予算特別委員会

予算総括質疑全文 (平成26年予算特別委員会)

早川太郎 質問

「たいとうフロンティア政調会長、早川太郎でございます。長時間の審議となっておりますが、私が予算特別委員会総括質問のトリでございますので、大きく4点伺わせていただきますが、区長、教育長におかれましては最後まで気を抜かず明快なご答弁をいただけることをお願いして、質問に入らせていただきます。

まず初めに、歳入の確保について伺います。

委員会審議の中で、歳入確保に向けての取り組みについて伺うと、収入率アップに向けての収入未済対策委員会と広告収入などのアップを図るための広告事業等推進会議などを立ち上げ、歳入確保に向けての全庁的な取り組みを行っているとの答弁をいただきました。これらの取り組みにより26年度一般会計予算案では新たな歳入の充実を図るものとして3事業、約1,600万円が計上されています。また、区民税の増収については口座振替勧奨など地道な収入未済対策の効果も出てきており、さらに行政経営推進プランの中にある国と補助金の有効活用についても耐震への国庫補助金について有効活用を行ったとの答弁もありました。

しかしながら、歳入確保に向けては、これら取り組みに加えて主要一般財源であり、区の収入の約16%を占める区民税の増収に向けての取り組みが必要だと考えます。区においても収入率のアップのほか、住環境整備による新たな世代の呼び込み、既存区民の税収アップのための観光、中小企業支援などなど、これまでも区民税増収につながる取り組みを進めてきていることとは認識しております。

しかし、区民税の増収対策には施策を実施してから効果が出てくるまでにはタイムラグが発生します。これら施策を満遍なくやっていくというよりも、例えばこの3年間はこの施策に力を入れようといった集中と選択も必要なのではないでしょうか。

答弁の中でも、現状の試算では消費税増税における地方交付税の増収分より住民税国税化への影響による特別交付金の減額や区が支払う消費税分のほうが大きくなるとの答弁もありました。より国税化への強化が強まれば、ますます区の財政に与える影響は大きくなります。君塚委員の質問でも財政状況は依然として厳しいので、今後とも規律ある財政運営を行ってほしいと求めておりますが、私も同感であります。

しかし、厳しい財政状況にあっても、今まさに必要なものには十分な予算措置をとっていかなくてはならないとも思っています。そのためにも歳入の確保に向けた検討をしっかりと行っていかなくてはならないのではないでしょうか。歳入確保に向けての取り組みを今後どのように進めていくのか、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁

「早川委員のご質問にお答えいたします。

区では基本構想に基づく長期総合計画、行政計画をより効率的、効果的に実施していくため、平成17年3月に行政経営の推進に向けた基本的な考え方と具体的な取り組みを示す行政経営推進プランを策定いたしました。その後、3度にわたるプランの改定等を行いながら社会情勢の変化による新たな行政需要や行財政制度の変更に適切に対応したさまざまな取り組みを実施してまいりました。26年度は長期総合計画の策定に合わせて本プランも改定いたします。改定に当たりましては新たな長期総合計画を円滑に実施していくため、歳入確保の観点も含め、取り組み項目を十分に検討し、行政経営の一層の推進を図ってまいります。また、特別区民税については、「にぎわい いきいき したまち台東」の実現に向けて住環境の整備や中小企業支援など、さまざまな施策を総合的に推進していくことでその増収を図ってまいります。」

早川太郎 質問

「歳入確保の観点も含めて取り組み項目を十分検討していただけるということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。本当に歳入確保、これから大事だと思いますので、ぜひ区長には頑張っていただきたいと思います。

次に、省エネ対策について伺います。

先ほど申し上げた、今まさに必要なものには十分な予算措置をとっていかなくてはならないと申し上げましたが、その必要なものの中には省エネ対策の推進が含まれていると私は考えています。先ほど小髙委員も原発について触れましたが、私は原発依存からの脱却を早期に実現するための体制を一刻も早く実現していかなくてならないと考えています。原発依存を脱却していくためには供給量をふやすための再生可能エネルギーの推進、ピーク時の需要量に対応するための蓄電技術の開発、そして需要量自体を抑えるための省エネ機器の推進が必要です。これら取り組みを国家として着実に推進していただきたいと切に願っております。この中で台東区としてできることは何か、それはできる限り電力使用量を減らしていく、再生可能エネルギーの活用をふやしていく取り組みを積極的に推進していくことだと思っています。省エネ対策については、髙森委員からの基本質問での答弁で、26年度において全庁的な省エネ対策を積極的に推進していくとの答弁もありましたので、委員会審議の中で確認させていただきました。

助成事業については、26年度から集合住宅へのLED助成や断熱効果の高いものへの助成など助成内容を充実、また我が社の省エネチャレンジなどもエコアドバイザーへの制度に25年度より変更するなど、省エネ推進に向けて努力していることは評価しています。しかし、予算措置としては25年度に比べ微増、もっと積極的な予算を計上していただけると思っておりましたし、所管が普及に向けて努力していただけると思っていたので、正直、物足りなさを感じます。

区有施設については、予算編成に向けて機器の新規購入、買いかえに当たってはエネルギー効率の高い製品を選択するよう、環境課長からの通達を行ったとの答弁がありました。本庁舎改修に関しては省エネ対策の目標値を決め、しっかり行っていることは評価しています。しかし、震災の影響による電力料金の値上がり前である23年度と比較すると、本庁舎などの対応を行っていても予算額で1億4,000万円も増額しています。区有施設で電力使用量の一番大きい街路灯では昨年の決算が、1年当たりの電気料がこれまでの街路灯1台、1万8,000円弱、省電力型の街路灯では9,000円強であるとの答弁もありました。

