決算特別委員会

決算総括質疑全文(平成24年決算特別委員会)

早川太郎 質問

「無所属の会・台東、早川太郎でございます。4日間の決算審議を踏まえ、3点について伺わせていただきます。

 初めに、予算編成における歳入の適正化について伺います。
 今回の決算特別委員会の審議の中で23年度の次年度繰越金は34億円ありますが、前年度からの繰越金や国や都への返還金、基金の取り崩しなどを差し引くと、実質的な収支は単年度でもマイナス12億円であるとの答弁がなされています。
 依然として景気回復の見込みがない中、生活保護費を初めとする扶助費の増加や進展する少子高齢化への対応など、歳出の増大は十分に予想できるものであり、将来を見据えた行財政基盤の強化に向けた取り組みを検討することには、一定の評価をしております。
 その取り組みでは、収入未済対策の強化、使用料の見直し、低利用・未利用の区有財産活用、広告収入の拡大を含む、新たな事業収入の検討など、歳入確保を大きな柱に掲げています。歳入に関しては、予算を立てたものがどう確保されたか、しっかり検証していかなくてはと思い、幾つか質問をさせていただきました。
 使用料においては文化施設、手数料においては建築確認申請など、前年度低収入率であったにもかかわらず、全く同額の歳入予算を計上している例が見受けられました。
 また、諸収入では、重ね地図を例に挙げて質問させていただきましたが、決算額は、予算現額における収入率20%で、100万円の売り上げでした。販売期間2カ月で、しかも区有施設だけでの販売では、売上努力を今以上に頑張っていたとしても、実現可能な目標であったかは疑わしいと言わざるを得ません。地図自体はすばらしいものだと思っていますし、誘客の促進と観光客の回遊性の向上を図るという政策目的も遂行していくと信じています。しかし、努力目標を歳入予算として計上すべきではありません。
 この他にも、それぞれの差額は決して多くないものの、収入率の低いものは多数あり、積もれば大変な金額になってしまいます。今後の歳入確保に当たっては、厳しい財政状況を踏まえ、今まで以上に使用料及び手数料、広告収入の拡大を含む新たな事業収入の検討が進められることでしょう。
 しかし、形式的な収支バランスをとることに力点を置いた、達成可能性の低い努力目標的な予算の設定や、過去の実績のみによる無理な予算計上は、結果として基金の取り崩しや他の歳入予算の増額に依存することになり、財政の悪化につながると懸念します。
 こういった、とらぬタヌキの皮算用的な歳入予算が編成されないよう、来年度予算の編成に当たっては、適正な金額の予算の計上を徹底すべきと考えますが、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「早川委員のご質問にお答えさせていただきます。

使用料及び手数料や諸収入などの歳入につきましては、これまで過去の実績や今後の見込み等を分析するなど、実態に即した計上に努めているところでございます。
 しかしながら、平成23年度決算におきましては、結果として収入率の低かったものもございました。24年度予算において、既に見直しを図ったものもございますが、25年度予算の編成に当たりましては、委員のご懸念や本委員会での審議なども踏まえ、適正な歳入の計上に努めてまいります。」

早川太郎 質問

「ぜひともよろしくお願いしたいと思います。所管が目標を設定し、努力していくことは大事なことだと思いますが、適正な予算編成はそれよりもさらに重要なことだと思いますので、今後の予算特別委員会でも、その辺のところをしっかりチェックさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。次の質問に移ります。

