早川太郎 質問
「無所属の会・台東、早川太郎でございます。
まずは、高齢者の介護対策について伺います。
介護保険制度の改正は3年ごとに行われ、本年4月に第5期の改正が行われます。今回の制度改正のポイントは地域包括ケアの基盤強化、医療との連携強化などであり、これまで以上に在宅介護支援に力を入れた制度改正が行われようとしています。
区の推計資料によれば、要支援・要介護認定者数は23年度7,825人から26年度9,082人へと今後3年間で15%もの増加が見込まれています。認定者数の増加に伴い、施設介護希望者も当然増加していきます。入所施設である特別養護老人ホームについては、一昨年の「ほうらい」130床、昨年の「千束」29床を開設し、計7カ所452床の施設を整備いたしましたが、待機者は450人と、減少するどころかふえ続けています。将来、介護施設に入りたくても入れない方々が更に増え続けていくことが容易に想像できます。
特別養護老人ホームの更なる整備を推進していくことはもちろんではありますが、その間にも待機者はふえ続けていくことになるでしょう。希望者全員に施設での介護を受けてもらえるよう整備することは難しいと言わざるを得ません。であるならば、在宅で生活している方々にも地域包括ケアの考え方を基本に、施設と同等レベルの介護が受けられるような在宅サービスを充実していくべきと考えます。
区は、本年3月に第5期の台東区高齢者保健福祉計画・台東区介護保険事業計画の策定を予定しています。今回の計画策定では、ショートステイやデイサービスの充実、まちのバリアフリー化推進、夜間や定期巡回随時対応型訪問介護の促進などを掲げています。小規模多機能型居宅介護や定期巡回型介護の各1カ所ずつの整備を進めていくとしていますが、十分であるとは思えません。
さらに在宅介護の要である医療との連携においても、現在の体制では不十分です。推計資料によれば、今後3年間で訪問看護は40%の増加、訪問リハビリテーションは36%の増加が見込まれています。在宅介護サービスの充実のためには、区内事業者数や地域の配置などを考慮しつつ、行政としてしっかりした検討を進めていかなくてはなりません。
第3期改正時に介護予防の概念が取り入れられ、介護制度が大きく転換したように、今回の改正も施設サービスから在宅サービスの充実へと制度そのものの概念が大きく転換されようとしています。国の方針が大きくかじを切っていく中、台東区としても在宅介護サービスの充実に積極的に取り組んでいくべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
在宅介護支援サービスの充実を推進するためには、ケアマネジャーの役割が重要です。まだまだ制度自体が不完全である介護保険制度において、新規サービスが次々に追加される現状では、利用者がすべての介護サービスを理解し、自分に合ったサービスを選択することは困難です。現状では介護計画であるケアプランは担当ケアマネジャーの知識や経験により作成されることになります。どういうサービスが受けられるかは、まさにケアマネジャー次第であると言えるでしょう。
今回の制度改正により、医療メニューの増えた在宅介護サービスを積極的に利用してもらうためには、ケアマネジャーに対する研修や情報交換の機会を積極的に増やすべきではないでしょうか。国の法改正のポイントや区の方針などについて、しっかり理解を深めてもらい、ケアプランに確実につなげるべきと考えます。これらの機会が増えることはケアマネジャーの資質向上へとつながり、ひいては利用者が各自に合った本当に必要な介護サービスを受給できることになります。例えば独自の優良ケアマネジャー認定制度の策定など、ケアマネジャーの資質向上に積極的に努めるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
次に、再生可能エネルギーを生かした災害に強いまちづくりについて伺います。
区内の小・中学校はすべてが近隣住民の避難施設として指定されており、震災直後から多くの区民が学校での避難所生活を余儀なくされる可能性があります。首都直下型地震の発災時には、電力供給は強制的に停止され、復旧には6日間かかると予測されています。現在、幾つかの学校では自家発電装置が装備されていますが、消火設備に利用するためのものであり、避難所生活に利用できる電力はありません。
また、小・中学校には太陽光パネルが各3校ずつ設置されていますが、発電能力は極めて低く、生活電力としては利用を見込めません。夜間、余震におびえる現況下にあっても、明かりをつけることもできなければ、避難所運営を行うためのパソコンも利用できない状況下にあります。発災直後の電力供給がとまった場合に備え、避難施設の電力を確保するため、太陽光発電や蓄電池を設置すべきと考えます。