省電力型の電気料が半分になるにもかかわらず、省電力灯への取り組みは長期総合計画目標事業量、年660基に対して昨年同様320基分しか予算計上されていません。区有施設への省エネ機器推進のためにエコアドバイザーなどの活用による費用対効果についての試算を伺うことを提案した昨年の決算特別委員会総括質問では、費用対効果の試算については26年度に予定している実行計画の改定の中で調査・積算し、その結果を踏まえ、対応していくとの答弁もいただいております。早期に試算を行い、省エネ推進を区民に奨励している台東区としてしっかりとした対応をお願いしたいと思います。省エネ推進を長期総合計画において最重要課題と位置づけ、省エネ施策推進に向けた取り組みをさらに充実させていくべきと考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁

「ご質問にお答えいたします。

私は、省エネルギー対策は持続可能な地域社会の実現を図る施策であり、光熱水費の抑制においても重要なものと認識いたしております。区では省エネ対策を推進するため、施設の新設や改修時において長期的な費用対効果を見据えて省エネ設備、機器の導入を進めております。さらに平成26年度においては、省エネ設備の先行導入による費用対効果の試算を実施いたします。また、区民、事業者向けの助成制度につきましても、より効果の高いものに対象を広げるなど、さまざまな工夫を凝らしているところでございます。今後もこれらの取り組みを推進するため、長期総合計画の立案に際しましては省エネ対策を最重要課題の一つとして位置づけてまいります。」

早川太郎 質問

「区長から最重要課題の一つとして位置づけてやっていただけるということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

3点目は、学校教育について伺います。

委員会冒頭の基本質問において台東区の教育の強みを伺わせていただき、歴史や文化施設などに恵まれているということが、他の自治体には得がたい強みであるとの答弁をいただきました。歴史や文化施設などに恵まれているからこそかもしれませんが、台東区は上野・浅草などを擁する日本でも有数の国際観光都市として多くの外国の方が訪れてくれているという特色があります。オリンピック・パラリンピックを控え、一層の外国人観光客の方々がふえてきていただけると思いますし、また、ふえていただけるよう努力していかなくてはなりません。国際観光都市として英語教育を本区の柱の一つとし、学校教育の強みとすべく一層充実していくべきと考えます。

その一つの手段として、我が会派の河野議員から一般質問でも英語検定の無料化を提案させていただきました。学校教育ビジョンにも国際理解教育の推進としてインターネットを活用した海外との交流や外国人観光客との交流を進めるとあります。現在、一部の学校で行っている外国人観光客とのインタビュー活動はもっと推進すべきと思いますし、姉妹都市であるマンリー市の学校とスカイプなどを利用し、交流することなども委員会で提案させていただきました。英語を話せるようになるには、コミュニケーションをとりたい、役に立ちたいというような目的がなければ身につかないと思うとの答弁もいただきました。であるならば、これらの事業は早期に実現できるよう検討すべきではないでしょうか。

さらに学校教育ビジョンには新たな価値を創造して指導できる人材の養成として高校や大学等と連携し、芸術などで専門的な議論を重ねる機会を設け、世界を飛躍する人材の育成を図るとあります。区内にある東京藝術大学や上野学園との連携はまさにうってつけです。もっと推進すべきものと考えます。これらは台東区の学校教育の強みになり得るのではないでしょうか。早期実現に向けてしっかりと検討すべきと考えますが、教育長のご所見を伺います。

また、教育長のご答弁の中には、歴史や文化施設などに恵まれているという強みを生かして学びのキャンパスプランニングを行っているとの答弁もいただきました。25年度から開始したこの事業では、区内の文化芸術施設等と連携し、教育プランを企画、各学校にあったプランを複数選択して実施しています。26年度からは区内の企業や助産師会等との連携をふやしていくとの答弁もいただきました。都立美術館の休館日に鑑賞授業を行い、学芸員と子どもたちが直接対話して作品の見方や考え方を広げるなど、とてもすばらしい事業だと思います。

また、ICT教育においても子どもの学習態度にかかわる課題や教育コンテンツが充実していくことなどの進捗状況を見据え、しっかりと推進するよう段階的に行っているなど、答弁を聞いて子どもたちが着実にICT教育の成果を享受できるよう考慮された取り組みを行っていることが理解できました。これらの取り組みについては、十二分に起こり得るものであると思います。であるならば、その強みを台東区の学校教育のブランド力向上に役立てるべきではないでしょうか。子育て世帯を呼び込むためには教育も重要な要素となり得ます。バランスのよい人口構成を目指していくためにも、子育て世代が台東区に住みたい、今後も住み続けたいと思えるよう学校教育で行っている事業についても、しっかりとした広報戦略に基づき、情報発信をしていくべきと考えますが、教育長のご所見を伺います。」

教育長 答弁

「ご質問にお答えをさせていただきます。

台東区は全国に誇れる伝統、歴史、芸術に恵まれ、子どもたちにとってまさに地域そのものが学びを育む場となっております。学びのキャンパスプランニング事業も、台東区にしかできない活動を多彩に展開してまいりました。委員ご指摘のとおり、国際観光都市である本区といたしましては、6年後に開かれる東京オリンピック・パラリンピックを見据え、外国人との交流がますます求められてくるなど、子どもたちに対して異文化への理解と日本人としての誇りを持つ、国際理解教育を推進していくことが重要であると認識しております。また、区内にある大学や博物館など、地域の資源を活用したさまざまな教育活動はふだん学ぶことのできない発見や感動を得ることができ、興味、関心をさらに広げたり、高い質を求めるようになったりする子どもたちの姿も見られるようになりました。こうした地の利を生かした教育が存分に展開できるところにこそ、他に類を見ない本区の強みであると考えております。

