決算におきましては、結果として収入率の低かったものもございました。24年度予算において、既に見直しを図ったものもございますが、25年度予算の編成に当たりましては、委員のご懸念や本委員会での審議なども踏まえ、適正な歳入の計上に努めてまいります。」

早川太郎 質問

「ぜひともよろしくお願いしたいと思います。所管が目標を設定し、努力していくことは大事なことだと思いますが、適正な予算編成はそれよりもさらに重要なことだと思いますので、今後の予算特別委員会でも、その辺のところをしっかりチェックさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。次の質問に移ります。

 次に、重点施策の今後の展開について伺います。
 区は、歳出抑制に向けた取り組みの中で、計画されている施設整備事業についての整備時期や期間など、投資的事業の見直しの検討を行い、来年度予算の歳出抑制に充てようとしています。しかし、厳しい財政状況が続くことが想定され、予防的な取り組みが必要な時期であったとしても、積極的に取り組むべき事業もあるはずです。
 昨年の原発事故により、区は全庁的に節電を推進してまいりました。消灯や開館時間の短縮、室温の設定温度など、主にソフト面での運用による節電効果は、23年度で2,700万円。しかし、今後、電気料金の上昇が見込まれる中、ハード面での省エネ・再生可能エネルギー機器の積極的な導入が必要であると考えます。
 委員会質疑の中でも、省電力型街路灯整備事業については、約3分の1が実施済みであり、全てが実施されれば、当初見込みで36%の削減、電気料金が上がった場合でも22%の削減が可能と試算されているとの答弁がありました。区有施設全体での電気料金は6億2,000万円であり、今後料金が上昇していくことを考えると、一刻も早く整備すべきと考えます。
 さらに、省エネ機器だけではなく、太陽光及び蓄電池を設置することは、不安定な電力供給にも備えることができ、災害時の補助電力にも使用でき、学校施設等においては、環境学習の効果もあります。
 現在、区有施設において、実用的な再生可能エネルギー機器を設置している施設は3施設にとどまっています。投資的経費の見直しが検討される中にあっても、この部分においては、震災対策にも、またランニングコストの削減にも役立つため、投資を控えるのではなく、今こそまさに推進すべきであると考えます。
 そこで、1点伺います。
 学校を含む区有施設への省エネ・再生可能エネルギー機器の積極的な導入に向けて、予算措置と対策を充実させていただきたいと考えますが、区長のご所見を伺います。

 また、区民意識が高く、施策への達成効果が高い事業も推進すべきです。3.11以降、震災対策や節電に対する区民の関心が高まっていることは、耐震化の件数、再生可能エネルギー助成の実績が飛躍的に増加していることからも明らかです。
 台東区の震災対策で最も重要なことは、火災の発生を抑え、拡大させないことに尽きます。倒壊家屋による火災の発生、拡大を防ぐため、避難施設での生活者を一人でも減らすため、住宅の耐震化を積極的に進めていかなければなりません。また、待ったなしの節電対策や地球温暖化対策実現に向けて、民間における再生可能エネルギーの普及啓発も充実すべきです。
 こういった施策は、行政が幾ら積極的に推進しようとしても、区民の意識が低いときにはなかなか成果が上がりません。区民の意識が高い今こそ、十分な予算を計上し、推進していく体制を整えていくべきです
 今後の重点施策については、決算特別委員会での審議も踏まえ、新たな行政計画としてお示ししたいと区長は一般質問の答弁で述べられていました。まさに決算での審議で明らかになった、省エネ・再生可能エネルギーの活用や耐震化については、新たな行政計画策定の中で、より一層の予算措置と対策を示していただきたいと考えます。災害時の被害を最小限にとどめるためにも、耐震化を積極的に進めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「お答えさせていただきます。まず、省エネルギーや再生可能エネルギーの活用についてでございます。
 本区では、環境配慮の視点から、温室効果ガス削減に向け、台東区地球温暖化対策推進実行計画を定め、施設の新設や改修時において、省エネ機器や太陽光発電の設置など、再生可能エネルギー設備の導入を進めております。浅草文化観光センターの改築や区役所本庁舎の改修においては、LEDや省エネ型の照明を導入するとともに、太陽光発電を設置するなど、環境負荷の低減を図っているところでございます。
 今後も環境に配慮した設備を導入するため、費用対効果や施設の条件に合った設置方法を検証しながら、学校も含め、区有施設への省エネ設備や太陽光発電の設置を進めるとともに、区民の皆様への普及啓発の契機と捉え、導入後は積極的なPRに努めてまいります。