 次に、重点施策の今後の展開について伺います。
 区は、歳出抑制に向けた取り組みの中で、計画されている施設整備事業についての整備時期や期間など、投資的事業の見直しの検討を行い、来年度予算の歳出抑制に充てようとしています。しかし、厳しい財政状況が続くことが想定され、予防的な取り組みが必要な時期であったとしても、積極的に取り組むべき事業もあるはずです。
 昨年の原発事故により、区は全庁的に節電を推進してまいりました。消灯や開館時間の短縮、室温の設定温度など、主にソフト面での運用による節電効果は、23年度で2,700万円。しかし、今後、電気料金の上昇が見込まれる中、ハード面での省エネ・再生可能エネルギー機器の積極的な導入が必要であると考えます。
 委員会質疑の中でも、省電力型街路灯整備事業については、約3分の1が実施済みであり、全てが実施されれば、当初見込みで36%の削減、電気料金が上がった場合でも22%の削減が可能と試算されているとの答弁がありました。区有施設全体での電気料金は6億2,000万円であり、今後料金が上昇していくことを考えると、一刻も早く整備すべきと考えます。
 さらに、省エネ機器だけではなく、太陽光及び蓄電池を設置することは、不安定な電力供給にも備えることができ、災害時の補助電力にも使用でき、学校施設等においては、環境学習の効果もあります。
 現在、区有施設において、実用的な再生可能エネルギー機器を設置している施設は3施設にとどまっています。投資的経費の見直しが検討される中にあっても、この部分においては、震災対策にも、またランニングコストの削減にも役立つため、投資を控えるのではなく、今こそまさに推進すべきであると考えます。
 そこで、1点伺います。
 学校を含む区有施設への省エネ・再生可能エネルギー機器の積極的な導入に向けて、予算措置と対策を充実させていただきたいと考えますが、区長のご所見を伺います。

 また、区民意識が高く、施策への達成効果が高い事業も推進すべきです。3.11以降、震災対策や節電に対する区民の関心が高まっていることは、耐震化の件数、再生可能エネルギー助成の実績が飛躍的に増加していることからも明らかです。
 台東区の震災対策で最も重要なことは、火災の発生を抑え、拡大させないことに尽きます。倒壊家屋による火災の発生、拡大を防ぐため、避難施設での生活者を一人でも減らすため、住宅の耐震化を積極的に進めていかなければなりません。また、待ったなしの節電対策や地球温暖化対策実現に向けて、民間における再生可能エネルギーの普及啓発も充実すべきです。
 こういった施策は、行政が幾ら積極的に推進しようとしても、区民の意識が低いときにはなかなか成果が上がりません。区民の意識が高い今こそ、十分な予算を計上し、推進していく体制を整えていくべきです
 今後の重点施策については、決算特別委員会での審議も踏まえ、新たな行政計画としてお示ししたいと区長は一般質問の答弁で述べられていました。まさに決算での審議で明らかになった、省エネ・再生可能エネルギーの活用や耐震化については、新たな行政計画策定の中で、より一層の予算措置と対策を示していただきたいと考えます。災害時の被害を最小限にとどめるためにも、耐震化を積極的に進めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「お答えさせていただきます。まず、省エネルギーや再生可能エネルギーの活用についてでございます。
 本区では、環境配慮の視点から、温室効果ガス削減に向け、台東区地球温暖化対策推進実行計画を定め、施設の新設や改修時において、省エネ機器や太陽光発電の設置など、再生可能エネルギー設備の導入を進めております。浅草文化観光センターの改築や区役所本庁舎の改修においては、LEDや省エネ型の照明を導入するとともに、太陽光発電を設置するなど、環境負荷の低減を図っているところでございます。
 今後も環境に配慮した設備を導入するため、費用対効果や施設の条件に合った設置方法を検証しながら、学校も含め、区有施設への省エネ設備や太陽光発電の設置を進めるとともに、区民の皆様への普及啓発の契機と捉え、導入後は積極的なPRに努めてまいります。

 次に、建築物の耐震化の推進についてでございます。
 私は災害予防対策として、建築物の耐震化は重要であると認識いたしており、耐震改修促進計画に基づき、行政計画等にその取り組みを位置づけ、さまざまな支援策を実施しながら、耐震化の促進を図っているところでございます。
 今後、取り組みの強化を図るため、マンションや戸建て住宅への戸別訪問を初め、地域の防災活動などのさまざまな機会を捉えて、周知活動を行い、耐震化の実施を促し、安全で安心なまちづくりの実現を図ってまいります。」