次に、ブランド力向上についてでございます。

こうした本区の特色ある教育活動のよさを知っていただくことが、本区の魅力の向上に役立つ重要な要素になるものと認識しております。教育委員会といたしましては、これまで教育施策PR誌「台東まなびタイムズ大輪」などを通して教育施策に関する情報を随時発信してまいりました。今後も区長部局と連携し、公式ホームページやCATVなどはもとよりメディアのさらなる活用を図り、本区の特色ある教育活動について積極的に情報発信してまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。」

早川太郎 質問

「教育長、ご答弁ありがとうございました。本当に広報戦略、これから大事になってくると思いますし、区長部局と連携としてということでございますので、区長部局のほうとしてもその辺しっかり対応をとっていただければと思います。

最後に、行政計画について伺います。

今回、予算案が示されている26年度は長期総合計画並びに行政計画の最終年度に当たり、両計画の目標事業量達成に向けて重点的、優先的に財源措置を行っているといろいろな機会に述べられています。特に実施計画である行政計画については、これまで以上に創意工夫を凝らして取り組んでいく必要があり、各部長のリーダーシップのもと、事業の重点化を図るよう指示したとの答弁を基本質問時にいただきましたので、その区長の思いが十分予算に生かされているのか、委員会審議を通して検証させていただきました。

行政計画は目標事業量達成率が限りなく100%に近づくよう予算編成を行うべきものと基本質問において述べさせていただきましたが、助成事業などでは幾ら行政が達成に向けての大胆な施策展開を行っても、結果として100%の達成が難しいことは理解しています。予算上の見込み達成率は約9割ということでしたので、達成見込みが立てなかった1割の事業についてはいろいろと伺わせていただきました。

例えば、建築物の耐震化推進に向けての取り組みでは助成件数が伸び悩んだことを受け、これまで行ってきた簡易耐震の無料化をやめ、本診断無料化を開始し、対象家屋に対して個別PRを行っていくなど、推進に向け、制度の変更を26年度から開始します。また、助成件数が伸び悩んでいた都市防災不燃化促進事業も年4回の説明会を実施するなど、目標事業量達成には及ばないもののしっかりと達成に向けての対策は講じられておりました。さわやかトイレではオリンピック・パラリンピックの決定を受け、改修計画を見直すことにより事業自体を延期、病後児保育も子ども・子育て支援新制度に組み込まれている事業であることから、制度確定まで延期したとの答弁がありました。これら事業の延期については、計画策定後に新たに起こった要因によっての延期であり、十分理解し得るものだと考えています。

しかし、委員会審議に取り上げなかった未達成事業を含めれば、達成に向けての課題は理解していても、最終年度である26年度で改善策実現に向けての対策を講じていないものがなかったわけではありません。本来、実施計画である3年スパンの行政計画では1年やってみて2年目で改善策を検討、3年目の最終年度で改善策を実施というのが本来ではないでしょうか。今回の行政計画は10年計画である長期総合計画に最終年度を合わせたがために実質2年計画となってしまっているので、なかなか難しいところはあったかもしれません。

また、がん対策のように国の目標数値を意識してのことだと思いますが、3年スパンの計画としては実現の可能性が限りなく低い目標事業量を掲げている事業もあります。目標事業量を適正に設定するよう検討が必要です。長期総合計画については、計画策定に向けた考え方が報告されており、計画事業名、計画事業量の表記は行わないものとするとの変更が予定されています。長期総合計画の考え方が現状のものから変更されるのであれば当然、行政計画の役割も変わってくることになります。行政計画の意義を所管が再認識するためにも改めて行政計画の役割について示すべきと考えます。目標事業量の適正な設定を含めた次期行政計画策定に向けての考え方について、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁

「ご質問にお答えいたします。

行政計画は長期総合計画の理念や目標の具体化を図り、基本構想に掲げる将来像の実現を目指すための実施計画であります。計画の策定に当たりましては、区民生活や区政を取り巻く状況を的確に把握し、時代の変化に対応した施策展開を図る必要があると認識いたしております。新たな長期総合計画においては各施策における取り組みの方向性までを定め、計画事業量につきましては、行政計画において設定することとしております。したがいまして、適切な事業量を設定していくことはこれまで以上に重要になると考えております。計画事業を着実に実施していくため、事務事業評価などを活用するとともにその進捗管理方法についても工夫をしてまいります。」

早川太郎

「本当に長期総合計画が目標事業量なくなりますので、その分しっかりとした行政計画のほうでお願いいたしたいと思っておりますし、実施計画でございますので、なるべくその実現に向けて頑張っていただきたいと思っております。

我が会派に対する答弁や反対を表明した会派への答弁も含めてしっかりと伺わせていただきました。26年度予算案については、適正であるという結論に私は達しております。たいとうフロンティアとしては、予算案に賛成したいと思います。我が会派を含め、賛成を表明した会派からの予算に対する賛成という結論への重みを各所管の方々は十分胸に刻んでいただき、よりよい台東区実現のため、しっかりと事業の執行を行っていただきたいと強く要望し、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

予算基本質問全文 (平成26年予算特別委員会)

早川太郎 質問

「たいとうフロンティア、政調会長の早川太郎でございます。

予算特別委員会の審議を行うに当たり、会派を代表して大きく4点伺わせていただきます。

まず初めに、予算編成について伺います。

区は、平成24年に、厳しい財政運営が続くことを想定し、25年度から3年間で78億円の財源確保を目標とした、将来を見据えた行財政基盤の強化に向けた取り組みを行っていくことを決定しました。

