一般発問全文 (平成24年第4回定例会)

早川太郎 質問

「無所属の会・台東、早川太郎でございます。

 まずは、がん対策について伺います。
 台東区においては、平成23年度では574名の方が、がんで亡くなっており、死亡要因の第1位、30.4%を占めています。台東区では、健康増進法における国の指針どおりに、胃がんレントゲン、肺がんレントゲン、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの5つの検診を、対象者全員に自己負担なしで実施しています。
 検診受診率で見れば、無料クーポンや個別郵送等の方法が功を奏した子宮頸がんや乳がん、総合健康診査と同時受診が可能になった大腸がんは、ここ数年増加傾向にあり、都の平均受診率を上回っています。
 しかし、がんの発生部位の1位と2位である胃がん、肺がん検診においては、23年度検診受診率、冑がん1.9%、肺がん1.1%と、全国平均はおろか、都の平均受診率を大きく下回ったまま、横ばいを続けています。また、都の統計データによれば、75歳未満男性の調整死亡率では、胃がんが23区中第2位、肺がんは23区中第4位という現状です。検診受診率が低く、調整死亡率の高い台東区においては、がん対策は最重要課題であると考えます。
 がん対策では、早期発見、早期治療が重要であり、そのためには検診受診率と発見率を向上させなくてはなりません。検診受診率を上げるためには、コールリコールなど受診率向上の施策を実行することは当然ながら、区としてがん撲滅に力を入れているという確固たる姿勢を持たなくてはなりません。
 先日、保健福祉委員会で視察に伺った出雲市では、ガン撲滅条例を制定し、がん対策に力を注いでいます。条例では、検診受診率の向上や精度の高い検査の機会提供などを定め、がん拠点連携病院や医師会との連携により、さまざまな施策を行っています。
 例えば、国の指針以外の検査である前立腺がん検診や、国の指針以外の検査項目である、子宮頸がんのHPV併用、肺がんのヘリカルCT検査などを積極的に展開し、発見率の向上に努めていて、300人定員のモデル事業で行っている肺がんのヘリカルCT検診では、国の指針にあるレントゲン肺がん検診の平均発見率と比べて、事業を開始した22年度で13倍、23年度においても7倍と高率な結果が出ています。
 国の調査結果では、平成22年1月時点で1,790市区町村のうち、国が定めていない検診を実施している市区町村は1,238に上り、最も多い前立腺がんでは1,205市区町村が、肺がんのCT検査では1,500市区町村が実施しています。このように多くの市区町村が国で定められた以外の検診に積極的に取り組んでいます。
 台東区においても、例えば、より発見率が高いと言われている肺がんのCT検診を、人数を定め、一部自己負担で実施するというような形でモデル事業として行ってみてはいかがでしょうか。定員を設け自己負担をいただくことでコストも抑えることができ、受診者がより発見率の高い検査を選択できる機会を提供できることになります。
 前定例会の一般質問における子宮頸がん検診について、区長は、「国においてHPV検査の導入が決定した場合には、実施に向けた検討を行ってまいります」との答弁をなされていますが、余りにも消極的な姿勢だと思わざるを得ません。医学は日進月歩しており、遅々として進まない国の対策を待っているような姿勢はいかがなものでしょうか。
 台東区が属している二次医療圏内には、国内でも有数のがん拠点連携病院が多数あります。そういった有効な資源を使わない手はありません。区独自の考えを持ってがん検査のあり方について検討すべきです。少なくとも、国の導入が決定した場合に検討を行うのではなく、国で決定した場合にはすぐにでも実施できる体制を整えておくべきです。そのためにも、二次医療圏内の区や病院、医師会などとの連携を深め、がん検診の検査項目、検査内容の有効性や安全性、負担のあり方や実施年齢など、情報収集及び検討を進めていくべきと考えます。
 国の指示待ちではなく、より発見率の高い検査の機会提供などを含め、台東区でのがん検査についての検討を行うことにより、がん対策についての区の積極的な姿勢を示していくべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

 次に、初期消火体制の充実について伺います。
 台東区の震災対策で最も重要なことは、火災の発生を抑え、広げさせないことに尽きます。もしも、震災によって広範囲な火災が同時多発的に発生してしまったら、多くの方が命を失い、生活する場所が奪われてしまうことになるでしょう。区は、避難生活者を区民の約3分の1、5万774人と想定し、その人数の一日分の食糧備蓄を行っていますが、大規模火災が多発的に発生してしまったら、現在の備えでは対応し切れません。
 また、来街者の一時受け入れ施設も、年間4,000万人を超える台東区では、備えをし切れるかどうか疑問が残ります。区民の命を護るために、避難施設での生活者を一人でも減らすために、地震で倒れない家づくりのための耐震化の推進と、初期消火を徹底するための啓発や訓練が非常に重要です。
 防災訓練では、震災をきっかけに、自分たちの町は自分たちで守るという意識が向上してきていることを強く感じます。区民の方々が、自分たちの町を自分たちで守るという意識や行動をバックアップするためのツールを、行政は提供すべきです。
 都の地域防災計画にも、「スタンドパイプやD級可搬ポンプを活用した初期消火を実施する」とあります。各避難所へのD級可搬ポンプの装備や、ことしの総合防災訓練で目玉であったスタンドパイプの積極的な導入を早急に実施すべきと考えます。

 断水率が61%と想定されている台東区では、消火器は、区が設置している1,345本のほか、町会管理分5,066本と、非常に多く設置されています。また、深井戸や浅井戸、消火栓、防火水槽などの消火水利は、至るところに配置されています。しかし、震災時に消火用の資源がどこにあるのかしっかり認識しておかないと、いざというときこれらの資源は役に立ちません。これらの資源を活用し初期消火活動を推進するためには、消火用資源を全て記したマップを、随時更新できるようデジタルデータとして作成し、それぞれの地域のマップを避難施設ごとに配布すべきです。そのマップを防災訓練に活用することで、消火用資源がどこにあるのかをしっかりと認識することができ、震災時においても活用することが可能になります。区民が、自分たちの町を自分たちで守るという意識や行動をバックアップするためのツールを提供すべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 区民の命を守るための施策を、来年度予算ではしっかり確保していただけるよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。」

副区長 答弁

「早川議員のご質問にお答えいたします。

 ご質問の第1は、がん対策についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、がん対策は、本区における非常に重要な健康課題であると認識いたしております。そこで、新たな健康たいとう21推進計画においても、がん対策の充実を重点的取り組みとして掲げ、がんに関する正しい地域の普及啓発や、がん検診の受診率と質の向上を進めていくこととしております。
 現在、区が実施している胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの5つの検診は、専門家による研究、検討により、死亡率減少に有効であると確認されたものであり、検診が正しい方法で実施されることが重要でございます。今後、がん検診の実施につきましては、専門家や医療機関、医師会等の関係機関との連携を深め、早期発見、早期治療につながるがん検診の実施方法や検診の評価などについて検討を行ってまいります。

 ご質問の第2は、初期消火対策についてでございます。
 地震発生時における初期消火や延焼防止は、人的・物的被害を軽減させる上で極めて重要であると認識いたしております。区では、路上消火器の設置を初め、D級可搬ポンプやスタンドパイプの取り扱いを各種訓練で実施するなど、引き続き、初期消火対策の強化に努めてまいります。
 議員ご提案の消火器などの消火用資源の地図化は、有効な初期消火活動に資するとともに、区民の皆様の防災意識の向上につながるものと考えておりますので、関係機関と連携しながら進めてまいります。」

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