 次に、建築物の耐震化の推進についてでございます。
 私は災害予防対策として、建築物の耐震化は重要であると認識いたしており、耐震改修促進計画に基づき、行政計画等にその取り組みを位置づけ、さまざまな支援策を実施しながら、耐震化の促進を図っているところでございます。
 今後、取り組みの強化を図るため、マンションや戸建て住宅への戸別訪問を初め、地域の防災活動などのさまざまな機会を捉えて、周知活動を行い、耐震化の実施を促し、安全で安心なまちづくりの実現を図ってまいります。」

早川太郎 質問

「省エネ・再生可能エネルギーの導入促進や耐震化などは、今まさに行う事業だと思いますので、新たな行政計画の中でも重点施策に取り上げていただいて、しっかり対応をしていただきたいと思います。
 また、先ほど区長のご答弁のあった学校施設でございますが、避難施設としても使われておりますので、その辺、太陽光及び蓄電池の積極的導入をお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 最後に、指定管理者制度における現況の矛盾点と今後のあり方について、区長の所見を伺います。
 指定管理者制度は、原則公募により、民間の知恵や工夫の活用を図ることにより、区民サービスの向上を目指すことを目的として、平成15年に制定されました。この制度により、地方公共団体やその外郭団体に限定していた区有施設の施設管理運営を、指定管理者として民間事業者にも開放することが可能になりました。一部の施設では、民間参入が促進され、サービスの向上、コストの削減等が達成されており、指定管理者制度導入の効果は、一定の評価に値すると考えています。
 この制度変更を受け、台東区は56施設で指定管理者制度を採用しています。そのうち、外郭団体に委託している施設が36施設であり、その全てが非公募です。本来は、行政の責任として区が直轄で行うべき事業を、コスト等の課題により区の補完的存在である外郭団体に委託することは、メリットの多い場合もあります。しかし、公募が原則の指定管理者制度において、非公募での選定が7割を占めている現状では、台東区でこの制度の運用が適正になされているとは思えません。
 それによるデメリットも顕在化してきました。例えば、特別養護老人ホームなどを非公募で受託している社会福祉事業団を例にとれば、指定管理者制度導入により、民間との経営効率を過分に意識せざるを得なくなりました。その結果、民間施設と同様な経営感覚にとらわれ過ぎ、外郭団体としての本来的な意味、区の補完的な事業を遂行するための、つまりは、民間ではコスト的にも手に負えないといった、セーフティーネットとしての役割を維持するための体制が崩れようとしています。
 今定例会に報告された同事業団の経営改善計画を見ても、それは明らかです。区が外郭団体に期待する役割が、制度の活用によっていびつにゆがみ始めている現況は、看過できない重大な問題点であると考えています。
 また、外郭団体である芸術文化財団は、同じく非公募で文化施設5施設を運営しています。これらは、区の文化政策としても、また寄贈者の意向としても、区やその外郭団体が施設の管理運営を担っていかなければならないことは理解しています。
 しかし、現在、この施設での多くの企画事業は、主に別の補助金として財団本部に支払われています。指定管理を行うなら、プロポーザル方式の活用などで、施設を有効活用するために、企画案なども指定管理者選定時の決定に大きな要素となるはずです。自主事業を各施設の指定管理の枠内で行わせないのなら、何のための指定管理かわかりません。せめて、それぞれの指定管理施設における企画は、自主事業として補助金を出すのではなく、指定管理の枠内で行わせるべきです。また、利用料金制も採用していません。
 そこで、まず1点伺います。
 芸術文化財団が指定管理者として運営する文化施設については、利用料金制に移行し、管理者のモチベーションをアップさせ、より有効な施設運営に当たらせるべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