25年度の予算編成では、一般財源割当方式を採用し、歳出抑制の取り組みとして事業実施の緊急性、区民生活への影響、行政関与の必要性、予算の執行率などの観点から、全ての事務事業を対象に検証を行い、見直しを実施。25年度当初予算は、対前年比マイナス4.3%とし、あわせて歳入確保の充実も図る取り組みを実施しました。

さらに、景気の緩やかな回復や消費税増税前の駆け込み需要などを反映した税収アップの追い風もあり、26年度当初予算案で目標数値を超える96億円の財源確保を見込むことが可能となりました。

しかし、代表質問での区長答弁にもあるとおり、区財政の先行きはいまだ楽観できる状況ではありません。なぜならば、歳入においては、消費税率の引き上げによる景気の先行きや、法人住民税の国税化による特別区交付金への影響など、また、歳出では、区有施設の老朽化対策、子ども・子育て支援新制度への対応や、高齢者対策など、多大な増額懸念もあるためです。

26年度の予算編成の基本的な考え方の中にも、行財政基盤の強化に向けた取り組みを実施すると述べられています。26年度予算はどのような方式を活用し編成を行ったのか、まずはお答えください。」

区長 答弁

「早川委員のご質問にお答えさせていただきます。

平成26年度予算編成に向けては、景気回復による特別区税と特別区交付金の増収が期待される一方で、社会保障関係経費を初めとする財政需要の増加や、消費税率の引き上げなどの税制改正への対応が大きな課題でありました。

25年度に実施いたしました一般財源割当方式は、各部に一層の創意工夫を発揮させることや、本区の財政状況について職員の意識の共有化を図るなどの点において有効であったと考えております。

26年度予算の編成に当たりましては、前年度の成果やその後の社会経済情勢の変化等を踏まえ、既定事業については、人件費や扶助費などを除いて、前年度の予算額の範囲内での要求とするシーリング方式を採用いたしました。

一方、保育環境や健康づくり施策の充実、災害対策の強化などについては、重点的な財源配分を行ったところでございます。」

早川太郎 質問

「目標数値の78億円は、あくまで27年度の予算編成を行う上で本当にぎりぎりの目標だったと思いますので、28年度以降財政をしっかりやっていくためには、さらに今後さまざまな財政需要とかもありますし、まだまだ厳しい財政運営を続けていかなくてはならないのではないかと。取り組み実施の2年目で、一般財源割り当て方式ではなくて、ゼロシーリングだと思いますが、予算の範囲内で行ったことに関しては、私も適正であったと思っております。しかし、厳しい財政需要にあっても、やはり行政の守備範囲を明確化した上で、今まさに必要なものとか、そういったものには十分な予算措置が行わなければならないと思っています。

今、区長も、保育や災害等、必要な事業には重点的に予算配分を行ったとおっしゃっておられましたので、その辺も含めて予算審議の中で確認させていただきたいと思っております。

次に、長期総合計画について伺います。

来年度は、吉住区長が就任時に策定した長期総合計画の最終年度となります。長期総合計画については、各分野における目標の達成に向け重点的な予算配分をしたと今定例会の所信表明演説の中でも述べられておられました。長期総合計画の目標については、施策として達成し、最終的に区民の幸せの向上につながったかどうかが重要であって、必ずしも計画事業の目標事業量を達成すればいいというものではないことは存じています。しかし、計画事業の目標事業量を達成することは、施策目標の達成に近づくことになるとは思っております。

さきの企画総務委員会において、長期総合計画の計画事業の達成率が82%、施策の指標達成率が一部達成までを含めれば85%という結果が報告されました。2度の改定が行われたとはいえ、10年間の総決算とも言える評価である達成率が8割を超えたということに対して、区長はどのように受けとめているのか、お聞かせください。」

区長 答弁

「お答えさせていただきます。

計画事業量を達成することで、施策目標に近づくという委員のご意見には、私も同感でございます。私は、平成17年に長期総合計画を策定し、この計画に基づいて、子育て支援や教育、健康・福祉等の区民生活に密着した施策を初め、環境や産業、都市基盤整備などの幅広い分野の施策を総合的に推進してまいりました。

同時に、行政経営推進プランに基づき、健全な財政運営に努めるとともに、それぞれの施策や事業を効果的・効率的に実施してまいりました。計画事業量や施策指標の達成率が8割を超える見込みとなったことにつきましては、これまでの取り組みが一定の成果を上げたものと認識いたしており、基本構想に掲げる将来像の実現に向けて、着実に前進していると考えております。また、未達成の課題につきましては、さらに努力してまいります。」

早川太郎 質問

「本当にリーマンショック以降の厳しい経済状況の中、健全財政に努めてきた上での10年という割と長目のスパンの長期計画の達成率が8割を超えているということは、私も評価すべきだとは思っています。でも、実施計画であり行政計画はどうかということなので、次に長期総合計画と同様、来年度最終年度を迎える行政計画について伺わせていただきます。

3年スパンの実施計画である行政計画は、長期総合計画以上に目標事業量の達成が重要視されるものと思います。しかも、今回の行政計画は、行財政基盤の強化に向けた取り組みの実施により、最終年度が同じであるはずの長期総合計画の目標事業量から計画目標事業量を1年前に削減したものでもあります。25年度の予算も、その削減された行政計画事業量に基づいて予算編成が行われたものでした。

台東区予算案の概要には、26年度予算は行政計画の最終年度に当たることから、計画事業の優先的な財源措置を行いましたとの記述もあり、行政計画経費は193事業で125億4,000万円、前年に比べて約11億円の増額となっています。