太陽光発電の導入は災害対策としての利点があるだけではありません。昨今の電力供給が不安定な状況をかんがみれば、計画停電等に備えた自立的な電力確保は重要な課題であります。太陽光発電は解決策の一つになり得るものですし、今回、試験的に電力会社以外の発電販売事業者であるPPSの導入を行うように、電気料金値上げに対して経費削減の効果もあります。さらに環境面においては、CO2への削減効果や子どもたちへの環境教育効果も兼ね備えています。最近では数学、理科、社会、家庭科など必修教科に再生可能エネルギーをテーマにした授業を取り入れる学校もふえてきており、結果が期待されます。
学校の屋上は現在屋上緑化や校庭の補助として使われており、現状すべての学校に太陽光パネルを設置することは難しいことかもしれません。しかし、例えば別棟に建っている体育館の屋根など、太陽光パネルを設置できる場所もあると考えます。学校施設において太陽光発電及び蓄電池の設置を行うべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
また、来街者が1日10万人を超える台東区においては、区有施設である区民館などが一時待機施設として検討されております。災害時の電力確保、節電対策として学校同様に区有施設である区民館などにも太陽光発電及び蓄電池の設置を推進していくべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
環境政策を推進する区の姿勢としても、太陽光発電を設置している施設が現在3施設、導入を予定・検討している施設が3施設だけでは積極性が感じられません。国は次年度予算において、学校や区有施設など防災拠点や災害時に機能を保持すべき公共施設への再生エネルギーや蓄電池などの導入助成を実施しようとしています。早急に災害に強いまちづくりを推進していただけるよう強く要望して、私の質問を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。」
「早川議員のご質問にお答えをさせていただきます。
ご質問の第1は、高齢者の介護についてでございます。
まず、在宅サービスの充実についてでございます。
私はこれまでも高齢者が地域で生き生きと安心して暮らし続けられるようにするため、在宅サービス及び施設サービスの充実に取り組んでまいりました。議員ご指摘のとおり、中でも在宅サービスの充実は重要でございます。そのため現在策定中の高齢者保健福祉計画では、高齢者の在宅生活を支援するため、地域包括支援センターにおける相談・調整機能を充実することといたしております。
また、新たな介護保険サービスである日中・夜間を通じての定期及び随時の訪問介護や訪問看護、デイサービスと宿泊を組み合わせた多機能型サービスの導入に取り組むなど、引き続き在宅サービスの充実を図ってまいります。
次に、ケアマネジャーの資質向上についてでございます。
ケアマネジャーは、高齢者に適切なサービスを提供するためのケアプランの作成を担っております。私もその資質向上はとりわけ重要であると認識いたしております。そのためこれまでも資質向上のための研修やその活動を支援するための取り組みを実施してまいりました。今後のケアマネジャーの活動には医療との連携が不可欠でございます。医療知識習得のための研修実施を新たに検討するなど、ケアマネジャーへの支援をさらに充実させてまいります。今後ともこれらの取り組みを着実に実施し、利用者が必要とする介護サービスが提供される環境づくりに努めてまいります。
ご質問の第2は、再生エネルギーを生かした災害に強いまちづくりについてでございます。
災害発生時に避難所となる小・中学校の停電対策や環境教育に活用するため、太陽光発電や蓄電池の導入を図ることは大変重要でございます。これまでは電力の供給停止に備え、各避難所等に小型発電機を1台設置しており、不足する場合に備えてさらに40台ほどを備蓄しております。長期間の停電や電気使用量が多くなる場合にも、できるだけ電力が確保できるよう、今後は太陽光発電や蓄電池の設置なども含め検討してまいります。
また、現在小学校及び中学校合わせて6校に太陽光発電を設置し、授業等に活用しております。今後とも教育委員会と協議しながら、環境教育のさらなる充実を図ってまいります。
次に、区有施設の太陽光発電・蓄電池の導入推進についてでございます。
区では環境配慮の視点から温室効果ガス削減に向け、台東区地球温暖化対策推進実行計画を定め、施設の新設や改修時において太陽光発電の設置など、再生可能エネルギー設備の導入を進めております。現在、浅草文化観光センターの改築や本庁舎の改修に際しましても、太陽光発電を設置し、環境負荷の低減を図っております。
今後も環境に配慮した設備を導入するため、国の再生可能エネルギー等導入推進事業などを活用し、費用対効果や施設の条件に合った設置方法も検証しながら、区有施設への太陽光発電や蓄電池の設置を検討してまいります。」