 2点目です。
 今委員会では、指定管理事業には、指定管理の意義や非公募の理由、制度を活用していない区有施設の事業に対しては、区が直轄で行っている意義などを伺ってきましたが、区の指定管理に関する方向性が全く理解できませんでした。
 例えば、老人福祉センターは非公募で外郭団体が運営していますが、社会教育館は公募で民間が運営しています。民間になってよくなったとの答弁もありました。両事業は、高齢者と社会教育団体という対象者の違いはあれ、会館管理や教室など、行っている管理運営事業に大きな違いがあるとは思えません。
 また、寿家庭支援センターは民間に委託。同じ業務を行っている台東家庭支援センターは直轄で運営されています。民間で始めた当初は相談件数も少なかったようですが、今年度は件数もふえており、直轄とほぼ遜色なく運営されていると聞きます。
児童館に併設されているこどもクラブについては、他の場所で実施しているこどもクラブも含めて、全体として事業という位置づけで捉えているので、指定管理は行わないという答弁でした。しかし、より効率的、よりサービスの向上を目指して、併設している児童館と一元的に指定管理を導入しようとしている区があることはご存じだと思います。それによれば、本区の児童館併設のこどもクラブについて、一元的に指定管理することは可能なはずです。指定管理者制度を導入している区有施設の管理運営主体や公募、非公募、そして利用料金制の考え方について、区全休としての一貫性がないように感じられて仕方ありません。
 私個人としては、区有施設の管理運営については、どうしてもセーフティーネットとして必要な福祉施設や寄贈者との約束がある文化施設など、行政の責任として行う事業は直轄で行うべきであると考えます。しかし、指定管理で外郭団体に委託するというのであれば、行き過ぎたコスト意識は是正すべきです。それ以外の施設については、民間活力の導入による区民サービスの向上やコストの削減という、指定管理者制度の本来の目的にあわせて、民間事業者の参入を可能とする公募制を採用するべきではないでしょうか。
 指定管理者制度が導入されて9年が経過し、制度の長所と短所が明らかになってきております。施設の管理運営のあり方について、見直す時期に来ているのではないでしょうか。今後、区有施設の管理運営において、どのように指定管理者制度を活用していくのか。
 以上、2点について、区長の所見を伺います。

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。まず、文化施設における指定管理者制度についてでございます。

 文化施設につきましては、台東区芸術文化財団を指定管理者として、正月開館や夏季の開館時間の延長など、自主的に創意工夫を凝らしながら運営いたしております。また、各施設の特色や専門性を十分に発揮した企画展やコンサートなどの多彩な自主事業を実施しているところでございます。
 現在、さまざまな分野の芸術文化の普及啓発、振興を図る観点から、入館料やコンサートの入場料などを利用者にとって身近な料金に設定いたしております。また、芸術文化財団は、民間事業者とは異なり、外郭団体として区の行政目的を補完し高めていくという使命を持つことなどから、一定の制約がございますが、現在も経営的な視点を持って運営いたしております。委員ご提案の指定管理のあり方につきましては、今後、研究してまいります。

 次に、今後の指定管理者制度の活用についてでございます。
 これまで各施設における指定管理者制度の導入につきましては、多様な施設があることから、施設ごとに安定的で継続的な運営が実現できるかを検証し、各施設に適した運営主体を選定してきたところでございます。
 しかしながら、指定管理者制度を適用するに当たっては、公募によらない選定の考え方など、改めて整理することが必要になってきている部分もございます。そのため、今後も区有施設の管理運営を適切に進めていくため、現行の指定管理者制度運用指針の内容につきまして、必要な見直しを検討してまいります。」

早川太郎 

「今、区長ご答弁いただきまして、検討していただけるということなので、本当にありがたいと思います。区有施設の管理運営については、区民サービスに直結することなので、ぜひとももう1回指針をつくり直していただいて、どこの施設を指定管理にして、どこの施設を公募にして、どこの施設を非公募にすると、それぞれルールをしっかり決めてやっていただきたいと思います。
 あわせて、外郭団体のあり方についても、先ほど2つほど社会福祉事業団の問題であったりとか、指定管理の枠内ではありますが、芸術文化財団のお話もさせていただきました。こちらは2つとも区の100%管理団体でございますので、区として、今後、外郭団体をどうしていくかというのは、その辺のことも含めて、しっかり検討していただきたいと思います。

 初めての決算審議に当たっては、他会派の先輩議員の方からも、多分にご助言をいただきました。また、理事者の皆様にも基本的なことから教えていただき、何とかきょう、総括質問をさせていただいております。この場をかりて感謝の言葉を述べさせていただきます。
まだまだ勉強の足らない新人議員の未熟な質問かもしれませんが、区長におかれましては、区議会議員としての後輩政治家からの真摯な提案と受けとめていただき、ぜひとも前向きに受けとめていただけることをお願いして、私の総括質問とさせていただきます。
 なお、今の審議を踏まえて、今年度の決算に関しては、私としましては、認定とさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。」