しかし、(仮称)谷中防災・コミュニティ施設の改修費など多額な上乗せを行った事業もあり、消費税の増額分や単純な実績増を考えれば、その他多くの行政計画事業に対する予算総額は、最終年度に向けた財源措置としての規模が適正だったのかとの懸念もあります。

実施計画である行政計画は、目標事業量が適正なものであったならば、目標事業量達成率が限りなく100%に近づくよう予算編成を行うべきものだと思っています。25年度までに計画目標事業と実際の事業量に開きがあった事業を26年度で達成まで持っていこうとするには、例えば制度の変更や多額な予算の上乗せ、思い切ったインセンティブを与えることなど、大胆な施策展開が必要であったと考えます。目標達成に向けて、どのような思いを所管に伝え、本予算を編成するに至ったのか、区長の思いをお聞かせください。」

区長 答弁

「お答えさせていただきます。

平成26年度は行政計画の最終年度にも当たることから、予算編成に当たり、私は目標達成に必要な事業に、これまで以上に創意工夫を凝らして取り組んでいく必要があること、また、「にぎわい いきいき したまち台東」の実現を確固とするため、各部長の強力なリーダーシップのもと事業の重点化を図るよう指示いたしました。

予算編成に当たりましては、計画目標の達成に向けた各部からの提案をもとに、計画の事業量を踏まえるとともに、事務事業評価や比較評価の結果、今年度の事業の執行状況なども勘案いたしております。

一方、状況の変化への対応が必要な事業には、計画事業量を超えた予算措置を行うなど、柔軟な予算編成を行ったところでございます。」

早川太郎 質問

「今のご答弁でもありましたが、これまで以上に創意工夫を凝らして取り組んでいくとか、各部長のリーダーシップのもと事業の重点化を図るよう指示したとのご答弁がございましたので、今後の審議の中で、達成に向けてどう予算編成されたのか確認させていただきたいと思います。

次に、子育て施策について伺います。

昨年の決算特別委員会総括質疑において、我が会派の木下委員より、台東区に住んでいただき特別区民税を納めていただけるまちづくりについての質問に対する答弁として、区長より将来にわたって本区が活力を持続し、一層発展していくためには、定住人口の増加に加え、年齢層や世帯構成などバランスのよい人口構成を目指していくことが基本であるとの答弁をいただきました。

今定例会の産業建設委員会の中で、住宅マスタープランの基礎調査結果が報告されていますが、我が台東区は、高齢者人口比率は都心8区で最も高く、年少者人口比率は9.2%と、都心区平均9.8%を下回っています。バランスのよい人口構成を目指していくためにも、子育て世帯が台東区に住みたい、今後も住み続けたいと思えるように、さらなる努力を行っていかなくてはなりません。

台東区で子育てしたいと思ってもらえるよう、住環境の整備や子育て施策の充実などさまざまな施策展開があると思いますが、子育てするなら台東区を掲げる吉住区長は、区長3期目の最終年度である26年度において、子育て施策充実に向けどのような思いで予算編成を行ったのか、お聞かせください。

さらに、子育て世帯を呼び込むためには、教育も重要な要素となり得ます。就学前、教育・保育に力を入れることも重要ですが、小学校入学時に定住する地域を決める人も多いと思われます。そのためには、学校教育のブランド力向上への取り組みが必要なのではないでしょうか。台東区としての教育の強みをしっかりと認識し、その強みを誰にでもわかりやすい形で事業化していくことが必要です。

例えば、荒川区では、ICT教育を推進すべく、タブレットの全員配布を決定したとも聞いています。この事業をほかに先駆けて打ち出すことで、ICT教育は荒川区というイメージが備わったのではないでしょうか。会派で視察にうかがった大阪府箕面市では、教育委員会の委員を公募で募集し、より身近な教育を行うということを明確化しています。台東区でも、吉住区長が就任後行った小・中学生の医療費無料化は、子育てするなら台東区を誰にでもわかりやすい形で事業化したことで、台東区のブランド力向上につながったと思っています。

就任されて1年が経過しましたが、和田教育長としては、台東区の学校教育の強みをどう認識し、26年度予算ではその強みを強化するための事業をどう進めていこうとしているのか、お聞かせください。」

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。

私は、区長就任以来、「子育てするなら台東区」を掲げ、子どもたちの笑顔にあふれ、にぎわいと活力のまち・たいとうを実現するという強い思いを持って、これまでもさまざまな子育て支援施策に取り組んでまいりました。

平成26年度は、特に高まる保育需要に迅速に対応するため、たいとうこども園や認証保育所の開設、定員100人程度の認可保育所や小規模保育所の誘致など、待機児童の解消に向け積極的に取り組んでまいります。

また、予防接種のスケジュール情報を提供するサービスや、就学前の児童を対象としたスポーツ教室の実施など、子どもの健やかな心と体を育む取り組みを実施してまいります。

現在、さらなる取り組みを進めていくため、子ども・子育て支援新制度を含む、区の新たな次世代育成支援計画を策定しているところでございます。今後も、全ての子どもと子育て家庭をまち全体で支えていくため、子育て支援を着実に進めてまいります。

その他の質問については、教育長がお答えいたします。」

教育長 答弁

「学校教育についてのご質問にお答えをさせていただきます。

教育委員会は、時代を超えても変わらない価値のあるものとして積み重ねてきた教育の成果を活かし、粛々と取り組みを続けてまいりました。その一方で、時代の変化とともにあらわれる新たな課題には迅速に対応して、最善を尽くしているところでございます。

台東区学校教育ビジョンの基本理念では、区全体を学びのキャンパスとし、地域と連携した教育活動を行うことを掲げております。本区には、歴史や伝統文化施設等に恵まれているという他の自治体には得がたい強みがございます。