早川太郎 質問

「省エネ・再生可能エネルギーの導入促進や耐震化などは、今まさに行う事業だと思いますので、新たな行政計画の中でも重点施策に取り上げていただいて、しっかり対応をしていただきたいと思います。
 また、先ほど区長のご答弁のあった学校施設でございますが、避難施設としても使われておりますので、その辺、太陽光及び蓄電池の積極的導入をお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 最後に、指定管理者制度における現況の矛盾点と今後のあり方について、区長の所見を伺います。
 指定管理者制度は、原則公募により、民間の知恵や工夫の活用を図ることにより、区民サービスの向上を目指すことを目的として、平成15年に制定されました。この制度により、地方公共団体やその外郭団体に限定していた区有施設の施設管理運営を、指定管理者として民間事業者にも開放することが可能になりました。一部の施設では、民間参入が促進され、サービスの向上、コストの削減等が達成されており、指定管理者制度導入の効果は、一定の評価に値すると考えています。
 この制度変更を受け、台東区は56施設で指定管理者制度を採用しています。そのうち、外郭団体に委託している施設が36施設であり、その全てが非公募です。本来は、行政の責任として区が直轄で行うべき事業を、コスト等の課題により区の補完的存在である外郭団体に委託することは、メリットの多い場合もあります。しかし、公募が原則の指定管理者制度において、非公募での選定が7割を占めている現状では、台東区でこの制度の運用が適正になされているとは思えません。
 それによるデメリットも顕在化してきました。例えば、特別養護老人ホームなどを非公募で受託している社会福祉事業団を例にとれば、指定管理者制度導入により、民間との経営効率を過分に意識せざるを得なくなりました。その結果、民間施設と同様な経営感覚にとらわれ過ぎ、外郭団体としての本来的な意味、区の補完的な事業を遂行するための、つまりは、民間ではコスト的にも手に負えないといった、セーフティーネットとしての役割を維持するための体制が崩れようとしています。
 今定例会に報告された同事業団の経営改善計画を見ても、それは明らかです。区が外郭団体に期待する役割が、制度の活用によっていびつにゆがみ始めている現況は、看過できない重大な問題点であると考えています。
 また、外郭団体である芸術文化財団は、同じく非公募で文化施設5施設を運営しています。これらは、区の文化政策としても、また寄贈者の意向としても、区やその外郭団体が施設の管理運営を担っていかなければならないことは理解しています。
 しかし、現在、この施設での多くの企画事業は、主に別の補助金として財団本部に支払われています。指定管理を行うなら、プロポーザル方式の活用などで、施設を有効活用するために、企画案なども指定管理者選定時の決定に大きな要素となるはずです。自主事業を各施設の指定管理の枠内で行わせないのなら、何のための指定管理かわかりません。せめて、それぞれの指定管理施設における企画は、自主事業として補助金を出すのではなく、指定管理の枠内で行わせるべきです。また、利用料金制も採用していません。
 そこで、まず1点伺います。
 芸術文化財団が指定管理者として運営する文化施設については、利用料金制に移行し、管理者のモチベーションをアップさせ、より有効な施設運営に当たらせるべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

 2点目です。
 今委員会では、指定管理事業には、指定管理の意義や非公募の理由、制度を活用していない区有施設の事業に対しては、区が直轄で行っている意義などを伺ってきましたが、区の指定管理に関する方向性が全く理解できませんでした。
 例えば、老人福祉センターは非公募で外郭団体が運営していますが、社会教育館は公募で民間が運営しています。民間になってよくなったとの答弁もありました。両事業は、高齢者と社会教育団体という対象者の違いはあれ、会館管理や教室など、行っている管理運営事業に大きな違いがあるとは思えません。
 また、寿家庭支援センターは民間に委託。同じ業務を行っている台東家庭支援センターは直轄で運営されています。民間で始めた当初は相談件数も少なかったようですが、今年度は件数もふえており、直轄とほぼ遜色なく運営されていると聞きます。
児童館に併設されているこどもクラブについては、他の場所で実施しているこどもクラブも含めて、全体として事業という位置づけで捉えているので、指定管理は行わないという答弁でした。しかし、より効率的、よりサービスの向上を目指して、併設している児童館と一元的に指定管理を導入しようとしている区があることはご存じだと思います。それによれば、本区の児童館併設のこどもクラブについて、一元的に指定管理することは可能なはずです。指定管理者制度を導入している区有施設の管理運営主体や公募、非公募、そして利用料金制の考え方について、区全休としての一貫性がないように感じられて仕方ありません。
 私個人としては、区有施設の管理運営については、どうしてもセーフティーネットとして必要な福祉施設や寄贈者との約束がある文化施設など、行政の責任として行う事業は直轄で行うべきであると考えます。しかし、指定管理で外郭団体に委託するというのであれば、行き過ぎたコスト意識は是正すべきです。それ以外の施設については、民間活力の導入による区民サービスの向上やコストの削減という、指定管理者制度の本来の目的にあわせて、民間事業者の参入を可能とする公募制を採用するべきではないでしょうか。
 指定管理者制度が導入されて9年が経過し、制度の長所と短所が明らかになってきております。施設の管理運営のあり方について、見直す時期に来ているのではないでしょうか。今後、区有施設の管理運営において、どのように指定管理者制度を活用していくのか。
 以上、2点について、区長の所見を伺います。