本年度開始した学びのキャンパスプランニング事業では、区内にある国立博物館や西洋美術館等において子どもたちが本物の美術品や展示品に触れることや、伝統芸能の落語や邦楽を体験する授業等を行ってまいりました。26年度は連携先をさらに拡大し、豊かな体験を可能とするプランをふやし、本区の強みを生かした教育活動を推進してまいります。

また、子どもたちを取り巻く情報化社会の急速な進展に対応するために、新たにデジタル教科書と授業用パソコンを導入し、インターネットを含めたICT教育環境の充実を図ります。このことにより、これまで以上に児童・生徒が学習への興味関心を高め、活発な意見交換をしたり、学んだことを発表したりすることによって、質の高い学びを実現してまいります。

今日の教育保育の課題は、ますます複雑化、多様化しております。今後も区長部局との意思疎通と連携を十分に図り、本区教育行政の推進に努めてまいります。」

早川太郎

「区長、教育長の思いを伺わせていただきましたので、これからの委員会でしっかりと確認させていただいて、総括質問につなげさせていただきたいと思います。

予算案に込めた区長の思いや課題点、今後の財政運営における区長の基本スタンスなど、さきに行われた代表質問にてご答弁いただいておりますので、もう少しだけ具体的なお話を伺わせていただきました。基本質問としてはどうかという質問もあったかもしれませんが、新人議員でもあり、初めての基本質問でもございますので、その点はご容赦いただき、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。」

予算総括質疑 (平成25年予算特別委員会)

早川太郎 質問

「無所属の会・台東、早川太郎でございます。4日間の予算審議を踏まえ、大きく4点について伺わせていただきます。

 初めに、長期総合計画と行政計画の関係について伺います。

 今回の予算案については、行財政基盤の強化をベースとした考え方に基づき、新たに改定された行政計画を踏まえ作成した旨の答弁がありました。審議の場において長期総合計画と行政計画の関係について尋ねると、区政運営において最高指針である基本構想が掲げる基本理念、基本目標を実現するための施策の方向、目標、手段を示すものが長期総合計画、そして、長期総合計画の計画目標の具体化を図るための計画が行政計画であるとの答弁をいただきました。
 これら計画の関係性から考えれば、計画目標の具体化を図る行政計画を踏まえ、予算作成を行うことは理解できます。しかし、今回新たに改定された行政計画では、最終年度が長期総合計画と同じになってしまっているにもかかわらず、計画における目標事業量が縮小されてしまった事業が2割以上にも上ります。
 委員会審議の場において理由を尋ねてみると、実績を勘案して現実的な計画事業量を設定したとの答弁がありました。財政状況の厳しい中、一見妥当性のある答弁のようにも聞こえますが、計画ですら目標としなくなったということは、結果として目標をかなえられなくなったのではなく、この段階でかなえる努力をやめたということではないのでしょうか。その中には、後ほど述べる建物の耐震化や省電力型街路灯整備など、災害対策、省エネ対策など、今こそまさに推進しなければならない事業が多く含まれています。3.11を受けて修正された長期総合計画策定時の思いが区政運営において薄れてしまったのではないかと思い、懸念しています。

 そこで、以下3点について伺います。

 まず1点目、長期総合計画に込められた区長の思いを今回の行政計画で変更せざるを得なかったということは、かなりの決断だと思います。区政運営におけるこの重大な決定はどのような仕組みで検討され、どのように決められたのでしょうか。

 2点目、上位計画である長期総合計画とその具体化を図る行政計画、目標事業量が異なってしまった事業について、26年度末における政策目標の整合性をどのように図るつもりなのでしょうか。

 3点目、長期総合計画の事業目標が1年たたずして行政計画で縮小されてしまう。進捗管理にも課題があったのではないかと思います。今後このようなことが起きないよう、次期長期総合計画立案時には、目標設定や進捗管理を含めて長期総合計画のあり方、立て方自体についても検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上3点について、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「早川委員のご質問にお答えさせていただきます。

 まず、行政計画についてでございます。今回の改定に当たりましては、地域防災計画の修正や待機児童対策など緊急の行政課題に対応するとともに、将来を見据えた行財政基盤の強化に向けた取り組みを踏まえた計画といたしました。
 各計画事業につきましては、各部からの提案に基づき、庁内ヒアリング、私へのプレゼンテーションを実施する中で、十分に施策の有効性、効率性、優先性を考慮し、財政的観点からの検討も行った上で素案を決定いたしました。その後、所管委員会における審議を踏まえ、最終案を決定したものでございます。

 次に、長期総合計画と行政計画との整合性についてでございます。
 改定後の行政計画事業につきましては、目標設定のあり方等を考慮しつつ、できる限り実績を勘案した事業量といたしました。そのため、長期総合計画の事業量と異なる事業もございますが、必要な取り組みにつきましては、計画期間が終了する平成26年度以降においても着実な推進を図る必要があるものと考えております。

 次に、次期の長期総合計画についてでございます。
 長期総合計画につきましては、計画期間や目標設定の方法等について、各自治体でさまざまな工夫を凝らして策定しているところでございます。こうした状況も踏まえ、今後、策定方法や手段、長期総合計画自体のあり方等につきましても検討してまいります。」

早川太郎 質問

「今、長期総合計画と行政計画の整合性、ご答弁いただきましたが、長期総合計画の目標を諦めたわけではなくて、今後も頑張っていきたいという意味だと思っています。検証する意味でも、これから具体的な施策、耐震化、省エネ施策について伺ってまいります。

 まず、耐震化の推進について伺います。
 今定例会の所信表明において、区長は災害対策の強化、子育て支援、健康づくりの3つの政策を特に取り上げ、着実に推進してまいりますと力強く述べていました。確かに、災害対策として地域防災計画の策定やD級可搬ポンプの配備、東日本大震災の経験を生かした女性用テント、ソーラー電源装置など避難所における備蓄品の充実、緊急医療救護所の設定など課題が山積の中、できることから確実に整備を進めることに対しては一定の評価をしております。
 しかし、台東区の災害対策の最重要課題である建築物の耐震化、さきにも触れさせていただきましたが、新たに改定された行政計画では、進捗実績が低いということを理由に、3.11を踏まえて修正された長期総合計画の目標数値に届かないばかりではなく、昨年12月に報告された行政計画の素案からも、わずか2カ月余りで目標が引き下げられてしまいました。
 避難所訓練での講演や倒壊危険度の高い地域への積極的な働きかけなど、審議の中でも提案させていただきましたが、まだまだ推進していく方法があるにもかかわらず、耐震化については予算額、事業量ともに今回の予算案では縮小されています。火災を出さない、広げない、そのためにも、耐震化の推進は台東区の災害対策において欠くことのできない最重要課題であるはずです。耐震化の推進なしに災害対策の強化が可能だとは私には思えません。災害対策の強化を打ち出している以上、耐震化の推進は実績見合いで事業量を減らすのではなく、目標達成に向けて積極的に取り組んでいくべき施策だと考えます。
 新たに改定された行政計画の事業数を目標にするのではなく、耐震改修促進計画の目標並びに上位計画である長期総合計画の事業量を目指して積極的に耐震化に取り組むべきと考えますが、区長の所見を伺います。
 また、審議の場では、耐震化推進に向けてさらに積極的な周知活動を展開するとの答弁をいただきました。推進のための周知活動を確実に実施していただき、助成件数をぜひ伸ばしていただきたいと切に願っておりますが、その際、予算額を上回る申請があった場合は補正予算等の財源措置を行うつもりがあるのでしょうか、区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。

 耐震改修促進計画においては、平成27年度までに住宅の耐震化率を90%とすることなどを目標に定めており、耐震改修のほか、老朽建築物の建てかえなどによって、その実現に向け引き続き取り組んでまいります。そのため、耐震診断や耐震改修などの事業につきましては、このたび改定した行政計画に基づき、周知活動を強化し、着実に実行してまいります。また、予算額を上回る申請があった場合は、耐震化率の目標達成に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。」

早川太郎 質問

「耐震改修促進計画での住宅の耐震化率90%を目指し続けるというご答弁でございましたので、長期総合計画の目標も目指して、耐震化に力を入れ続けていただけるということだと理解しました。その分の予算措置も対応していただけるということでございますので。先日の防災指導者講習会において、耐震化のパンフレットを配布していただいたようですし、今後もしっかり対応していただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。

 次に、省エネルギー施策について伺います。
 省エネ施策について、今回の審議を通じて幾つか質問をさせていただきましたが、残念ながら推進に向けての積極性が感じられませんでした。例えば、先ほどから述べている長期総合計画の目標から縮小されたものの中には、商店街外灯のLED化や省電力型街路灯整備が含まれています。昨今の電力料金の値上がりにより、街路灯維持の経費が23年度1億730万円から25年度予算では2倍弱、1億円近くも増加していて、今後さらに上がってしまう可能性も考えられるでしょう。
 街路灯の省電力化が進めば20%以上の削減効果が実証されているにもかかわらず、省電力街路灯整備は事業量、予算額ともに縮小されてしまいました。省エネ機器の家庭や企業への導入についても、エコアドバイザーの活用など、助成の仕組みを変更したことについては評価していますが、予算案では軒並み減額されています。
 区有施設についても、忍岡中学校改修計画の中で学校への太陽光発電の整備を取り入れていただいたことは大変評価していますが、区有施設全体の電気料金が23年度対比で9,000万円も上がってしまったばかりでなく、電力供給の不安定は続いていて、今回以降も節電対策を余儀なくされる状態が懸念されているにもかかわらず、積極的に省エネ機器の整備を進めようという意識がこの予算書からは読み取ることができませんでした。
 都は低酸素、快適性、防災力を備えたスマートエネルギー都市を目指し、家庭や事務所におけるエネルギーマネジメントの促進を図るとして、前年4,000万円から103億円に膨大な額の増額を行い、蓄電池8,500台、ガスコージェネレーションシステム1万9,000台等の整備を推進しようとしています。
 基本質問の補正予算についての質問に対し、国や都の施策について情報の収集、分析を行い、補正予算の編成なども含め、迅速に対応してまいりますとの答弁もありました。省エネ施策についてはランニングコストの上昇懸念だけではなく、社会情勢にも区民のニーズにも適合しているという認識のもと、重点課題として積極的に展開していただけると期待しておりますが、今後の省エネルギー施策について区長の所見を伺います。」

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。

 省エネルギー施策を推進していくことは、環境にやさしい暮らしを次世代に引き継いでいく上で大変重要であると認識いたしております。
 そこで、平成25年度は新たに我が社の省エネチャレンジ事業を実施し、その事業所に合った、よりきめ細かな省エネの方法を提案いたします。また、太陽光発電システムの導入を検討している区民や事業者に対して、設置可能な容量や費用対効果のシミュレーション等を行うソーラー診断の実施により、環境負荷の低い再生可能エネルギーの普及を促進してまいります。さらに、区有施設のエネルギー情報を管理するシステムを導入し、施設ごとのきめ細かな状況の分析を行うとともに、省エネルギー設備の導入を図ってまいります。
 今後とも、省エネルギー施策を積極的に推進してまいります。」