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。まず、文化施設における指定管理者制度についてでございます。

 文化施設につきましては、台東区芸術文化財団を指定管理者として、正月開館や夏季の開館時間の延長など、自主的に創意工夫を凝らしながら運営いたしております。また、各施設の特色や専門性を十分に発揮した企画展やコンサートなどの多彩な自主事業を実施しているところでございます。
 現在、さまざまな分野の芸術文化の普及啓発、振興を図る観点から、入館料やコンサートの入場料などを利用者にとって身近な料金に設定いたしております。また、芸術文化財団は、民間事業者とは異なり、外郭団体として区の行政目的を補完し高めていくという使命を持つことなどから、一定の制約がございますが、現在も経営的な視点を持って運営いたしております。委員ご提案の指定管理のあり方につきましては、今後、研究してまいります。

 次に、今後の指定管理者制度の活用についてでございます。
 これまで各施設における指定管理者制度の導入につきましては、多様な施設があることから、施設ごとに安定的で継続的な運営が実現できるかを検証し、各施設に適した運営主体を選定してきたところでございます。
 しかしながら、指定管理者制度を適用するに当たっては、公募によらない選定の考え方など、改めて整理することが必要になってきている部分もございます。そのため、今後も区有施設の管理運営を適切に進めていくため、現行の指定管理者制度運用指針の内容につきまして、必要な見直しを検討してまいります。」

早川太郎 

「今、区長ご答弁いただきまして、検討していただけるということなので、本当にありがたいと思います。区有施設の管理運営については、区民サービスに直結することなので、ぜひとももう1回指針をつくり直していただいて、どこの施設を指定管理にして、どこの施設を公募にして、どこの施設を非公募にすると、それぞれルールをしっかり決めてやっていただきたいと思います。
 あわせて、外郭団体のあり方についても、先ほど2つほど社会福祉事業団の問題であったりとか、指定管理の枠内ではありますが、芸術文化財団のお話もさせていただきました。こちらは2つとも区の100%管理団体でございますので、区として、今後、外郭団体をどうしていくかというのは、その辺のことも含めて、しっかり検討していただきたいと思います。

 初めての決算審議に当たっては、他会派の先輩議員の方からも、多分にご助言をいただきました。また、理事者の皆様にも基本的なことから教えていただき、何とかきょう、総括質問をさせていただいております。この場をかりて感謝の言葉を述べさせていただきます。
まだまだ勉強の足らない新人議員の未熟な質問かもしれませんが、区長におかれましては、区議会議員としての後輩政治家からの真摯な提案と受けとめていただき、ぜひとも前向きに受けとめていただけることをお願いして、私の総括質問とさせていただきます。
 なお、今の審議を踏まえて、今年度の決算に関しては、私としましては、認定とさせていただきます。ご清聴どうもありがとうございました。」

 

決算特別委員会

昨日は、決算特別委員会の総括質疑。
会派ごとに質問時間が決められており、区長・教育長との一問一答形式で。

答弁席

手前が区長答弁席で、奥が委員質問席

通常の委員会とは異なり、どちらかというと、本会議の一般質問のようで。
各委員から様々な論点での質問がなされていた。

来年度の予算編成に、決算の審議の内容を反映できるよう、第3回定例会で開催されることになった決算特別委員会ですが。

初日の説明会に始まり。
4日間の款項ごとの質疑、そして総括質問と。
合わせて6日間、すべて傍聴させていただきました。

今回の傍聴を通して、
各委員が、どういう事業に関心を持ち、どういう視点(スタンスかな)で物事を捉えているのか。
とても、勉強になりました。゛

今回の委員には、同期である新人議員の半数、5人がなってますが。
議員になる前の22年度の決算なので。
質疑を行うにしても、相当勉強が必要だったはずで・・・。
大変だったと思います。

来年は、頑張らないと。