早川太郎 質問

「ありがとうございました。
 今のご答弁でも、省エネ施策の推進は次世代に引き継いでいく上で大変重要なことと認識いただいているようですし、今後も積極的に推進してまいりますとの答弁をいただきました。耐震化や省エネ施策などはまさに今行うべき施策だと本当に思いますので、新たな行政計画の目標事業量にとらわれず、答弁をいただいたとおりしっかり対応していただきたいと強く要望して、次の質問に移ります。

 最後に、区有施設の保全・保持・適正化について伺います。
 区有施設の多くは昭和40年代から50年代に建てられています。審議の中で大規模改修の周期を伺うと、一般的には25年を過ぎたものには大規模改修が必要であり、1,000平方メートル以上の施設93に対して、築25年、あるいは大規模改修後25年を超えている施設で改修計画が立っていないものは約30施設あるとの答弁をいただきました。これ以外にも、24時間365日稼働している特別養護老人ホームなどはその基準より短い周期での改修が必要であり、今後10年間でも45を超える施設の大規模改修が必要になってくることでしょう。
 平成18年に定めた区有施設保全計画も、中間のまとめ以降、計画は作成されずに現在を迎えていて、施設の保全維持は厳しい財政状況の影響を受け、後回しにされている印象は拭えません。大規模改修時に必要な仮移転場所の確保も、逼迫する行政需要に対応するための暫定活用によって、確保することが難しくなっています。このままの状態でいいのでしょうか。
 制度変更や時代推移により、行政に求められる施設は変化していきます。限られた区有施設をより行政需要にあった有効的な施設へと展開していかざるを得ません。建てかえや大規模改修が必要な老朽化施設は、検討に際して現状の機能のまま建てかえ、改修を行うのではなく、当然複合施設にしたり廃止するなど、施設の統合、再編の検討が必要になってきます。
 例えば、少人数学級対応が迫られる学校や国の新制度により対象が小学6年生までとなるこどもクラブなど、放課後対策のあり方を含め、児童館を含む施設整備の検討が必要であり、さらに、社会教育館や老人福祉館、区民館など、活用内容が類似する施設については、再編、統合を視野に入れた整備計画も検討すべきと考えます。
 施設の保全・維持計画には、ファシリティマネジメント、つまりは財政負担の平準化を初め、長寿命化、適切な施設数、効率的な利活用といった経営的視点を踏まえた基本方針を策定するということが重要です。以前の行政推進プランでは、基本方針は24年度中に策定される予定でした。しかし、施設保全システムデータの整備、検証がおくれてしまったために今回改定された推進プランでは2年おくれてしまったとのことでしたが、26年度に基本方針を策定し、その後、基本計画の検討を行うようでは、次期長期総合計画には間に合いません。長期総合計画に乗せられなければ行政計画にも反映できず、結果、計画性のない改修が行われ続けることを懸念しています。
 過去の実績を見ると、大規模改修の費用は10億円を超えるものも多く、改修が必要な施設数を考えればその費用は膨大です。その多額な経費の把握なくして、財政フレームの構築もあり得ないのではないでしょうか。一刻も早くファシリティマネジメントにかかわる基本方針を作成すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 またその上で、中長期的なスパンでの施設改修量と財政負担について、関係課を集めたプロジェクトチームなどの体制をつくり、今後の各施設のあり方を含め検討を進め、次期長期総合計画に反映できるように保全システムを構築するとともに、26年度までに区有施設の保全計画を整備していく必要があると考えますが、区長のご所見を伺います。」

区長 答弁

「ご質問にお答えさせていただきます。

 区有施設につきましては、適切な維持、保全を図っているところでございますが、委員ご指摘のとおり、その多くは老朽化が進んでおり、今後、更新や維持管理等に要する経費の増大が見込まれております。
 そのため、今後の施設整備につきまして、ファシリティマネジメントの考え方を取り入れながら計画的に進めていく必要があり、まずは平成24年度中に施設保全システムを整備いたします。さらに、25年度にはシステムの検証を行うとともに、施設の基本的な情報につきまして現況の取りまとめを行い、施設情報の一元管理の徹底化を図ってまいります。その後、区有施設の維持・保全・適正化に関する基本方針を定めるとともに、中長期的な展望に立った保全計画につきましても早急に策定してまいります。」

早川太郎 

「区有施設の保全計画、施設の再編を含めて検討することは、なかなか難しい作業だと認識はしています。先ほど区長にご答弁いただいたとおり、保全システムを整えていくことも大事だと思っています。ただ、他区の事例を見ますと、基本方針そのものはそれほど違いもなく、早くできるものだと思っておりますので、まずは基本方針をつくっていただいて、施設の保全システムが改築した上で同時並行的に計画をつくっていただけるよう、一刻も早くできるようにお願いしたいと思います。
 この計画の整備なくして、財政フレームの構築も新たな行政需要に対するしっかりとした対応もなし得ることはできないと思っています。答弁以上に早急に整備していただきたいと強く要望します。
 区有施設において、目標をしっかりと計画化することは大変重要であり、進捗管理を含め、その計画を実現していくために区は最大限の努力をすべきだと考えます。時代によって変化する行政需要に対応していくためにも、近い将来しっかりと施設を整備していくためにも、行財政基盤の強化を進めていくことは大変重要だと思っています。

 次期長期総合計画についても作成段階において検討いただけるようですし、他の質問に対しても区長の答弁どおり、いや、答弁以上にしっかり対応していただけると信じて、今予算に対しては賛成させていただきます。ご清聴ありがとうございました。」